今年5月のニューロティカとの対バンを皮切りに、全30公演にわたって強力なアーティストとの直接対決を繰り広げてきた氣志團。最終回を飾るのは、彼らと長年さまざまな因縁がささやかれているDJ OZMAとの対バンライブとなった。
これまでの公演では開演前や転換時に、微熱DANJIの3人が氣志團と対バン相手のファンに扮した寸劇を行っていたが、最終回の今回は趣を変え総合司会として茂木淳一が登場。「今の自分たちの実力を確かめるべく、1対1のタイマンライブを展開してきた氣志團。本日で30試合目となりました」とこのシリーズの趣旨を改めて説明し、超満員のオーディエンスの期待を盛り上げた。
フロアの天井のミラーボールが回り出すと、先攻を務めるDJ OZMAのライブが始まる。幕が開いたステージにはDJ OZMAとPANCHO、夜王"KING"純一、さらに6人の男性ダンサーがスタンバイし、「HAPPY SONG」をパフォーマンスし始めた。彼らのド派手で激しいダンスにオーディエンスは早くも熱狂。OZMAも「もっともっと来やがれお台場!」と、お立ち台に上ってフロアを煽り続ける。
女性ダンサーが加わった「超」に続いてデビューシングル「アゲ♂アゲ♂EVERY☆騎士」のイントロが鳴り響くと、オーディエンスからは大歓声が沸き起こる。OZMAの「みんな肩を組め!」という声に合わせ、観客は隣の人と肩を組みサビを熱唱。曲の後半では女性ダンサーがおなじみの全裸風ボディスーツにチェンジし、場内を大いに沸かせた。
MCでOZMAは「みんな元気? すごいね今日、パンパンだね。今日来る人ってのはバカなんだろうね、師走はみんな忙しいんじゃないの?(笑)」とファンをいじる。その後暗転したステージの中央には、緑色のダウンジャケットを着た謎の男性が。フロアに向けて彼は「大変ごぶさたしております。私、2代目DJ OZMAでございます」と挨拶し、今から3年前、初代の引退に伴い2代目を襲名した自らの正体を明かした。さらに2代目は「この場をお借りしてご報告がございます。私、2代目DJ OZMAは本日をもちまして引退させていただきます!」と発表。失笑渦巻くフロアに対し、持病の悪化でドクターストップがかかり、これ以上はDJ OZMAの名に傷をつけてしまうとして引退を決意したことを語った。そして「DJ OZMAは永久に不滅であります!」と叫び、突然の引退劇を締めくくった。
その後も強烈な衣装に身を包んだダンサーたちがキレのある踊りを見せた「SPIDERMAN」、人気キャラの真壁富美彦と飼い犬のジゴロによる歌とダンスなど、さまざななパフォーマンスを展開していく。その一方、「白い童話」ではOZMAがサンタワンピース姿の女性ダンサーたちを従え、クリスマスにぴったりのロマンチックなステージを繰り広げた。
終盤では出演者全員がTシャツ姿になり、新曲「MATSURI」や「純情」をパフォーマンス。激しいダンスで観客を魅了したOZMAは、息を切らしながら「この勝負、DJ OZMAがいただいたぜ! 氣志團、特にフロントマンの2人はこの後なんにもできないぜ、絶対なぜか足腰がフラフラなはずだ!」と、挑発しているのか心配しているのかわからないセリフを放つ。ラストは「Together」、そして12月に発売された約3年ぶりのシングル「珍魂歌」で華々しく締めくくった。
転換時には、これまでの各公演の転換BGMとして氣志團ならびに対バンゲストの楽曲のミックス音源を作成し、それぞれのファンを楽しませてきたミッツィー申し訳がDJとして登場。氣志團やDJ OZMA、さらに過去の公演のゲストの曲を生でミックスしてみせた。さらにはプロレス実況で有名なアナウンサー・清野茂樹や、恵比寿マスカッツの麻美ゆまによる楽屋中継も実施し、2組の意外な楽屋裏の姿を公開した。
過去最長の異様に長い転換時間が終わると、いよいよ後攻、氣志團のステージが始まる。1曲目「房総スカイライン・ファントム」では逆光に照らされながら、綾小路翔(Vo)と早乙女光(Dance & Scream)がハードなパフォーマンスで観客を魅了する。綾小路の華麗なシンバルキックが決まった「キラ キラ!」が終わるとMCへ。「よく来たな! 今日はここにいる全員と両思いになってみせるぜ! 友達に誘われてきて、俺たちの1つ前で『飲み会より酷いの見た』みたいなモードになってる人もな!(笑)」と、直前のDJ OZMAのライブをやり玉に挙げて笑わせた。
その後の「Baby Baby Baby」に続き、ファンタジックな「SECRET LOVE STORY」のイントロが始まるとフロアからは歓声が沸き起こる。綾小路は「ちょっとだけ早いけど、メリークリスマス!」と挨拶して、会場にカラフルなクリスマスソングのプレゼントを贈る。曲の後半では天井から雪が降り注ぎ、オーディエンスをさらに沸かせた。
