道場生23人が語る、東京演劇道場版「わが町」
ここでは、本作に出演する23人の道場生たちを紹介。作品にちなみ「東京で好きな場所」を聞いたほか、柴演出への印象を語ってもらった。
秋山遊楽
──東京で好きな場所は?
中央区エリアが好き。下町の雰囲気も感じられて美味しい甘味処とご飯屋さんがたくさんあるから。
──柴幸男さんの演出のどんなところに面白さを感じていますか?
言葉をとても大事にされている方というのが第一印象でした。柴さんが思い描いていることと、みんなが考えていること、共通認識にズレがないように、話し合う時間を多く取ってくださいました。話し合いで出た案にはすぐNOとは言わず、積極的に作品に取り入れてくださっていた姿も印象的でした。
プロフィール
秋山遊楽(アキヤマユウガ)
1994年、神奈川県生まれ。2016年よりNODA・MAP作品にアンサンブルキャストとして出演。これまでに松村武、岩崎う大などの作品に参加。近年の主な出演作はNODA・MAP「『Q』:A Night At The Kabuki」。
石井ひとみ
──東京で好きな場所は?
荻窪が好き。独身の頃、長く住んでいたので。落ち着く。
──柴幸男さんの演出のどんなところに面白さを感じていますか?
私とかに想像出来ないくらい、いろいろなことを考えているところがすごいと思います。ある日、突然、一幕と三幕を翻訳しているとみんなに語ったときは仰天しました。グローヴァーズ・コーナーズという街に対するこだわりは半端ないですね。
プロフィール
石井ひとみ(イシイヒトミ)
1962年、山梨県生まれ。状況劇場、新宿梁山泊を経て、MODEでフランツ・カフカ全作品に参加。主な出演作に「少女都市からの呼び声」「盲導犬」「失踪者」「城」「審判」など。
大野明香音
──東京で好きな場所は?
下北沢が好き。友人との待ち合わせ場所になることが多いから。
──柴幸男さんの演出のどんなところに面白さを感じていますか?
稽古でウォーミングアップとして“最近起こった良かったこと”を2人1組で劇にして発表しています。それをやることで演劇をさらに身近に感じ、台本を持ったときも「普段の自分がキャラクターを被っている」という感覚で遊び心をもって楽しく創作できています。そうしてシーン作りを重ねていくごとに戯曲からさまざまな発見が生まれ、アップデートしていくところが面白いです。
プロフィール
大野明香音(オオノアカネ)
2000年、静岡県生まれ。5歳より新体操を始め、高校時代には全国大会優勝の成績を収める。高校卒業後に上京。身体能力の高さを生かし、ダンスの腕を磨きながら芝居の勉強を始める。近年の出演作にカクシンハン「ジュリアス・シーザー」「ハムレット」、テレビドラマ「今度生まれたら」、森良太「Cold Love」MVなどがある。
大滝樹
──東京で好きな場所は?
新宿です。小さい頃から親しみがあって、父親の会社が新宿だったり、小学生のときバレエ教室に行くときの乗り換え地点で新宿駅を利用していて、練習が夜にあったときは母親がいつもJR新宿駅の西口改札に迎えに来てくれていたのをよく覚えています。そして、新宿にある高校に通っていたので、高校生時代はずっと新宿に居ました。なんでもある新宿は高校生にとってはパラダイスでした(笑)。ビルも人も多い都市なはずなのに、なぜか落ち着く街です。
──柴幸男さんの演出のどんなところに面白さを感じていますか?
