音楽ナタリー Power Push - GLIM SPANKY

新しい時代目指し“ヤバい道”を行け

GLIM SPANKYが1月27日に5曲入りの2ndミニアルバム「ワイルド・サイドを行け」をリリースした。2014年にデビューした彼女たちは、Led ZeppelinやThe Rolling Stones、Eaglesなどの1960~70年代のロックやブルースといったルーツを、独自の感性と現代的な感覚で昇華させたナンバーによって、今各方面から高く評価されているロックユニットだ。音楽ナタリー初登場となる今回は、2016年第1弾リリースとなる本作に込めた熱い思いから、彼らが今ロックンロールを鳴らす理由までを大いに語ってもらった。

取材・文 / 内田正樹 撮影 / 小原泰広

 
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桑田さんって、あの桑田佳祐さん?

──昨年12月に放送された桑田佳祐さんのラジオ番組「桑田佳祐のやさしい夜遊び」の中で「桑田佳祐が選ぶ、2015年邦楽シングル・ベスト20プラスα」が発表されて、GLIM SPANKYの「褒めろよ」が堂々の第2位だったという。これはご存知でしたか?

松尾レミ(Vo, G) スタッフから聞いて驚きました。「うそっ!?」って。

亀本寛貴(G) 「桑田さんって、あの桑田佳祐さん? 本物?」みたいな(笑)。

──「褒めろよ」がまたエラいところで“褒められた”という(笑)。

左から松尾レミ(Vo, G)、亀本寛貴(G)。

松尾 もう本当にうれしくて「光栄です!」としか言えません。ほかにも佐野元春さんや野宮真貴さんとか、私たちの大好きな先輩たちがGLIMのことを褒めてくれているんです。皆さん鋭い目を持っていて、メジャーなものにもマニアックなものにも精通している方々じゃないですか。どの方も嘘やお世辞を言わない人だと思うし、特に事務所の先輩とかでもない(笑)。つまり本音で褒めてくださっているんですよね。いとうせいこうさんやユースケ・サンタマリアさんも褒めてくださっていると聞いていますし。何より、そういった大人の方々が、私たちのような若いバンドの音を聴いてくれているのがまずカッコいいなって。

亀本 すごく尊敬させられますし「ロックだなあ」と思いますね。でもロックが好きな大人って、そういう方が多い気がします。皆さん、感覚というか思考がずっと若々しいというか。

松尾 そうそう。行動がいい意味でやんちゃだったりしてね。私たち、先日「みうらじゅん賞」(※みうらじゅんが毎年独断で選考・贈呈する賞)をいただいたんですが、受賞のあとに、みうらさんと安齋肇さんと飲みに行ったんですよ。で、最後にみんなで写真を撮ろうということになって。私、いっぱい食べたあとだったんで、一応口紅を塗り直したんです。そうしたらみうらさんが「俺も塗る!」って、私の口紅を奪って自分の唇に塗りだして(笑)。

──さすがですね、みうらさん(笑)。

松尾 もう保育園児みたいでした。ヤバいわ、この人クレイジー過ぎるわって(笑)。

亀本 でもそこが、カッコいい大人なんだよね。

松尾 うん。みうらさんも安齋さんも、強烈な個性を持っているけどメインストリームにいられる方々じゃないですか。そのカッコよさを思い知りました。すてきですよね。

もう1回疾走感のある曲をやったほうがいい

──“個性が際立っているけどメインストリームにいる”って、まさにデビューからここまでのGLIM SPANKYの道のりだと思うし、今回のミニアルバムの表題曲「ワイルド・サイドを行け」にも通じる精神性を感じます。

松尾 実は今回、これまで「褒めろよ」「リアル鬼ごっこ」と速いロックのシングル作が続いていたので、私としてはまったく真逆の曲調でいきたいなと思っていたんです。GLIM SPANKYのレパートリーは速い曲だけじゃないので。

左から松尾レミ(Vo, G)、亀本寛貴(G)。

亀本 それを僕が反対したんです。「もう1回疾走感のある曲をやったほうがいい」と。僕らのようにまだまだ無名のバンドが存在を認知してもらうことは、そんな簡単なことじゃない。だからもっとこういう速いテンポの曲を推していったほうがいいと。そういう発案は、僕がすることが多いかもしれないです。

松尾 まあよくぶつかるんですよ、私たち(笑)。でもそう言われてみて「確かに!」と納得できたので「おし、じゃあ作ったるわ!」と。

──そこはGLIM SPANKYが興味深い点のひとつですよね。サウンドプロデュースに亀田誠治さん、共作詞にいしわたり淳治さんなど、曲によって共同作業者を招いてはいるんだけど、全体の方向性はすべて2人で決めているという。

松尾 そうですね。淳治さんも亀田さんも、自分たちの完成形ができた上で最後の最後に合流していただいて、曲をさらにブラッシュアップさせるために力をお借りしている感じです。私、メジャーデビューをする前までは、メジャーとかプロデューサーという響きに対してすごく偏見を持っていたんです。単にわからないから怖かったというのと、大人への嫌悪感だったんですね。「自分が手塩にかけた音楽を好きなようにいじられるんだ」とか、「プロデューサーなんて言ってるけど、音楽をロクに知らない大人が名乗っているに違いない」みたいなネガティブイメージしか持っていなかったんです。

亀本 レミさん、ずっと言ってたよね(笑)。でもデビューしてみたら全部2人で決めた通りにやらせてもらえているし、亀田さんも淳治さんもものすごい人たちだし、本当によかったなって思います。

松尾 もう全部覆されました。「今まですみませんでした」って感じです(笑)。今となっては、スタジオに入ってくださる皆さんもスタッフも心から信頼しています。気持ちよく意見をぶつけ合えるし、みんなで戦えているという気分ですね。

GLIM SPANKY ミニアルバム「ワイルド・サイドを行け」 / 2016年1月27日発売 / Virgin Music
初回限定盤 [CD+DVD] / 2700円 / TYCT-69097
通常盤 [CD] / 1620円 / TYCT-60077
CD収録曲
  1. ワイルド・サイドを行け
  2. NEXT ONE
  3. BOYS & GIRLS
  4. 太陽を目指せ
  5. 夜明けのフォーク
初回限定盤DVD収録内容

2015/10/17 赤坂BLITZワンマン公演

  1. サンライズジャーニー
  2. 焦燥
  3. MIDNIGHT CIRCUS
  4. ダミーロックとブルース
  5. 褒めろよ
  6. WONDER ALONE
  7. リアル鬼ごっこ
  8. NEXT ONE
  9. 大人になったら
  10. さよなら僕の町
GLIM SPANKY(グリムスパンキー)
GLIM SPANKY

松尾レミ(Vo, G)、亀本寛貴(G)による男女2人組のロックユニット。2007年に長野県内の高校で結成。2009年にはコンテスト「閃光ライオット」で14組のファイナリストの1組に選ばれる。2014年6月に1stミニアルバム「焦燥」でメジャーデビュー。その後、スズキ「ワゴンRスティングレー」のCMに、松尾がカバーするジャニス・ジョプリンの「MOVE OVER」が使われ、松尾の歌声が大きな反響を呼ぶ。2015年7月には1stアルバム「SUNRISE JOURNEY」をリリース。10月には東京・赤坂BLITZにてワンマンライブを実施する。また2015年はJOIN ALIVE、FUJI ROCK FESTIVAL、SWEET LOVE SHOWERなどといった大型フェスにも出演し、沢山のオーディエンスを沸かせた。2016年1月に2ndミニアルバム「ワイルド・サイドを行け」を発表する。