ミュージカル「VIOLET」藤田俊太郎 / トム・サザーランド インタビュー&初日レポート|門出祝うバスがロンドンを出発!日英共同プロジェクトスタート

スティーブン・M・レヴィ(チャリングクロス劇場プロデューサー)が語る、ミュージカル「VIOLET」と演出家・藤田俊太郎

背筋がゾクゾクするような幸せな時間を

スティーブン・M・レヴィ

梅田芸術劇場と仕事をさせていただいたことは、私にとって喜びでしかありません。もちろん、文化的な違いや習慣、仕事の進め方などの違いはありました。具体的には、契約をいつ交わすか、オーディションをいつ行うか、テクニカルリハーサルの段取りといった運営スケジュールのことなどです。しかし、これらの違いは大した問題ではなく、梅田芸術劇場の皆さんは、一貫した仕事ぶりで対応してくれました。この国際的なプロジェクトへのチャレンジで、梅田芸術劇場とチャリングクロス劇場はお互いにたくさんのことを学び、温かく友好的な関係を築けたと思います。

藤田俊太郎さんはとても情熱的な方で、演出のために、この作品の舞台となるアメリカ南部まで実際に足を運ばれ、深いレベルで事前にリサーチをされていました。俊太郎さんが、現場のクリエイティブスタッフたちと信頼関係を築きながら仕事をしてくださったことは、私たちにとっても大変喜ばしいことでした。

私はいつの時代でも、常に演劇、劇場を愛してきた人間です。素晴らしいショーが生命を持つことにパッション(情熱)を覚えてきました。もちろん、ショーアウトではなくショービジネス。プロデュースカンパニーとして商業的な成功は重要ですが、私にとってはそれよりも芸術的な成功のほうが優先なのです。なぜなら、私はこの劇場を、ただお金を得るための機関とは考えていないからです。この劇場で背筋がゾクゾクするようなとても幸せな時間を作り出すことが、私の仕事に対しての最も大きなモチベーションであると思います。そして、今回日本とのコラボレーション企画が実現したことは、大変エキサイティングで素晴らしい体験となりました。

Photogallery

“フォトグラファー” 藤田俊太郎が切り取ったロンドン

演出家・バンドマンといったさまざまな顔を持つ藤田俊太郎。恩師・蜷川幸雄に出会った東京藝術大学美術学部先端芸術表現科在学時、藤田が写真表現を専攻していたことをご存知だろうか。

2018年5月。滞在制作に先駆け、ロンドンへ下見に訪れた藤田が立ち寄ったのは、小説「ケンジントン公園のピーター・パン」の舞台となったロンドンのケンジントン・ガーデンズ。このコーナーでは、藤田がファインダーを通して観たロンドンの風景を、フォトギャラリー形式で紹介する。

※2019年3月12日(火)に放送される番組の情報を更新しました。

梅田芸術劇場×チャリングクロス劇場
日英共同プロジェクト ミュージカル「VIOLET」
プレビュー公演
2019年1月14日(月・祝)~19日(土)※公演終了
本公演
2019年1月21日(月)~4月6日(土)
イギリス ロンドン チャリングクロス劇場
梅田芸術劇場×チャリングクロス劇場 日英共同プロジェクト ミュージカル「VIOLET」

原作:ドリス・ベッツ「The ugliest pilgrim」

脚本・歌詞:ブライアン・クロウリー

演出:藤田俊太郎

音楽:ジニーン・テソーリ

プロダクション・スーパーバイザー:トム・サザーランド

ヴァイオレット:カイザ・ハマーランド

フリック:ジェイ・マーシュ

モンティ:マシュー・ハーヴェイ

父親:キーロン・クルック

ほか

※ロンドン公演のチケットはチケットぴあで販売中。
対面式舞台片側最前列のUAシート9000円→6000円の特別販売実施中。

関連リンク

関連番組

NHK BS1「BS1スペシャル『“ミュージカルの聖地に挑む”~演出家・藤田俊太郎ロンドン進出』」

2019年3月12日(火)21:00~21:50

藤田俊太郎(フジタシュンタロウ)
1980年生まれ、秋田県出身。2005年、東京藝術大学美術学部先端芸術表現科卒業。在学中の04年、ニナガワ・スタジオに入り、16年まで蜷川幸雄作品に演出助手として関わる。絵本ロックバンド・虹艶(にじいろ)Bunnyとしてライブ活動展開中。主な作・演出作に、「喜劇一幕・虹艶聖夜」(11年)、主な演出作に、さいたまネクスト・シアター「ザ・ファクトリー2 話してくれ、雨のように……」(12年)、美女音楽劇「人魚姫」(15年)、「sound theaterⅥ」「Take Me Out」(16年)、「手紙」(16・17年)、「ダニーと紺碧の海」「sound theaterⅦ」(17年)、「ピーターパン」「ラヴ・レターズ」(17年~)、「Take Me Out 2018」「ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』イン コンサート」(18年)などがある。ミュージカル「ビューティフル・ゲーム」(14年)の演出にて第22回読売演劇大賞優秀演出家賞・杉村春子賞、「ジャージー・ボーイズ」(16年)の演出にて第24回読売演劇大賞最優秀作品賞・優秀演出家賞、「ジャージー・ボーイズ」「手紙」の演出の成果に対して第42回菊田一夫演劇賞を受賞。19年7・8月にはミュージカル「ピーターパン」、20年には「天保十二年のシェイクスピア」の公演が控える。
トム・サザーランド
1984年生まれ。イギリス・ロンドンで注目されている若手演出家の1人。ミュージカル「タイタニック」で数多くの賞を獲得したほか、ミュージカル「グランドホテル」ではオフ・ウエストエンド・シアター・アワード最優秀ミュージカル作品賞を受賞。2016年にロンドン・チャリングクロス劇場の芸術監督に就任。日本では、ミュージカル「タイタニック」(15、18年)、ミュージカル「グランドホテル」(17年)、ミュージカル・コメディ「パジャマゲーム」(17年)の演出を手がけた。

2019年3月11日更新