“師匠”に習い、ダンスを習得
──ぼくプリは「Dancing☆Starプリキュア」と銘打たれているように、随所にダンスパートがちりばめられ、プリキュアたちが敵と戦ううえでもダンスが重要な役割を果たしています。また、キュアソウルはソウルミュージックに乗せたソウルダンス、キュアカグラは和の要素を取り入れた“神楽ダンス”、キュアブレイクはストリートダンスの1つであるブレイクダンスと、それぞれのキャラクターによって得意とするダンスが異なり、1人ひとりの見せ場があるのもぼくプリの特徴の1つです。
森田 ロックダンスやジャズダンスと言われれば、みんなある程度イメージがわくと思うんですけど、ソウルダンスと言われてすぐにイメージがわく人は少ないですよね。私自身はジャズダンスやジャズバレエ系のダンスが好きなのですが、ソウルダンスに近しいものを感じていて。ソウルダンスの、妖艶で美しく、中性的な雰囲気を出せるところが特にお気に入りです。
小辻 これまでも、自分が所属するグループのステージでダンスを披露していたのですが、ぼくプリに出演するにあたって、初めてブレイクダンスにチャレンジしたんです。舞人くんの強さを表現するためにしっかりと踊る必要があるので、もちろん難しかったんですけど、改めてダンスってすごく楽しいなと思いました。
寺坂 晃雅は実家が神社ということで、日本舞踊に近い所作を取り入れた“神楽ダンス”を踊るので、仕草や佇まいが常に美しく見えるように気を付けていました。あと、ぼくプリのダンスパートにおいて欠かせないのが、アンサンブルを務めるステラダンサーズの方々の存在です。ステラダンサーズの皆さんは本格的にダンサーとして活動している方々ばかりで、ステラダンサーズの中には、僕ら5人が挑戦するジャンルのダンスに特化した“師匠”がいるんですよ。第1弾では、それぞれの“師匠”に各ジャンルのダンスのコツを教えてもらいながら練習しました。ダンサーを生業にしている人のダンスって、パフォーマンスを観たらすぐにわかるじゃないですか。知り合いのダンサーさんが第1弾を観に来てくれたんですけど、「頼我のダンス、しっかりとダンサーらしいダンスになっていたよ」と言ってもらえてすごくうれしかったですね。
5人でいる時間が大好き!
──ぼくプリ第1弾では、キュアソウル、キュアカグラ、キュアブレイクの3人で活動していたところに、キュアトップとキュアロックが新たに加わる場面や、あることをきっかけにプリキュアとしての活動をリタイアしようとするキュアブレイク、そしてそれを支える4人の姿が描かれました。改めて第1弾を振り返っていただき、ご自身が演じるキャラクターをどのような人物として捉えていたかについて教えてください。
森田 第1弾では爽々奈の過去が明かされなかったこともあり、つかみどころがないキャラクターだなと思いました。稽古中、脚本・演出のほさかようさんから爽々奈のバックボーンについて軽くお話しいただいたんですけど、それでもわからないところが多くて。でも、自分が感じたままの爽々奈の印象を、素直にお客さんに届けたいなと思ったんです。爽々奈はダンス部の部員みんなを愛しているし、みんなから愛されてはいるけれども、「実のところ、部長ってどんな人なんだろう? 僕たち、本当は部長のことを何も知らないよね」と少し不安になるような、そんなつかみどころのない怪しさを出せたらいいなと思いながら役作りをしました。
寺坂 初めにキャラクター設定をお聞きしたとき、“副部長の晃雅は厳しすぎる鞭”“部長の爽々奈は甘すぎる飴”という説明があって。「“厳しすぎる鞭”はどうやって表現したらいいんだろう?」「愛情のある厳しさって何だろう?」ということを考えながら、役を作っていきました。また、キュアカグラに変身する前と変身したあとの差を付けることを意識しましたね。例えば、変身したあとはより一層“神様に捧げる荘厳なダンス”に見えるようにイメージして踊ってみたり。
