“生”の力に勝るものはない
──ワーステ第4弾となる最新作「ガロプラ迎撃編」では、近界最大級の軍事国家アフトクラトルの従属国ガロプラとの戦いと、Bランク戦ROUND5の模様が描かれ、お二人が演じる空閑と三雲は主にROUND5のパートに登場します。
植田 これまでのランク戦も体力勝負で挑んできたのですが、今回のROUND5はとんでもない戦いになることが予想されるので、さらに見どころ満載の公演になると思います。メインビジュアルも「ああ、そういうことなんだろうな」と思わせる人物配置になっていますよね。答えは本番を観ていただいてからのお楽しみということで(笑)。個人的には、普段から交流がある松村龍之介が、新たに柿崎国治役で出演するのが楽しみです。のすけ(松村)はすごく好きな俳優なんですけど、自分にとって大切な場所で、自分が好きな俳優と共演できることがとてもうれしいですね。
溝口 へー! 松村さんがどんな方なのか、めっちゃ気になります。
植田 マルチに何でもできる人だし、共演していると、お芝居が大好きなことが真っすぐに伝わってくるんだよね。あと、めちゃくちゃ面白い(笑)。琢矢とはちょっと違うタイプのいじられキャラみたいな感じかな。
溝口 何でもできて面白いって最強じゃないですか! 年齢も僕と近いですね。やったー! 仲間が増える!
植田 それから、ヒュース役の山本一慶、太刀川慶役の井澤勇貴が参加することによって、過去作とは違った変化が出て面白くなるんじゃないかと思います。特にヒュースは今後、玉狛第2にとってなくてはならない存在になるので、ヒュースとのシーンは大切に描いていきたいですね。あとは、那須隊のクオリティの高さにも注目しています。誰よりも人間臭く、勝ちにこだわる那須隊の2人(田中梨瑚演じる那須玲、美麗演じる熊谷友子)の戦いを早く観たいですね。
溝口 僕が楽しみにしているのは、兼ね役をやらせていただくことです。今までのシリーズでは、僕も圭輔くんも本役を演じることで精一杯だったので、兼ね役をやることが物理的に難しかったんですけど、今回は「やって良いよ」と言ってもらったので、「よし! では喜んでやらせていただきます!」ということになって。
植田 修じゃない琢矢が観られるの、すごく楽しみなんだよね。
溝口 ふふふ。コメディでは、1つの作品の中で違う役を演じたことがあるんですけど、こういった作品では初めてだから、「自分はどうなってしまうんだろう……」という怖さもありつつ、ワクワクしてもいて。でも、中屋敷さんが示してくれている明確なゴールが見えているので、そこに向かって自由に楽しみながらやらせていただこうと思います。
──“演劇的感覚”が合うという植田さんと溝口さん、そして中屋敷さんがお互いを信頼し合いながら、共通認識を持って作品作りをされていることが伺えます。
溝口 僕、中屋敷さんが持っている少年心が大好きなんですよね。演出をつけている中屋敷さん自身が誰よりもワクワクしていて、「君たち、やってくれるよね!? やって見せてくれるよね!?」という良い意味での圧を感じます(笑)。ワーステカンパニーの強みはやっぱりそこだと思いますね。
──また、ワーステはこれまで東京・大阪で上演されてきましたが、第4弾にしてシリーズ初となる福岡公演の実施が決定しました。
植田 毎回たくさんのお客様から注目していただけることは、出演者として非常にありがたいことなんですけど、一方でチケットが取りづらいというお話も聞いて……自信を持っていろいろなところに持って行ける作品なので、できるだけ多くの方に劇場で観ていただけたらうれしいと思っています。
溝口 配信で舞台をご覧いただく機会も増えましたけど、コロナ禍を経て、皆さん改めて劇場で観る舞台の良さをかみ締めていると思うんですよ。この間、とある講義を受けたときに、今の社会ではなかなかコミュニケーションを取らなくなってきているという話を聞いて、時代の流れと逆行しているのかもしれないけど、“生”の力に勝るものはないと思ったんです。僕らはやっぱり、生身の人間がお客様の目の前で芝居をすることによって、直接熱量を届けたい。生き様というほどカッコいいものではないかもしれないけど、ワーステの魅力は“生々しさ”だと思うので、ぜひ劇場で「ガロプラ迎撃編」を観ていただいて、もがいている人間の必死さを感じていただけたらと思います。
あとですね! 「ガロプラ迎撃編」では自動制御システムを導入したペンライトが販売されるんです。しかも、このペンライトは雷神丸の形をしてるんですって! これまでグッズで販売されてきたペンライトはご自身で光の色を変えていただく必要があったんですけど、今回は自動で光の色が変わるから、より一層客席に一体感が生まれると思いますよ!
植田 すごい早口だしすごい熱量だな!(笑) ワーステシリーズを上演し続ける中で、我々カンパニーとお客様との間でどんどん一体感が出てきていると感じますし、皆さんがワーステを応援してくださる気持ちが、ステージ上にいる僕たちにもひしひしと伝わってきています。そんな皆さんにもっと楽しんでもらえるよう、これからも全力で駆け抜けていけたらと思っています。
プロフィール
植田圭輔(ウエダケイスケ)
1989年、大阪府生まれ。2006年、第19回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストのファイナリストに選ばれ、2007年のデビュー舞台「少年陰陽師《歌絵巻》」で主演を務めた。最近の主な出演作に「舞台『刀剣乱舞』心伝 つけたり奇譚の走馬灯」(大和守安定役)、舞台「東京リベンジャーズ」(松野千冬役)、舞台「文豪ストレイドッグス」シリーズ(中原中也役)、ミュージカル「ヘタリア」シリーズ(日本役)、「MANKAI STAGE『A3!』」シリーズ(御影密役)など多数。12月に行われる「演劇ドラフトグランプリ THE FINAL」への出演を控える。
溝口琢矢(ミゾグチタクヤ)
1995年生まれ、東京都出身。2007年に俳優デビュー。同年12歳で「劇場版 仮面ライダー電王 俺、誕生!」でライダーのミニ電王および小太郎を演じ話題に。その後、映画・ドラマ・舞台を中心にさまざまな分野で活動。12月に行われるAmuse Presents「最初で最後?!TEAM HANDSOME!冬の大運動会」への参加を控える。
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※初出時、人名表記に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。