初めて柴さんとご一緒させていただきましたが、クリエティブな稽古場でとても楽しいです。自分にはない発想力、固定概念を取っ払って、すごくオープンでフェアな空間は、表現する場としてはとても居心地が良く、みんながのびのびできているところがとても印象的です。ワンシーンを小グループに分かれて俳優陣だけで作ってみる時間や、ショートムービーを作ってみたり、たくさん台本について話し合ったり、作品作りの過程を楽しめるとてもぜいたくな経験をさせていただいています。
プロフィール
大滝樹(オオタキイツキ)
1988年、東京都生まれ。幼少期よりクラシックバレエを始め、2004年よりバルセロナ、ミラノ、ニューヨークを拠点に活動。帰国後、役者としての活動を開始。主な出演作品に映画「写真の女」(主演)、舞台「売春捜査官」(主演)、羽原組旗揚げ公演「DOWNTOWN STORY」、テレビドラマ日曜劇場「アトムの童」など。初夏に出演映画「魔女の香水」が公開予定。
緒形敦
──東京で好きな場所は?
僕が東京で好きな場所は、日暮里繊維街です。服を作るのが趣味のため、休みの日にはさまざまな種類の生地がある日暮里の方へ、生地を見に行きます。作りたい服の生地を見に行くと同時に、自分にとっては美術館に行くような感覚になり、とても落ち着く場所です。
──柴幸男さんの演出のどんなところに面白さを感じていますか?
舞台を作っていく上で、役者1人ひとりが演出家でもあるところ。全員が各シーンでそれぞれのアイデアを出していき、それをまずやってみるという手法が面白いです。そのアイデアの連鎖から生まれた化学反応のようなものを柴さんは第一に考え、この舞台を作っていきたいのだなと感じました。
プロフィール
緒形敦(オガタアツシ)
1996年、神奈川県生まれ。2017年、TBS日曜劇場「陸王」で俳優デビュー。主な出演作は、テレビドラマ「MAGI-天正遣欧少年使節-」「相棒19」「オリバーな犬(Gosh!!)このヤロウ」「ソロモンの偽証」、映画「LOVE LIFE」、舞台「カノン」「バーン・ザ・ハウス」、踊り部 田中泯「外は、良寛。」など。
小幡貴史
──東京で好きな場所は?
下北沢が好き。ごちゃごちゃした感じがワクワクするので。
──柴幸男さんの演出のどんなところに面白さを感じていますか?
シーンごとにとりあえずやって、試して、見てみて、どう感じたか、どう見えたかを丁寧にすくいだして、全員で創作していく。とにかく演出家の独裁的な空気にしたくないという意思を強く感じます(笑)。
プロフィール
小幡貴史(オバタタカフミ)
1992年、群馬県生まれ。15歳で海上自衛隊に入隊。広島県にある江田島で青春時代を過ごす。イージス艦の大砲やミサイル発射装置の整備員として25歳まで勤務したあと、都内のイベント制作会社に入社。さまざまな企画を通じてエンタメの奥深さと食事のカルチャーショックを体験し、俳優になることを決意。
兼光ほのか
──東京で好きな場所は?
代田橋駅周辺が好きです。商店街の通りで地元のおばあちゃんたちとおしゃべりしたり、そば屋で温かいおそばを食べたり、古本屋さんに立ち寄る時間が私の癒しになっています。
──柴幸男さんの演出のどんなところに面白さを感じていますか?
柴さんは稽古中に「◯◯してみる」という言葉をよく使われていて、常にトライし続ける精神を持たれている方だと感じました。毎回冒頭で今日やることを紙に書くのですが、「賛美歌を歌ってみる」「近くを散歩してみる」など、稽古内容を固定しないところが新鮮でした。とりあえずやってみようという柴さんの提案に対して、もっともっと楽しいものを生み出せるように頑張ろう!と日々思わされています。
プロフィール
兼光ほのか(カネミツホノカ)
2002年、東京都生まれ。2022年に東京演劇道場2期生メンバーとなり、本格的に俳優活動をスタート。NHK土曜ドラマ「17才の帝国」に出演。趣味・特技はゴルフ、水泳、読書、手話、ダンス(HIPHOP)。
川原田樹
──東京で好きな場所は?
