「天は赤い河のほとり」「花にけだもの」の萩原綾乃(小学館ちゃお編集部)
マンガ家が作品を発表するのに、経験豊富なマンガ編集者の存在は重要だ。しかし誰にでも“初めて”がある。ヒット作を輩出してきた優秀な編集者も、成功だけではない経験を経ているはず。名作を生み出す売れっ子編集者が、最初にどんな連載作品を手がけたのか──いわば「担当デビュー作」について当時を振り返りながら語ってもらい、マンガ家と編集者の関係や、編集者が作品に及ぼす影響などに迫る連載シリーズ。2022年に反響を呼んだ同連載が、2年ぶりに帰ってきた。今回登場してもらったのは、小学館ちゃお編集長の萩原綾乃氏。1994年の入社以降、ハイティーンからローティーンまで、少女マンガの編集一筋だ。担当作家は、篠原千絵と北川みゆきにはじまり、宮坂香帆、杉山美和子、小畑友紀、くまがい杏子、水瀬藍、白石ユキ……。萩原氏が担当してきた作家と作品は、日本の少女マンガの歴史そのものである。まだ何者でもない少女たちから作家の卵を見出し、励まし、並走し、数多くの伝説的作品を二人三脚で生み出してきた萩原氏のパワフルな編集史に迫る。