コミックナタリー PowerPush - ミュージカル「美少女戦士セーラームーン-Petite Étrangère-」

セラミュー世界へ初進出!上海を熱狂させたセーラー戦士の絆

武内直子原作によるミュージカル「『美少女戦士セーラームーン』Petite Étrangère-」のDVDがリリースされた。一昨年8年ぶりに復活を果たした新生セラミューの第2弾となるこの公演では、ちびうさやセーラープルートが登場するブラック・ムーン編のストーリーが展開される。

コミックナタリーはDVD発売を記念して、1月16日~18日まで上海で行われたセラミュー初の海外公演に同伴。熱狂を呼んだ現地の様子をレポートするとともに、セーラームーン/月野うさぎ役の大久保聡美、セーラーマーキュリー/水野亜美役の小山百代、セーラーマーズ/火野レイ役の七木奏音、セーラージュピター/木野まこと役の高橋ユウ、セーラーヴィーナス/愛野美奈子役の坂田しおりの座談会を現地で実施した。臨場感溢れるキャストのトークをお楽しみいただきたい。

取材・文・撮影(上海公演)/岸野恵加

 
mixiチェック
上海公演レポート

1993年にスタートして以来、実に800公演以上が上演されてきたミュージカル「美少女戦士セーラームーン」。昨年7月にコミックナタリーで展開した特集記事(参照:ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」特集)にて、原作担当編集の小佐野文雄氏は「目指すは世界です」と断言していたが、早くもそれが実現した格好だ。中国では1990年代にアニメ「美少女戦士セーラームーン」が放送され、ニコニコ動画にて現在「美少女戦士セーラームーンCrystal」の中国語字幕付き配信も行われているため、現地ファンは多い。

会場となった上戯劇院は、中国でも有数の国立演劇大学・上海戯劇学院内に位置する。舞台の製作を担当したネルケプランニングの中国法人、ネルケチャイナが2014年9月に設立されたことがきっかけとなり、この上海公演が実現する運びとなった。

初日となった1月16日、上演前に行われた囲み取材には、多くの現地メディアが詰めかけた。戦士たちは期待に満ちた笑みを浮かべながらも、小山百代が「言葉が通じず字幕での上演なのですこし緊張している」、七木奏音が「言語が違うのはもちろん習慣や流行も違うので、『-Petite Étrangère-』のメッセージが伝わるかドキドキ」と述べたように、不安も隠せない様子。しかし最高のパフォーマンスを届けるため、直前まで本番への最終調整を入念に行っていく。

劇場の門が開かれると、多くの人が次々に入場。観客は20代、30代の女性客が多いが、男性客や小さな子供連れの家族など、日本に比べると幅広い年齢層の人々が集まっているように見受けられた。中にはルナのぬいぐるみなど「セーラームーン」グッズを身に着けている人や、全身キャラクターのコスプレでやってきた人も。開演前のフロアには日本での上演時と同じく、ももいろクローバーZによるアニメ「美少女戦士セーラームーンCrystal」のオープニング曲「MOON PRIDE」とエンディング曲「月虹」が交互に流れている。

本編はすべて日本語で演じられるが、ステージの両脇に設置されたLEDにセリフの中国語訳を表示。いよいよ幕が上がると、大きな拍手がキャストを迎え入れた。冒頭のうさぎ、ちびうさ、衛のコミカルなシーンでは随所随所で笑い声が起こり、日本での公演時に比べ観客のリアクションの大きさに驚く。「ありがとう」というセリフを「謝謝」と言い換えたり、日本では「本物」と書かれていたマーズのゼッケンを「本尊」という表記にしたりと、キャストは中国語にも果敢に挑戦。披露されるたびに客席から歓声が上がる。さらに偽セーラームーンがグラマーになっているなど、上海公演に合わせた演出のマイナーチェンジもあり、日本からはるばるやってきたファンもその変化を楽しんでいる様子だった。またこの上海公演から衣裳がリニューアルされ、大久保聡美は「ピカピカなんです!」と舞台裏で笑みを浮かべていた。

驚いたのは、文化やマナーの違いによって、コミカルなシーンのみでなくシリアスな場面でも笑い声が起こることが多々あったこと。キャスト・スタッフは当初戸惑ったようだったが、物語が佳境にさしかかっていくにつれ、真剣にステージを見つめる観客が増えていく。

カーテンコールでは「ムーンライト伝説」の上海公演スペシャルバージョンが披露され、ラストでメインキャストが客席に降り立つと、客席では絶叫が飛び交い、この日一番の盛り上がりに。自分の席を離れ、少しでもキャストの近くに行こうと走り出す人も少なくなかった。この日を待ち焦がれていたファンからの熱い視線を受け、セラミュー初の海外公演初日は、大成功のうちに幕を下ろした。

「-Petite Étrangère-」の上海公演は2015年1月16日から18日まで計5公演が上演され、約900人を収容する劇場は連日満員。3日間で計約4500人を動員した。マンガやアニメを原作とした舞台作品、通称2.5次元ミュージカルが中国本土で上演されるのはこれが初めてとなる。ネルケプランニングの代表取締役松田誠氏は「ほかにも日本には数々のマンガやアニメーションを題材とした舞台があるので、また中国で公演ができるようにがんばっていきたいと思っています」と意気込んでいた。2014年3月には松田氏を代表理事とした「一般社団法人 日本2.5次元ミュージカル協会」が発足している。今年はすでにミュージカル「テニスの王子様」、「ライブ・スペクタクル NARUTO-ナルト-」の海外公演が決定しているが、今後日本の2.5次元作品は、これを機にますます世界へ飛び出していくことだろう。

Contents Index
上海公演レポート
セーラー戦士座談会 in 上海
ミュージカルDVD「美少女戦士セーラームーン」-Petite Étrangère-
ミュージカルDVD「美少女戦士セーラームーン」-Petite Étrangère- / 2015年1月28日発売 / 価格:8424円 / キングレコード / KIBM-470 / フルカラー28ページブックレット付き
特典映像DISC
  • ちびうさ(神田愛莉ver.)シーン
  • うさぎ×まもちゃん対談
  • 池袋サンシャインライブイベント
  • セーラー戦士女子会
  • Wちびうさ突撃稽古場リポ
  • 色紙コメント集
キャスト

セーラームーン/月野うさぎ:大久保聡美
セーラーマーキュリー/水野亜美:小山百代
セーラーマーズ/火野レイ:七木奏音
セーラージュピター/木野まこと:高橋ユウ
セーラーヴィーナス/愛野美奈子:坂田しおり
セーラーちびムーン/ちびうさ:久家心、神田愛莉(Wキャスト)
セーラープルート:石井美絵子

プリンス デマンド:麻尋えりか
サフィール:真波そら
ルベウス:立道梨緒奈
エスメロード:広村美つ美
ブラックレディ:伊藤優衣

タキシード仮面/地場衛:大和悠河 ほか

原作:武内直子(講談社刊)
脚本・演出:平光琢也
音楽:佐橋俊彦
制作:ネルケプランニング