御神木があったり、スカッと青空が見通せたりする境内。東京にもこんなところがと、気持ちを整えられる。
──柴幸男さんの演出のどんなところに面白さを感じていますか?
開いているような、閉じているような、そんな感覚を与えられ、いつのまにか、うっかり、根っこを見せてしまいそうな。
プロフィール
川原田樹(カワハラダイツキ)
1978年、北海道生まれ。2010年に上演された「ザ・キャラクター」以降、NODA・MAPのすべての本公演に参加。そのほか、東京キャラバン、オペラ「フィガロの結婚」などでも、野田秀樹と共に創作活動を行う。
北浦愛
──東京で好きな場所は?
文京区にある湯島が好きです。
昔ながらの風情が入り混じった街並みと湯島天神はもちろん、よく行くお店があります。
坂の上にポツンと建っている「サカノウエカフェ」というかき氷屋さんです。
かき氷が好きなので、うれしいことがあったときはふらっと立ち寄って季節を感じる甘味を楽しんでいます。海外に住んでいる方たちにも東京のかき氷文化をぜひ知ってほしい!と思っています。
──柴幸男さんの演出のどんなところに面白さを感じていますか?
柴さんの演出で面白いと感じるところは、私にはとうてい考えつかない2つのことを結びつけることです。
今回は東京とマサチューセッツ州にある架空の街を物語の中でつなげています。
1900年代のアメリカにある小さな小さな街と、いろいろなものや人であふれかえっている東京。
時代も人口も違う2つの場所を比べることで、今まで気付かなかった日常の尊さを日々意識するようになりました。劇場でお客さんがどう感じてくれるのか、楽しみです!
プロフィール
北浦愛(キタウラアユ)
1992年、東京都生まれ。2004年に11歳で是枝裕和監督映画「誰も知らない」でスクリーンデビュー。主な出演作に映画「友罪」「スペシャルアクターズ」、舞台「24番地の桜の園」「Secret Warーひみつせんー」、テレビドラマ「コタキ兄弟と四苦八苦」など。6月2日に是枝裕和監督・坂元裕二脚本の映画「怪物」が公開予定。
佐々木富貴子
──東京で好きな場所は?
“東京タワー”です。落ち込んだとき、何度も励まされました。遠くから見えても気持ちが上がるし、近距離でふと見えたときは、大きさに圧倒されます。
──柴幸男さんの演出のどんなところに面白さを感じていますか?
柴さんの今現在思っている芝居観や、演出について正直に話してくださるところです。どうやってお芝居を作ってきたんだろうと興味津々だった私にとって、柴さんから直接お話を聞けることはとてもうれしくてわくわくしました。そして、今まで経験したことがない演出を全身で受け止めています。たくさんありすぎて、絞り込めませんが、配役が決まって、セリフを覚えて、稽古をするという流れとは別の柴さんオリジナルな演出に衝撃を受けております。道場生の話を聞いてくれる、共有したい大切なことを話し合う時間を作ってくれるところも、たくさんの方々と創作してきた柴さんが大切にしてきた演出方法なのかもしれないなあと感じています。
プロフィール
佐々木富貴子(ササキフキコ)
1976年、岩手県生まれ。身長は144cm。故郷の盛岡にて女子高校生のみで旗揚げした劇団ネジ解散後、上京。東京ネジを旗揚げし、解散までの全公演に出演。小劇場やバープロデュース公演に客演。主な出演作にNODA・MAP「南へ」「MIWA」、野田版「フィガロの結婚~庭師は見た!~」、泥棒対策ライト「ドラマティック横丁」など。
代田正彦
──東京で好きな場所は?
深大寺が好きです。自然が多く、癒やされます。元三大師堂(がんざんだいしどう)で護摩祈願に参加したあと、十割そばを食べるのを楽しみにしています。
──柴幸男さんの演出のどんなところに面白さを感じていますか?
