映画「
本作は現代社会に潜む憎悪の連鎖が“集団狂気”へとエスカレートしていくさまを描いたサスペンススリラー。転売で日銭を稼ぐ主人公・吉井良介を菅田、吉井に雇われたバイト青年の佐野を奥平、ネットカフェで生活するフリーター・三宅を岡山が演じ、吉井が働く工場の社長である滝本に荒川、吉井の転売業の先輩・村岡に窪田が扮した。
数多くの海外映画祭で上映された本作。黒沢いわくヴェネツィア国際映画祭では固唾を飲んで見守る観客が多く、トロント国際映画祭は笑いが起こる一幕もあったそう。MCが上映後の観客に恐怖と笑いのどちらを感じたか挙手を募ると、恐怖を感じた観客が大半を占めた。菅田は「出演しているということもありますし、悪の軍団の皆さんのシーンを見ていないので、僕は笑いのほうが強かったですね。怖すぎたり、気持ち悪すぎて笑ってしまうという感覚です」と吐露した。
奥平は恐怖を感じたと明かし「窓ガラスが『バーン』となるシーンとか、家の周りで物音がして『なんだなんだ』と外に出てくる場面はドキドキ感がありましたね。振り向いたら誰かがいるんじゃないかと」と回想。黒沢が終盤での吉井のシーンに関して「菅田さんの表情が最高でしたね。ほんの小さな幸せにすがろうとする、人間の情けなさや愛らしさが一瞬出ているんですよ。胸を打ちました」とたたえると、菅田は「同時進行でいろんなことが起こっていて、台本を読んでも感情が一辺倒でないように感じました。すごく楽しいシーンでしたね」と振り返った。
劇中でマスクを着用している岡山は、窪田から「(マスクは)自分で作ってるの? 少し毛があったけど、あれは地毛?」と聞かれると「違いますよ(笑)」と反応しつつ「なんパターンも作っていただいたんです。目の穴を微調整していただきました」と打ち明ける。黒沢が「袋も毛も200円ぐらいで買えるんです」と言及すると、菅田は「200円で三宅になれるんだ!」と目を丸くし、窪田は「かっこいいビジュアルだよね。『Cloud クラウド』の看板になってる」と賛辞を送った。
本作の物語に絡めて“おびえた”エピソードに話が移ると、菅田は「大兼くんの私服にはおびえましたね。20代で一番個性あるんじゃない?」と証言。「緑系で統一している日はすごかった。かっこよかったし、ファッションが好きなんだろうな」と続けると、荒川は「こういった激しい作品だから、目に優しいものを……ということ?(笑)」と目線を送る。奥平は「全然覚えてないんです(笑)」と思い返したあと「服に対する愛はありますね」と述べた。
中盤には、質問に当てはまる人を登壇者が一斉に示す「指差しトーク」も実施。「いい意味で『裏切られた』と思った人は?」という問いには黒沢が票を集め、菅田は「割とフランクに話してくださる監督だったということが意外だった」と、荒川は「こういう作風なのに、撮影現場はすっごく平和」と明かす。一方で黒沢は窪田を指し「クールで物静かな人だと思っていました。ピストルが登場する作品は何作も撮っていますが、あんなにはしゃいでいた方は初めて」と回答。窪田は「監督もニヤニヤしてましたよ(笑)」と照れくさそうな様子を見せた。
最後に黒沢は「あまり観たことのない映画と思われるかもしれません。こういう映画もあると知っていただけたらうれしいです」とコメント。そして「相当変な映画だと感じる人もいると思いますが、その分、記憶の奥深くにこの映画が残ってくれればいいなと思います」と挨拶し、イベントの幕を引いた。
「Cloud クラウド」は全国で公開中。
tAk @mifu75
【イベントレポート】「Cloud」菅田将暉が奥平大兼の私服に驚愕、窪田正孝は岡山天音のマスク姿に賛辞送る(写真17枚) https://t.co/fqWRIIMrNp