実写映画「
ティザービジュアル第4弾には、雪で曇る窓ガラスを背景に、1枚のチラシを持ってバスの座席に座る明里の横顔が切り取られた。また「好きな景色、好きな言葉。あの時、そういうもの全部に出会った。」というキャッチコピーからは、大人になった明里の思いが垣間見える。高畑は、「正直、お話をいただいた時は、本当に?! 私ですか???と、不安だらけでした。なぜなら、新海さんのアニメの中に居る明里さんは、動く度花びらが舞うような、『素敵な女性、という概念』みたいな存在だったので」と、原作の明里に対する印象と彼女を演じることへの不安を明かし、「ですが、いただいた台本を開くと、そこには『概念』じゃなくて『人間』が居て、私が見させてもらっていた明里さんは、貴樹の目を通した明里さんだったのかなぁ、と。少しだけ明里さんを身近に感じることが出来ました」と語る。
一方先日、実写版の初号試写を鑑賞したという新海。「自分でも驚いたことに、泣きながら観ていました。原作由来の要素に自分で泣いているのか、奥山組に泣かされているのか、あるいは失われた2000年代に泣いているのか自分でもよく分からないまま、でもとにかく、強く感動させられました」と感想を述べ、「今回の実写映画では当時のその不器用な種が、青さも含んだままに見事な結実となっていました。『秒速5センチメートル』を作っておいて良かったと、(ほとんど初めて)心から思えました」と、20年前に作られたアニメーション映画を新たに実写版として完成させた奥山組へ感謝の言葉を贈った。
2007年に公開された、新海監督の同名アニメーション映画を原作とする「秒速5センチメートル」。
高畑充希(篠原明里役)コメント
正直、お話をいただいた時は、本当に?! 私ですか???と、不安だらけでした。
なぜなら、新海さんのアニメの中に居る明里さんは、動く度花びらが舞うような、「素敵な女性、という概念」みたいな存在だったので。私にとって。
ですが、いただいた台本を開くと、そこには「概念」じゃなくて「人間」が居て、私が見させてもらっていた明里さんは、貴樹の目を通した明里さんだったのかなぁ、と。少しだけ明里さんを身近に感じることが出来ました。
今回あの新海さんの世界観を実写に落とし込んだスタッフさん達が、本当に凄くって!
何より、10年以上前から写真で一緒にお仕事してきた同級生の奥山監督の、1本目の商業長編作品に参加出来て、幸せな気持ちです。
新海誠(原作者)コメント
映画を観始めて、最初はなんだか居心地が悪かったのです。
不完全で未熟なバトンを若い作り手たちに渡してしまったような気持ちでした。
しかし途中から映像に呑まれ始め、最後には自分でも驚いたことに、泣きながら観ていました。
原作由来の要素に自分で泣いているのか、奥山組に泣かされているのか、あるいは失われた2000年代に泣いているのか自分でもよく分からないまま、でもとにかく、強く感動させられました。
あらためて、『秒速5センチメートル』は奇妙な物語です。たいしたドラマツルギーもなく、胸のすく活劇もなく、ヒーローも悪役もいない。皆が理由もなく傷つき、傷つけられ、いつもなにかが満たされずにいる。
でも20年前は、その「なにもなさ」が私たち自身の姿であり生活であり、それを掬いあげるようなアニメーション映画を作ろうと思っていたのです。
アニメーション版がその目標に届いていたかは心許ないのですが、今回の実写映画では当時のその不器用な種が、青さも含んだままに見事な結実となっていました。
『秒速5センチメートル』を作っておいて良かったと、(ほとんど初めて)心から思えました。
奥山組の皆さん、本当にありがとうございました。
実写映画「秒速5センチメートル」
2025年10月10日(金)公開
スタッフ
原作:
監督:
脚本:鈴木史子
音楽:江崎文武
劇中歌:山崎まさよし「One more time, One more chance ~劇場用実写映画『
制作プロダクション:Spoon.
配給:東宝
キャスト
遠野貴樹:
篠原明里:
澄田花苗:森七菜
遠野貴樹(高校生):青木柚
水野理紗:木竜麻生
遠野貴樹(幼少期):上田悠斗
篠原明里(幼少期):白山乃愛
輿水美鳥:宮崎あおい
小川龍一:吉岡秀隆
※宮崎あおい、江崎文武の崎はたつさきが正式表記。
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「秒速5センチメートル」明里役は高畑充希、新海誠「作っておいて良かったと思えた」
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