今回の稽古場ではとてもたくさん“雑談”をしています。“雑談”したり、みんなで楽しく遊ぶようにシーンを作る集団創作の先に、新しい演劇の形があるような、大きな可能性を感じます。
プロフィール
代田正彦(シロタマサヒコ)
1971年、神奈川県生まれ。1997年に北区つかこうへい劇団に入団。つかこうへい演出作品に出演する。2012年より★☆北区AKT STAGE所属。主な舞台に北区つかこうへい劇団「二等兵物語」、FUKAIPRODUCE羽衣「サロメvsヨカナーン」、青☆組「グランパと赤い塔」、Theatre Ort「想稿・銀河鉄道の夜」など。
末冨真由
──東京で好きな場所は?
地下鉄が好き。地上よりも単調な空気感が落ち着く。路線図を思い浮かべて乗換ルートをいくつか考えるのも楽しい。
──柴幸男さんの演出のどんなところに面白さを感じていますか?
丁寧さと大胆さの両刀使いっぷりが面白い。最近は、演出家・柴さんというより、人間・柴さんと一緒に作っている感覚になってきた。それこそが今回の柴ワールドの肝なのかしら。あと、猫のモノマネが上手い。
プロフィール
末冨真由(スエトミマユ)
1983年、埼玉県生まれ。舞台「千と千尋の神隠し」や野田秀樹の作品に出演。「『Q』:A Night At The Kabuki」で振付助手、「フェイクスピア」「THE BEE」「東京キャラバンthe2nd」で演出助手も務める。2月にココ・デ・テアトル×安養寺(奈良) お葬式演劇「~お寺で演技は縁起がいい!?~えんぎもの!」、ココ・デ・テアトル×旅籠ふるかわ(茨城)「和菓子と味わう朗読劇 「真壁のひな祭り」」で運営・演出補佐を務める。
鈴木麻美
──東京で好きな場所は?
神楽坂セッションハウスが好きです。思い出の劇場だからです。
──柴幸男さんの演出のどんなところに面白さを感じていますか?
ゆったりしていることです。演劇の創作を山登りに例えるとしたら、近道を通って、さっさと頂上に行くことは決してせず、むしろ、一番時間のかかる道を歩いているような感覚があります。時に頂上を見失うことも。ですが、そのゆったり道中で見つかることがたくさんあってとても面白いです。表現の可能性が果てしないことを、改めて気付かされました。
プロフィール
鈴木麻美(スズキアサミ)
1990年、栃木県生まれ。早稲田大学演劇研究会出身、新国立劇場演劇研修所8期修了。小劇場から新劇、アングラまで、ジャンル問わず、舞台を中心に活動。主な出演作品に松本雄吉×林慎一郎「PORTAL」、「野外劇 吾輩は猫である」、PARCO公開演劇「愛でる」など。近年は、のぞき部屋演劇ミロへ出演。3月にPカンパニー第38回公演 山の羊舎提携「諸国を遍歴する二人の騎士の物語」に出演。
谷村実紀
──東京で好きな場所は?
東京都庭園美術館と切手博物館。こじんまりとしてて落ち着く。
──柴幸男さんの演出のどんなところに面白さを感じていますか?
今まで出会ったことがないタイプ。未知数。その未知数さが怖面白い。
プロフィール
谷村実紀(タニムラミキ)
1981年、福井県生まれ。出演作は「どうぶつ会議」、NODA・MAP「『Q』:A Night At The Kabuki」「フェイクスピア」、東京演劇道場「赤鬼」、「遥かな町へ」など。
鄭亜美
──東京で好きな場所は?
幼い頃は、晴海埠頭やレインボーブリッジに行くとワクワクしました。東京の海に開放感を感じていたのかもしれません。
──柴幸男さんの演出のどんなところに面白さを感じていますか?
