6月18日と19日に東京・日本武道館で、
布袋は今回のライブでは、布袋と長年にわたり親しい間柄のサイモン・ヘイルを指揮に迎え、東京ニューシティ管弦楽団と共演。このほか、ドラムにイアン・トーマス、ベースにジェリー・ミーハン、マニピュレーターに岸利至が加わり、ロックンロールとオーケストラによる異色のコラボライブが2時間以上にわたり展開された。
6月19日の公演では、ほぼ定刻どおりにオーケストラのメンバーがステージ上に登場。続いてサイモン、イアン、ジェリー、岸がステージに上がり、客電が着いたまま1曲目「TIME HAS COME」を演奏し始めた。アルバム「GUITARHYTHM IV」のオープニングを飾る「TIME HAS COME」が終盤に差し掛かった頃に、シルクのスーツを着用した布袋がステージに登場。白いストラトキャスターを抱え最初の一音を鳴らしたところで、会場が暗転する。そして、映画「キル・ビル」でおなじみの「BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY」がスタートした。オーケストラが加わったことでよりスリリングなアレンジとなったこの曲に、観客も大興奮。同曲を演奏し終えると、布袋は客席に向かって深々とお辞儀をした。
布袋は観客に向けて「ハロー、トーキョー! 会いたかったよ。今日はいつもと違うギター&シンフォニーのライブへようこそ!」と挨拶。続けて、「僕自身初めてのことなので、どんなライブになるのかわからないけど、ギターとバンドとオーケストラの共演を心ゆくまで楽しんで帰ってください」と笑顔で語りかけた。布袋とオーケストラはそのまま、「Mission : Impossible Theme」「Strangers 6 Theme」といった映画やドラマのテーマソングを演奏。布袋の鋭いギターサウンドと優雅なオーケストラサウンドが融合することで、武道館は独特の空気に包まれていった。
そして、布袋は2003年に亡くなった作曲家マイケル・ケイメンとの思い出を話し始める。「次の曲はマイケル・ケイメンと作った大切な曲。今日は天国で、マイケルもこのコンチェルトを聴いて小さな拍手を送ってくれているんじゃないかな」と言うと、布袋はマイケルとの共演曲「GUITAR CONCERTO」を感情をたっぷり込めて演奏した。久しぶりに披露されたこの曲を聴いて、観客はステージに向けて惜しみない拍手を送る。無事演奏し終えた布袋は、「なかなか緊張感のある曲で、これが終わるとホッとする感じ」と安堵の表情を見せた。続けて、「僕の最初のソロアルバム『GUITARHYTHM』の中で、1曲だけライブで再現できなかった曲があって。今日はついにその曲を、オーケストラと一緒に演奏することができます」と言うと、ギターを置いた布袋がオーケストラをバックに「A DAY IN AUTUMN」を歌唱。身振り手振りを交えて歌う布袋と幻想的なサウンドを響かせるオーケストラは、汗がじんわりにじむ梅雨特有の空気をひんやりとした秋風へと変えていった。
サイモン・ヘイルによるピアノソロと「INTERMISSION」を挟み、ライブは後半戦に突入。黒いタキシードに着替え、白黒の幾何学模様が入ったテレキャスターを抱えた布袋はBOOWY時代の「BAD FEELING」のリフを力強く弾き始めた。と同時に、それまで座ってライブを楽しんでいた観客が一斉に立ち上がる。これ以降、ライブは「アストロノーツ」「SPHINX」、デヴィッド・ボウイのカバー「STARMAN」と通常のライブと変わらぬ盛り上がりを見せた。
エモーショナルなバラード「NOBODY IS PERFECT」に続いて披露されたのは、BOOWY時代の名曲「CLOUDY HEART」。この曲ではボーカルパートを全て観客に合唱させ、布袋はBOOWY時代のように「一ギタリスト」としてライブを盛り上げた。さらに、オーケストラが加わったことで壮大さを増した「命は燃やしつくすためのもの」では、布袋のギターソロは曲が終盤に行くにつれて激しさを増していった。
ジャケットを脱いだ布袋はひと呼吸置くと、「武道館にはたくさんの思い出があります。初めてBOOWYでやったときは、舞台監督から『舞台からピックを投げたり、水を投げたりそういったことは決してしないように』って言われたり(笑)。今日はまた新しい、忘れられない思い出ができました」と観客に挨拶。続けて、先日発表したイギリスへの移住について「一度きりの人生、ゲームじゃないから上がりはないけど、『自分らしく生きてるか?』と自身に問いかけながら生きていきます。まあ日本にはちょくちょく帰ってきますし、来年はツアーをやりたいと思っているので、そのときは会いにきてください!」と語り、ファンを喜ばせた。そして、「次の曲はいつも俺たちのテーマソングと言ってるけど、今日は僕からみんなに、心を込めて歌いたいと思います」と言うと、シンフォニックなバラード調にアレンジされた「LONELY★WILD」を歌唱。感情をたっぷり込めて歌う布袋に対し、客席からはあたたかい拍手が送られた。
本編ラストナンバーは、グラムロックテイストの「RUN BABY RUN」。ルーズなリズムとギターリフにオーケストラが加わると、一気に華やかさが増していく。ライブのクライマックスにふさわしいこの曲でライブが一旦終わると、布袋は片手でギターを掲げ「素晴らしいバンドと、素晴らしいオーケストラでした。どうもありがとう!」と語りステージを降りた。
アンコールでは、「LEGEND OF FUTURE」「C'MON EVERYBODY」とアルバム「GUITARHYTHM」のオープニングをそのまま再現。布袋は激しいアクションとギタープレイで、再び客席を盛り上げる。曲間では布袋がジャンプすると、それに合わせて観客もジャンプ。続く「DREAMIN'」では客席から大合唱が巻き起こり、盛大な盛り上がりを見せた。布袋は「どこに行っても、みんなの熱い布袋コールが聞こえるんだろうなと思います。これからもよろしくね!」と改めてファンに感謝の言葉を送ると、「じゃあ、最後にギターの音を置いていきます」と言ってインストナンバー「VELVET KISS」「My Way」を感情たっぷりのギタープレイで演奏してみせた。
こうして約2時間半にわたる壮大なコラボレーションライブは終了。観客が全出演者に向けて盛大な拍手を送ると、ギターを抱きしめた布袋は「本当に今日のことは忘れません。みんな元気で! また会える日を楽しみにしてます!」と挨拶してステージを去った。
布袋寅泰 GREATEST SUPER LIVE "GUITAR × SYMPHONY"
HOTEI with THE ORCHESTRA ~World Premiere~ Powered by MINI ROADSTER
セットリスト
01. TIME HAS COME
02. BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY
03. Mission : Impossible Theme
04. Strangers 6 Theme
05. GUITAR CONCERTO
06. A DAY IN AUTUMN
07. PIANO SOLO
08. INTERMISSION
09. BAD FEELING
10. アストロノーツ
11. SPHINX
12. STARMAN
13. NOBODY IS PERFECT
14. CLOUDY HEART
15. 命は燃やしつくすためのもの
16. LONELY★WILD
17. RUN BABY RUN
<アンコール>
18. LEGEND OF FUTURE
19. C'MON EVERYBODY
20. DREAMIN'
21. VELVET KISS
22. My Way
タグ
リンク
- HOTEI.COM + TOMOYASU HOTEI OFFICIAL WEBSITE
※記事公開から5年以上経過しているため、セキュリティ考慮の上、リンクをオフにしています。
音楽ナタリー @natalie_mu
布袋初のオーケストラ共演ライブ「新しい思い出ができた」 http://t.co/4BEnbUra