“寝たきり芸人”あそどっぐの姿を島田角栄が記録、「寝たきり疾走ラモーンズ」公開

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「乱死怒町より愛を吐いて」「デストロイ・ヴィシャス」の島田角栄が手がけたドキュメンタリー「寝たきり疾走ラモーンズ」が劇場公開される。

「寝たきり疾走ラモーンズ」ポスタービジュアル

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あそどっぐ(手前)と島田角栄(奥)。

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主人公は、“寝たきり芸人”としてNHK Eテレ「バリバラ」などに出演するピン芸人・あそどっぐ。生後間もなく脊髄性筋萎縮症を発症し、目、口、指1本だけを動かして笑いを表現する彼の姿をカメラが捉えていく。

本作に寄せ、「ゆきゆきて、神軍」の原一男と「ドキュメンタリー映画 100万回生きたねこ」の小谷忠典がコメントを発表した。原は「撮る側と撮られる側の“ボケ”と“突っ込み”が醸し出す絶妙、かつヒューマンな雰囲気こそがこの作品の最大の見せ場であり、癒やされること請け合い!」、小谷は「島田の目論見は『障害』への理解ではない。“あそどっぐ”とその周囲との間に漂う、愛という不確かなものを映像化することである」と作品の魅力を語っている。

「寝たきり疾走ラモーンズ」は4月より大阪のシネ・ヌーヴォにて公開。その後、全国へ巡回する予定だ。

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原一男 コメント

寝たきりの重度障害者だが、お笑い芸人を目指している主人公。だが肝腎の彼のコントは、あまりオモシロくない。がめげずにネタ作りに励む。監督がその主人公に“突っ込み”を入れる。返す“ボケ”の主人公。撮る側と撮られる側の“ボケ”と“突っ込み”が醸し出す絶妙、かつヒューマンな雰囲気こそがこの作品の最大の見せ場であり、癒やされること請け合い!

小谷忠典 コメント

冒頭から、身体障害者である“あそどっぐ”が異質な存在として提示されないのは、端から島田の精神が対象と一体化しているからである。それは、キャメラのアングルやレンズの選択に分かり易く表れているし、親からの遺伝について、「乳首から毛が生えていること」とさりげなく応える“あそどっぐ”のクローズアップに覆い被さる島田の笑い声を聞けば分かることである。最も彼らの精神がシンクロしていることが色濃く反映されている場面は、“あそどっぐ”の母親を媒介に夢と現を行き来する「ネタ」の場面であろう。身体領域を逸脱した芸人の世界観を飾る島田の荘厳な映像は秀逸だ。島田の目論見は「障害」への理解ではない。芸人“あそどっぐ”の探究でもない。“あそどっぐ”とその周囲との間に漂う、愛という不確かなものを映像化することである。

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(c)2017 PUNK FILM

読者の反応

松沢直樹 Naoki Matsuzawa @naoki_ma

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