ロマンティックな手法とドライな眼差しを持ち合わせた稀有な方だと思います。天才的な発想、大胆かつ非常にロジカルな思考をされます。配役決めなぞハナから興味がなく、言わずもがな役者の芝居や技量云々には興味を示しません。役者を芝居をともに作るクリエイターとして見ます。そこに芸術の本髄を見ます。既存の、手垢のついた演劇のやり方など軽やかに飛び越え芸術に専心する誠実さよ。所謂演劇のやり方とは別次元の創り方をしていると自負できる現場はとても良いなあ。稽古場には非常に豊かな時間が流れているのです。
プロフィール
鄭亜美(チョンアミ)
1981年、東京都生まれ。2007年に青年団に入団。主な出演作に「革命日記」「ソウル市民1919」「東京ノート」など。2019年、ハイバイに青年団と並行して入る。2021年からコンテンポラリーダンスカンパニー、マドモアゼル・シネマに参加している。主演映画「夜明けの夫婦」が1月20日から1週間、愛知・刈谷日劇にて上映される。6月に劇団普通「風景」に出演。
手代木花野
──東京で好きな場所は?
代田橋の沖縄タウン。東京大空襲を逃れた場所で、昔ながらの建物がたくさん残っていて、その建物や商店街を使って沖縄の暖かくて楽しい雰囲気の商店街を作っているのが素敵。そこにいる人たちも温かくてかわいらしいから。
──柴幸男さんの演出のどんなところに面白さを感じていますか?
その作品の世界における概念やルールから出演者と一緒に作っていくのが興味深いし、やり甲斐を感じる。とても根気と体力が要る作業なので稽古後は毎回クタクタになる。でも、それは柴さんも一緒のようで、柴さんが疲れたときや、いっぱいいっぱいになったときはそれ自体も共有してくれるので面白いし、力み過ぎずに良い意味で力の抜けた状態で作業できる。
プロフィール
手代木花野(テシロギハナノ)
1984年、宮城県生まれ。コンタクトインプロバイザー、CI部副部長。長塚圭史、野田秀樹、ウォーリー木下、カンパニーデラシネラ、小池博史、維新派などの作品に参加。主な出演作に「カノン」「てんとせん」「千と千尋の神隠し」。都立総合芸術高校特別専門講師。1月27日から31日にムービングを担当した「黒い湖のほとりで」が上演。2月に東京デスロック「再生」長久手ver.に出演。
藤井千帆
──東京で好きな場所は?
アルバイトをしていた、世田谷区・深沢にある小さなレストランが大好きです。シェフやお客さんが私にとっての“東京の母”です。今でも働く日があったり、稽古帰りに寄ってご飯を食べたりとずっとお世話になっています。
──柴幸男さんの演出のどんなところに面白さを感じていますか?
稽古初日に“稽古場をみんなで整える”という時間を取り、柴さんと道場生の皆さんと話し合いながらキャストの待機場所の椅子の配置や、荷物置き場、演出席の場所を決めました。居心地の良い稽古場をみんなで作るところから柴さんの演出は始まっているのだなと思いました。
プロフィール
藤井千帆(フジイチホ)
1995年、神奈川県生まれ。2007年にNHK「天才てれびくんMAX」でデビューした後、俳優として活動を始める。近年の主な出演作に、ブス会*「エーデルワイス」、ほろびて「コンとロール」、Netflix「全裸監督」シーズン2、Netflix「ヒヤマケンタロウの妊娠」など。出演した映画「偽りのないhappy end」が配信中。
間瀬奈都美
──東京で好きな場所は?
恵比寿が思い出深いです。子供の頃、親戚の家があったり、家族みんなで集まって食事をする機会も多かったので“家族の誕生日=東京へ行く=恵比寿駅”のイメージがありました。
──柴幸男さんの演出のどんなところに面白さを感じていますか?