中盤のMCで綾小路はメジャーデビュー10周年を迎えた心境を「デビューした翌年には『今年消えるアーティスト第1位』という不動の地位を築いたバンドが10年も続けられたのはすごいことだなと」と語る。そしてメンバーに「10年メジャーでやれると思ってたメンバーは?」と問いかけるが、最初は誰も手を挙げない。その後徐々に手を挙げ始めたメンバーはそれぞれの気持ちを思い思いの口調で語り、綾小路を「このダラダラとしたトークだけが治らずに、来年は結成15周年を迎えます(笑)」と苦笑させていた。
「俺たち、もっともっとビッグになって帰ってくるからよ!」と綾小路が絶叫した「愛 羅 武 勇」の直後、「高校与太郎組曲 ~喧嘩ボンバー~」では綾小路と早乙女がまるで肩車をされているかのように、文字どおり“ビッグになって”ステージに戻ってくる演出も。「One Night Carnival」ではフロアの全員がサビを大合唱し、これまでさまざまなバンドのファンに合唱を強要してきた綾小路も感極まった様子で「10年経っても15年経っても、一生変わらずお前らを愛し続けるぜ!」と叫んでいた。
氣志團のライブが終わると、再び茂木がステージに現れ「この勝負、どっちが勝った? 本当に決着はついたのかな? もっと観たいだろ?」と、アンコールならぬ延長戦への突入を宣言。ステージには綾小路を除く氣志團の面々と、DJ OZMAのバックダンサーたち、さらにKINGがスタンバイ。生演奏でDJ OZMAの「マッチ棒」が始まると、フロアは大いに沸き返った。
KINGのボーカルに続いてステージにはDJ OZMAが現れる。しかし白いスーツに金髪のアフロ、サングラスといういでたちながら顔立ちには違和感が漂い、たたずまいもどことなく挙動不審だ。その後方から今度は綾小路が現れ、華麗な歌声を響かせた。曲が終わると綾小路はDJ OZMA姿の人物に「OZMAさんじゃないですよね? さっき引退した2代目ですよね?」と詰め寄り、あっさりと「はい……」と白状させていた。
なぜOZMA本人がこのステージに出てこないのか尋ねられたKINGは「OZMAさんは帰りました」と説明し、綾小路も「みんな観たいじゃんね! どうしてそういうことするのかな? 何か事情があるの?」と不満げ。そこへ微熱DANJIの二階堂腱ヂが怒ったような表情で乱入し「いつまでこんな茶番を続けているんだ!」と綾小路に食ってかかる。そして「DJ OZMAは帰ってなんかいません! DJ OZMAは、ここにいる綾小路翔です!」と叫んだ。しかし綾小路やKING、早乙女らは二階堂の言うことが理解できない様子で「え? 何言ってるの?」「意味がわかんない」と不審そうな顔をする。彼らの指示でスタッフに連れ去られる最中も二階堂は「KINGもこれが終わったら微熱DANJIに戻るんだろ! あと、PANCHOの正体は早乙女光だ!」と絶叫し続けていた。
二階堂の乱入で中断した延長戦だったが、綾小路は「OZMAが帰っちゃったのはしょうがないけど、俺今日この曲歌ってみたかったんだ」と再び笑顔を浮かべ、いよいよ30公演のシリーズを締めくくるラストナンバー「アゲ♂アゲ♂EVERY☆騎士」へ。オールキャスト総出演、さらに氣志團の生演奏による貴重なパフォーマンスに、フロアはこの日最高の盛り上がりを見せた。曲が終わると綾小路はオーディエンスに「来年もよろしく、本当にありがとう!」と挨拶。メンバーとともに満足そうな表情でステージを後にした。
氣志團 Presents 極東ロックンロール・ハイスクール
~おれがあいつであいつがおれで~ 氣志團 vs DJ OZMA
2011年12月21日 Zepp Tokyo セットリスト
DJ OZMA
01. HAPPY SONG
02. 超!
03. アゲ♂アゲ♂EVERY騎士
04. MY WAY
05. SPIDERMAN
06. FREE CHING BROTHERS
07. FREE CHING ORCHESTRA
08. 白い童話
09. One Night
10. MATSURI
11. 純情 ~スンジョン~
12. Together
13. 珍魂歌
氣志團
01. 房総スカイライン・ファントム
02. ゴッド・スピード・ユー!
03. キラ キラ!
04. Baby Baby Baby
05. SECRET LOVE STORY
06. 愛 羅 武 勇
07. 高校与太郎組曲 ~喧嘩ボンバー~
08. オールナイトロング
09. 俺たちには土曜日しかない
10. One Night Carnival
11. MY WAY
<アンコール>
12. マッチ棒
13. アゲ♂アゲ♂EVERY騎士
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リンク
- MIDNIGHT SPECIAL THE KNIGHTS KISHIDAN FROM ROUTE 127 OF FAIRIES.
- DJ OZMA OFFICIAL WEB SITE
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