2004年に誕生し、2023年に20周年を迎えた「プリキュア」シリーズ。記念すべきアニバーサリーイヤーに上演されたのが、ダンスに青春を捧げる“男子プリキュア”たちを描く「『Dancing☆Starプリキュア』The Stage」(以下ぼくプリ)だ。その第2弾となる「『Dancing☆Starプリキュア』The Stage2」が2月15日に開幕する。
第1弾に続き、キュアソウル / 月宮爽々奈役を務める森田桐矢、キュアカグラ / 天弦晃雅役を演じる寺坂頼我、キュアブレイク / 黒瀬舞人役に扮する小辻庵に、ぼくプリをはじめとする「プリキュア」シリーズの魅力や、次回公演にかける思いを聞いた。
取材・文 / 興野汐里撮影 / 梁瀬玉実
大人がハマる理由に納得!
──「プリキュア」は、困難に立ち向かう少女たちの物語を描いたアニメシリーズです。皆さんは、ぼくプリに出演する以前に「プリキュア」シリーズに触れたことはありましたか?
小辻庵 小さい頃、妹と一緒に、日曜日の朝は必ず「仮面ライダー」と「プリキュア」を観ていました。最初はやっぱり「仮面ライダー」のほうが好きだったんですけど、年を重ねるうちに、妹よりも熱中して「プリキュア」を観ていたらしくて。実は自分が根からのプリキュア好きだったことを最近母から聞いて知りました。
寺坂頼我 まさか将来、自分がプリキュアになるなんてね! 僕も2つ下の妹がいるので、「Yes!プリキュア5」や「ハートキャッチプリキュア!」を一緒に観ていました。聞くところによると、妹が持っていた「プリキュア」のおもちゃを借りて遊んでいたらしいです(笑)。当時は熱心に追いかけていたわけではないんですけど、ぼくプリに出演することが決まって、「プリキュア」の魅力を知っていくうちに、「変身シーンがファンタジックで見応えがあるなあ」「大人も子供も楽しめる作品なんだ」というように、どんどん「プリキュア」が好きになっていきました。
森田桐矢 えーっと、私には妹がいなかったので……(笑)。
寺坂・小辻 ははは!
森田 2人と違って男兄弟の中で育ったこともあり、残念ながら幼少期に「プリキュア」を通ってこなかったんですよね。でも、私はインターネットをよく見るので(笑)、「プリキュア」シリーズに大人のファンの方もたくさんいることは知っていたんです。ぼくプリに出演することになって、「ひろがるスカイ!プリキュア」を拝見したんですが、大人がハマる理由がよくわかりました。「ひろがるスカイ!プリキュア」の時期はちょうど「プリキュア」が新しいステージに進むタイミングで、メインキャラクターとしては初の男の子プリキュア、キュアウィング / 夕凪ツバサが登場しましたよね。そんなときに、自分自身もぼくプリに携わらせていただけることになって、すごくうれしかったのを覚えています。
“プリキュアになれた”タイミングは…
──ぼくプリでは、煌星高等学校ダンス部に所属する5人の男子高校生たちがプリキュアとして活躍する姿が描かれます。小辻さんが扮するのは、天才肌の1年生・黒瀬舞人(キュアブレイク)。森田さんはダンス部部長を務める3年生の月宮爽々奈(キュアソウル)、寺坂さんは3年生でダンス部副部長の天弦晃雅(キュアカグラ)を演じます。お三方に加え、2年生・星河楽(キュアトップ)役の田村升吾さん、2年生・夏目颯斗(キュアロック)役の滝澤諒さんが出演しています。ぼくプリではこの5人がプリキュアに変身しますが、ご自身が“プリキュアになれた”ことを実感した瞬間はありましたか?
小辻 「やったあ! プリキュアになれた!」という感慨よりも、「こんな僕だけど、本当にプリキュアになれたのかな……?」という気持ちが強かったです。でも、ぼくプリの第1弾から時間が経つにつれて、「本当にプリキュアになれたんだ……!」という実感がわいてきました。ファンの方と触れ合うイベントに、小さいお子さんを連れた方が遊びに来てくれることがあるんですが、そのときに「僕、プリキュアになったことがあるんだよ!」とお話しすることができるようになって、すごくうれしかったですね。
寺坂 そうだね。いおたん(小辻)と同じく、僕も「プリキュアになれたぞ!」という感覚はあまりなかったかもしれません。ヒーローという存在は、周りの方から認めてもらって初めて本物のヒーローになれると思うので、「プリキュア」を愛している観客の方々から認めていただけたときに「ああ、自分はやっとプリキュアになれたんだな」という喜びを感じることができました。
森田 私は「プリキュアになれた」と思ったタイミングが2回あって。1回目は、キャラクターデザインを手がける川村敏江さんから色紙をいただいたときでした。ぼくプリ第1弾のときに川村さんが1人ひとりに色紙を描いてくださったんですけど、イラストに「プリキュアになってくれてありがとうございます」というコメントが添えてあったんです。それを見て、自分がようやくプリキュアになれたことを実感しました。2回目は、ぼくプリ第1弾の映像を観たときですね。自分がプリキュアに変身している姿を正面から初めて観て、「うわあ、すごい! 本当にプリキュアになってる!」と感動しましたね。
寺坂 変身してポーズを決めるたびに、お客さんが拍手してくれたの、本当にうれしかったなあ。
──ぼくプリ第1弾の冒頭では、和合真一さん扮するパドドゥが「こんにちは!」と客席に呼びかけるシーンから自然にコールアンドレスポンスが起きていました。また、ダンスシーンでオーディエンスの皆さんが振りに合わせてペンライトを振るなど、ぼくプリカンパニーと観客の皆さんの絆を感じる場面が多数ありました。
森田 「プリキュア」シリーズでおなじみの応援文化を、ぼくプリの会場でも再現できたことがすごくエモかったです。
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“師匠”に習い、ダンスを習得