小辻 舞人くんの第一印象は、一匹狼でクールな子。最初はそう思いながら演じていたんですけど、物語がだんだん進んでいくごとに、すごく繊細な子なんだなと気付いて。自分を責めて、自らダンス部を抜けてしまうような、1人で悩み事を抱え込むタイプだなと感じました。
──ぼくプリ第2弾には、煌星高等学校ダンス部のライバル・満天星高等学校ダンス部の面々や、晃雅の父・天弦総一郎といった新キャラクターが登場します。新たなキャラクターと関わることで、第1弾とはまた変わったプリキュアたちの一面が見られるのではないでしょうか。
森田 そうですね。第2弾では、爽々奈と晃雅がなぜプリキュアになったのかが明かされるので、爽々奈のイメージが少し変わると思います。爽々奈を爽々奈たらしめている理由は、実は過去にあった出来事や家庭環境によるものではなく、晃雅と出会ったことで形成された部分が大きい。第2弾では、爽々奈の人間らしい部分が垣間見えると思います。
寺坂 第2弾では、爽々奈と晃雅の過去や、晃雅と父・天弦総一郎の関係性が描かれます。晃雅がなぜ“神楽ダンス”を踊っているのか、晃雅は現在なぜ実家を離れて過ごしているのか、これまで謎に包まれていた部分の答え合わせができるように、厚みを持たせて演じられたらと思っています。
小辻 第1弾では、周りの方々の行動によって舞人くんの心情に変化があったと思うんですけど、第2弾は舞人くんがほかの人の心に変化をもたらす番なんじゃないかなと思っていて。舞人くんの成長した姿を見せられるようにがんばります!
寺坂 あと、第2弾で特に楽しみにしてほしいのは……プリキュアたちの新技!
森田・小辻 おおー!!
寺坂 第1弾よりさらにバリエーションが増えていますし、ダンスをしながらがっつりアクションもするので、ぜひ注目してもらいたいですね。
小辻 僕、5人でいる時間が大好きなんですよ。第1弾は個々のシーンが多かったと思うのですが、第2弾には5人全員がそろっているシーンがたくさんある気がします。……って舞人くんが1人で行動していたからなんですけど(笑)。
寺坂 ははは!
小辻 僕たち今回、かなりわちゃわちゃしてますよね(笑)。第2弾では、仲が深まったプリキュアたちの姿をお見せできると思います。
寺坂 今回、めっちゃ男子高校生してるよね!
森田 青春してるねー。楽しみにしてもらいたいところはたくさんあるんですけど、やっぱり「プリキュア」というタイトルを生で体感する面白さ、映画「プリキュア」の会場で応援するのと同じような感覚を、より一層味わってもらえるんじゃないかと思います。5人で力を合わせて戦うシーンは特に! 私個人としては、爽々奈と晃雅のシーンに力を入れたいですね。頼我とお互いの思いを共有しながら、改めて2人のシーンを作り上げていっている最中なので、そのシーンが完成するのを楽しみにしています。
寺坂 僕もめっちゃ楽しみです。がんばりましょうね!
プロフィール
森田桐矢(モリタトウヤ)
1997年、埼玉県生まれ。「ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン」で千石清純役を務めた。そのほかの出演舞台に、舞台「私のホストちゃん」シリーズ(豪太役)、「舞台『わたしの幸せな結婚』-帝都陸軍オクツキ奇譚-」(五道佳斗役)、舞台「ブラッディ+メアリー」(櫻庭拓美役)などがある。
寺坂頼我(テラサカライガ)
1999年、岐阜県生まれ。2014年デビュー。アイドルグループ・祭nine.メンバーとして活動し、現在は役者として活躍中。主な出演作に、テレビドラマ「ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA」(マナカケンゴ役)、テレビドラマ「神様のサイコロ」(緑川康隆役)などがある。
小辻庵(コツジイオリ)
2005年、福岡県生まれ。カラフルダイヤモンドのメンバーとして活動する傍ら、俳優として多数の作品に出演。主な出演舞台に「ミュージカル『テニスの王子様』4thシーズン」(向日岳人役)、舞台「カラフルダイヤモンド ~君と僕のドリーム~」、舞台「カラフルダイヤモンド ~君と僕のドリーム2~」などがある。