映画「ビューティフル・ボーイ」 PR

宮沢氷魚が語る「ビューティフル・ボーイ」|離れたからこそ大切さを感じられる、父と子の強い愛

スティーヴ・カレルとティモシー・シャラメの共演作「ビューティフル・ボーイ」が、4月12日に公開される。

ドラマ「13の理由」の脚本家ニック・シェフと父親の実話をもとにした本作は、ドラッグ依存症に苦しむ青年ニックと父デヴィッドの愛と再生の物語。シャラメがニック、カレルがデヴィッドを演じた。

映画ナタリーでは、本作の公開を記念してシャラメと同世代の俳優・宮沢氷魚にインタビュー。シャラメの演技や作品の魅力、そして自身の父であるアーティスト・宮沢和史との思い出を語ってもらった。

取材・文 / 秋葉萌実 撮影 / 草場雄介

怖くなるほどリアリティがある

宮沢氷魚

──まずは映画をご覧になっての率直な感想から聞かせてください。

小さな頃から第2の故郷として過ごしてきたサンフランシスコのベイエリアで繰り広げられる話なので、親近感を抱きました。アメリカに住んでいた頃に自分の身近なところにもドラッグの問題で苦しむ人がいたことを思い出して、ニックの存在は身近に感じられて。あと僕はニックと同じく長男で、責任感や重圧、“理想のお兄さんであってほしい”という期待を日々感じていたので、彼には感情移入できました。

──以前、好きな作品として「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を挙げていましたが、本作のようなテイストの映画は普段ご覧になりますか?

はい! リアリズムがある映画も好きで、最近観た中では同性同士の愛がテーマの「ブロークバック・マウンテン」がお気に入りです。人が生きるさまが丁寧に描かれているという点では「ビューティフル・ボーイ」と近いものを感じましたね。

──「ブロークバック・マウンテン」の話で思い出しましたが、シャラメは「君の名前で僕を呼んで」では、男性と恋に落ちるキャラクターを演じていました。本作では薬物依存の青年に扮して、また新たな顔を見せています。宮沢さんご自身はそういった役柄を演じることに興味はありますか?

役者として一度は振り切ってみたい気持ちがあるので、やってみたいですね。自分からかけ離れた役を演じるのは楽しいだろうな。今一番興味があるのはサイコパス。みんな実はどこかにサイコパス的な要素を隠しているのではと思うんですが、そういう実生活で人に見せられない一面もお芝居の中では出せるので思いっきり演じたいです。

──ぜひ見てみたいです。シャラメは今回の役をどうしても演じたかったそうで、オーディションを受けたと語っています。彼の演技に、俳優としていい刺激を受けた点はありましたか。

役作りが本当に素晴らしいです! 確か、かなり減量されたんですよね?

──9kgほど絞ったようです。

9kgも!? もともと細いのにさらに減量するのはすごい。体の異常反応や震えをとても忠実に表現していて、本当にドラッグをやっている人のように見えたし、ちょっと怖くなるほどリアリティがありました。きっととても研究したんだろうな。

宮沢氷魚

ティモシーと兄弟を演じてみたい

──そもそも、シャラメに対してはどんな印象を抱いていたのでしょうか?

「ビューティフル・ボーイ」
宮沢氷魚

最初に写真を見たときは好青年なイメージがありました。これはいい意味でなのですが、アメリカにはティモシーさんみたいな雰囲気の人がたくさんいるんです。だからこそ、いろんな作品に出演をしてたくさんの人の共感を得られるんだろうなと思って。彼自身に好青年な印象があるからこそ、この作品でドラッグの沼にはまっていく様子を見て、こんなにいい子が……とショックを受けました。

──宮沢さんは英語が堪能ですが、海外作品で彼と共演したいという願望は?

いつか外国でお仕事をしたいなとずっと思ってるので、ぜひ共演してみたいです! ティモシーさんは僕の叔母にすごく似ていることもあってか、そんなに遠くの存在には感じないんですよね。毛質や髪の色もなんとなく似てるし、兄弟とか関係の深い間柄を演じられたら楽しそうだなあ。

──役作りの話に戻りますが、シャラメはいつも自分が演じるキャラクターや作品に合わせたプレイリストを作るそうです。宮沢さんは作品に入るときにどんな準備をされますか?

僕は海外で生活していた時間があったし、日本にいたときもインターナショナルスクールに通って英語で教育を受けてきたというバックグラウンドがあるんです。ほかの人とは少し違った環境で育ってきたことは、俳優として活動するにあたってはいい面もあればそうではないところもあって。日本の普通の高校生など自分が経験していない境遇の人を演じるときは、なるべく外から情報や刺激を得ようとします。

──具体的にはどのようなアプローチをするのでしょうか。

イケイケの高校生を演じることになったときは、僕はそういったタイプの高校生ではなかったし、共学の世界を知らないのでどうしよう……と思いました(笑)。そのときは演じるキャラクターとテイストが近い友達に会って話を聞きましたね。一緒にいるだけでも雰囲気から“イケイケ感”を感じ取れることがあったり。でも自分らしさを出さないといけないから、それを取り入れながらも自分の中で一度消化して、不要なものは省いていきました。