「劇場版モノノ怪」神谷浩史が短冊に書く願いは、中村健治監督は薬売りにたくさん会いたい

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劇場版モノノ怪 唐傘」の舞台挨拶付き完成披露試写会が本日7月7日に東京・TOHO シネマズ六本木で開催され、薬売り役の神谷浩史、アサ役の黒沢ともよ、歌山役の小山茉美中村健治監督、プロデューサーの山本幸治氏が登壇した。

左から中村健治監督、黒沢ともよ、神谷浩史、小山茉美。観客は劇中に登場する“モブ女中”のお面を着用している。

左から中村健治監督、黒沢ともよ、神谷浩史、小山茉美。観客は劇中に登場する“モブ女中”のお面を着用している。

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左から山本幸治氏、黒沢ともよ、神谷浩史、小山茉美、中村健治監督。

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7月26日公開の「劇場版モノノ怪 唐傘」。イベント開始前にはMCを務める吉田尚記から、会場に向かう登壇者を乗せたエレベーターのドアが突然閉まらなくなるという、奇妙なトラブルがあったことが明かされ観客はどよめく。しかしキャスト陣全員が夏らしい浴衣姿で登場すると、会場は明るい雰囲気に一変した。クラウドファンディングの支援者が招かれた今回のイベント。山本氏が支援者に改めて感謝を述べると、中村監督も「作品が大きくなるきっかけをいただきました。本当にありがとうございます。今日皆さんに最初に観ていただけるのが本当にうれしいです」と続いた。

神谷浩史

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完成版の映像はまだ観ることができていないと言う神谷。約1カ月前に完成前の映像を観た際、中村監督に「これ完成してますよね」と尋ねると、「いや、まだ1300カットくらい直します」と返されて驚いたことを振り返る。「トータルで2600カットあるんですよ。90分のアニメーションとして2600カットはちょっとどうかしてるカット数なんですけど」とその気合いの入りようを伝えた。そして完成前の映像でありながら「取り憑かれたように3回連続で観まして、まず1回目はその映像に圧倒された」と印象を語る。台本を見返しながら3度目の鑑賞をした際「僕はアニメーションに携わるようになって30年くらい経ちますけれど、本当に台本の読み込み方がまだまだ甘かった」とセリフや物語の深さを改めて感じたのだそう。そんな神谷の演技について中村監督は「深く納得がいっていますね」と断言する。薬売りの変身前後の声を、特にイメージは伝えず「変えて欲しい」とだけ言ったにも関わらず、一発でOKが出たとその実力を称えた。

小山茉美

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「劇場版モノノ怪 唐傘」には通常のアニメ映画の2倍の台本が用意されていたことに神谷が触れると、中村監督が「(絵コンテは)両面刷りでこれくらい」と自身の上半身ほどの幅に両手を広げる。小山はそのカット割りの多さから、台本を読むのに苦労したのだと話し出した。台本にはセリフがどのシーンで使用されるものかを示すため、セリフとともに多数の場面カットが印刷されていたと説明し、「カット割りが多くて、(カットの下に書かれているセリフが)1つの単語、ひどいところは2文字くらい、もっとひどいと1文字や、なかったりとか」と台本のページ数が多い理由を明かした。

黒沢ともよ

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印象に残ったシーンを尋ねられた黒沢は「アクションシーンと言いますか、かっこいいシーンがとても多くて。ビジュアル的な世界の表現ですとか、音楽のはめ込まれ方というのがたまらない」と熱弁する。後半のシーンについては「ぜひすべての五感を溶けさせて、物語の中に入っていただけたら」とアピール。「顔がバラバラになっていく感じがしました」と独特の映像表現を絶賛した。

中村健治監督

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続いて以前YouTubeのTWIN ENGINEチャンネルで公開されたトーク番組で「薬売りは64人いる」という設定が明かされたことに話題がおよぶ。中村監督は設定が「怪~ayakashi~」の後、TVシリーズ「モノノ怪」を制作する前に作られたものだと言い「実は退魔の剣はたくさんあって、それに合わせて薬売りさんも何人かいらっしゃって」と説明。またファンから“ハイパー”と呼び親しまれている薬売り変身後の姿も64体すべてデザインが異なることや、その姿に今作初めて名前が付けられたというエピソードが披露された。

神谷浩史

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ここで本日が七夕であることや、映画の内容にちなんでそれぞれが“情念を抱くほど切望する願い事”を短冊に書いて発表。黒沢が「モノノ怪Tシャツほしい」と要望を伝える中、小山は薬売りに向かって「すべてを祓い平和な星に♡」とお願いする。やや鼻声のような神谷は「健康第一」と書かれた短冊を披露しながら「本当にお聞き苦しい美声を響かせております」と冗談めかして観客の笑いを誘った。中村監督は薬売りが64人いるという話題にかけて「『薬売り』に沢山会いたい」と今後の展開への意欲を垣間見せた。イベントでは主題歌を担当するアイナ・ジ・エンドからビデオコメントも紹介され、完成を祝う言葉と「声優さんたちの、命の声の吹き替えというものがものすごいなと思いました」とキャスト陣の演技の感想が述べられた。

神谷浩史

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和やかな雰囲気の中イベントも終盤に差しかかり、改めて神谷が「劇場で観るにふさわしい映像に仕上がってると思います」と期待を煽る。そして「まず第1回目は、この圧倒的な映像に身を委ねて時間をお過ごしいただければ」と客席へ視線を送った。黒沢は観客へ「アサの人生にいろんなものを託して演じましたので、そんなものも受け取っていただきつつ、圧倒的な世界観を楽しんで」と語りかけ、小山も「(「劇場版モノノ怪 唐傘」は)アニメーションというよりも、私はアートだと思います。アートの世界を堪能してください」と続く。

左から黒沢ともよ、神谷浩史。

左から黒沢ともよ、神谷浩史。[拡大]

中村監督はエンディングを見るのが好きだと笑いながら「(スタッフロールを見ると)こんなにたくさんの人たちが力をくれて、こういうものになったんだなっていうのがすごく味わい深くて」とクラウドファンディング支援者含めた関係者に思いを馳せる。最後に「絵に合わせて作曲するっていう“フィルムスコアリング”を『モノノ怪』として初めてやりまして、どれが効果音でどれが音楽なのか、もはやわからないみたいな状態になってます」と音響へのこだわりもアピールし、イベントは幕を閉じた。

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「劇場版モノノ怪 唐傘」

2024年7月26日(金)全国公開

スタッフ

監督:中村健治
キャラクターデザイン:永田狐子
アニメーションキャラデザイン・総作画監督:高橋裕一
美術設定:上遠野洋一
美術監督:倉本章
斎藤陽子
色彩設計:辻󠄀田邦夫
ビジュアルディレクター:泉津井陽一
3D監督:白井賢一
編集:西山茂
音響監督:長崎行男
音楽:岩崎琢
プロデューサー:佐藤公章、須藤雄樹
企画プロデュース:山本幸治
配給:ツインエンジン、ギグリーボックス
制作:ツインエンジンEOTA

キャスト

薬売り:神谷浩史
アサ:黒沢ともよ
カメ:悠木碧
北川:花澤香菜
歌山:小山茉美
大友ボタン:戸松遥
時田フキ:日笠陽子
淡島:甲斐田裕子
麦谷:ゆかな
三郎丸:梶裕貴
平基:福山潤
坂下:細見大輔
天子:入野自由
溝呂木北斗:津田健次郎

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(c)ツインエンジン

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