「ヤバい、トラックに間に合わな～い!!」

──2009年初頭にはひさびさのCDシングル、そして待望の1stアルバムが立て続けにリリースされました。そのプロモーションとして、ここで“トラック生活”第2弾が実施されましたね。

リサ　（ニュース記事を読みながら）警察が来てますねー。

◎バニラビーンズ伝説の“トラック生活”に再チャレンジ（2009.2.23）
◎バニラビーンズのトラック生活、DAXで期間限定再配信（2009.3.2）

──警官に囲まれてるとき、トラックの中でどんなこと考えてました？

リサ　スタッフがどうにかしてくれるんじゃないかなーって。アイドルだし。

社長　一応許可は取ってあったんで、道交法違反ではないんですよ。単にどういうことやってるのか気になったらしくて。

──写真のキャプションには「おまわりさんも興味津々」とありますけど、実際そのとおりだったんですね。でももうトラック生活も2回目となると……。

レナ　余裕ですね。社長の目を盗んでファンの方とお話ししたり。のべ8日間ぐらいだったんですけど、一緒に暮らしてる姉に「仕事行ってくるねー」って言って、トラックに乗る（笑）。

リサ　私は学校が終わって急いで向かってました。「ヤバい、トラックに間に合わな～い!!」って（笑）。

──トラック生活の間、社長はどうしてるんですか？

社長　2人の体調管理ですね。「大丈夫か、暑くないか」って声をかけて。

レナ　でも2回目からはたまーにしか現場に来ないんですよ（笑）。トラックの後ろに社長の黒いポルシェが停まると「あ、真面目にやんなきゃ」って身を引き締めて。

──派遣のバイトみたいですよね（笑）。「あ、雇い主が来た」っていう。この時期にはコアなファンの方もだいぶ増えてきたと思います。ファンにとっては「歴史を目撃する」ことに大きな価値があるので、この時期すでにファンだった人は幸福ですよね。伝説の目撃者ですから。

リサ　毎日トラックを観に来てくれる人もいました。目の前で牛丼を食べながら（笑）。

「なんでアルバム出すんだろう？」と思ってました

──1stアルバム「バニラビーンズ」はデビューからのおよそ2年間がすべて詰まった内容でした。「初めてのアルバム」という感動はありましたか？

レナ　配信を集めて出したって感じだったから（笑）、アルバムを出したっていう気分ではなかったですね。

リサ　私はアルバム出すほど活動していた実感もなかったし、「なんで出すんだろう？」と思ってましたね（笑）。でも一生懸命「バニラビーンズのすべてが詰まったアルバムです！」とか「名刺代わりの1枚です！」とか言ってました。意味はよくわかってなかったけど。でも今思えば、このアルバムがバニラビーンズのベースになっていると思います。「北欧」というコンセプトで、ストレートに楽しめるポップソングで。

──ここでひとつのかたちとして明確になったからなのか、この後さらに自由な方向へ加速したような印象があります。同時にニュースもドッと増えました。一部ピックアップしてみましたが、タイトルだけ見たら何のニュースなのかわからないものも多いですね……。

◎「DAX LIVE」にsugiurumn、カジ、バニビ、田代まさし出演（2009.3.23）
◎小西康陽、バニラビーンズプロデュース会議に緊急参戦（2009.3.30）
◎バニラビーンズ×初音ミクの腐女子リミックス大会（2009.5.7）
◎バニビ初主催「北欧へ行くつもりじゃなかった」大成功（2009.6.10）
◎浴びるほど飲み食いしながら楽しむバニビ＆Saoriライブ（2009.6.23）
◎新宿30DAYSに相対性、ナツメン、曽我部、バニビら追加（2009.7.17）

──アイドルなのにゴミを拾ったりトラックに乗ったり、サブカルチャーの人脈と交流したり、こういうニュースが世間に出ていることについて親御さんはどういうふうに思ってるんでしょうね。

レナ　うちのお母さんはバニラビーンズのファン第1号なんです。インターネットでやってる「バニビうらび」っていう私たちの番組に、まだメールが来ない頃に1人で5人分ぐらいペンネーム変えて送ってきてくれてたぐらいなので（笑）、どんなニュースが載っても喜んでくれてますね。

リサ　うちの親はネットとか全然わかんないタイプなので、気付いてないと思います。

──ライブには来ないんですか？

リサ　たまーに来ます。ビデオカメラ持って。緊張しちゃうからあまり来ないでほしいですね。仕事場をあまり見られたくないじゃないですかー。ちょっと特殊な仕事場ですから（笑）。

レナ　うちは地元の滋賀県でライブがあると家族全員で来てくれます。