稽古というよりワークショップを繰り返している感覚でいられるのは面白いです。この紆余曲折の先が私たちなりの「わが町」につながっていてほしいと思います。
プロフィール
間瀬奈都美(マセナツミ)
1990年、埼玉県生まれ。幼少期よりダンスをはじめ、桐朋学園芸術短期大学にて演技を学ぶ。主な出演作にNibroll「コーヒー」、毛皮族「Gardenでは目を閉じて」、東京演劇道場「赤鬼」、NODA・MAP「フェイクスピア」「『Q』:A Night At The Kabuki」などがある。
三津谷亮
──東京で好きな場所は?
渋谷のスクランブル交差点が好き。17年前、まだ高校生だった僕が秋休みで青森から旅行で訪れ、そのとき、東京に住んでいたおばさんが「スクランブル交差点で行き交う人たちを見て東京で頑張ろうって決めた」というエピソードが心に残っていて、初心に帰りたいときはスクランブル交差点を訪れます。僕にとって今でも大切な場所であり、好きな場所。
──柴幸男さんの演出のどんなところに面白さを感じていますか?
柴さんの中ではある程度答えが決まっているんだろうなあと思うことでも、僕たちに遊び心を持たせて創作をさせてくれるところが面白い。そして、「そのやり方もありだよね!」って費やした時間を否定しない言葉選びが素敵で印象に残っています。
プロフィール
三津谷亮(ミツヤリョウ)
1988年、青森県生まれ。近年の主な出演作に、ロ字ック「滅びの国」、西瓜糖第六回公演「レバア」、ゴツプロ!第七回「十二人の怒れる男」、オフィスコットーネ「加担者」など。過去2回、一輪車の世界大会で1位になった経歴を持つ。3月にプリエールプロデュース「マミィ!」、5月にPLAY/GROUND Creation #5「GOOD COMPANY」に出演。
水口早香
──東京で好きな場所は?
隅田川沿いが好きです。あの辺りは私にとって演劇の街で、稽古前に川沿いを歩きながらセリフを覚えた思い出があります。今回、皆とわいわい散歩したことも良い思い出になりました。
──柴幸男さんの演出のどんなところに面白さを感じていますか?
柴さんは俳優と丁寧に議論しながら創作を進めてくれる方です。“演出家と俳優”の関係性というより、“創作者と創作者”という影響の仕方を作ってくれたように思います。皆の意見を取り入れ、誰よりも楽しそうにそれを観てくれるのでうれしくなります。あと、シアターゲームで柴さんだけ息を切らしていたのがとても愛おしかったです。
プロフィール
水口早香(ミナグチサワカ)
1988年、神奈川県生まれ。舞台はNODA・MAP「『Q』:A Night At The Kabuki」、「アジアの女」鳥居役、「野外劇 三文オペラ」ルーシー役ほか。映像作品では主婦、職員、刑事、看護師、レポーターなどさまざまな役として出演している。
吉田朋弘
──東京で好きな場所は?
浅草が好きです。そこはかとなく漂う昭和のかおりがたまりません。近頃は整備され、そのかおりが消えつつあるのが哀しい。
──柴幸男さんの演出のどんなところに面白さを感じていますか?
あらゆることをあやふやにせず、プロセスから結果までを必ず言葉にして共有してくれます。おかげで役者たちと対等な空気が出来上がり、やることの目的がはっきりするので、実験的な創作にも自信を持ってぶつかり試せるところが面白いです。
プロフィール
吉田朋弘(ヨシダトモヒロ)
1983年、千葉県生まれ。舞台を中心に活動。近年はNODA・MAP作品に数多く出演し、映像作品にもフィールドを広げている。出演作に東京演劇道場「赤鬼」、NODA・MAP「『Q』:A Night At The Kabuki」、フジテレビ「イチケイのカラス」、hulu「パンドラの果実~科学犯罪捜査ファイル~ Season2」など。
李そじん
──東京で好きな場所は?
半蔵門線の電車の中。中学・高校の通学時に使っていたので、乗るといまだに懐かしさと安心感を覚えるから。
──柴幸男さんの演出のどんなところに面白さを感じていますか?
柴さんのお話を聞いていると、演劇の“嘘”のつき方と“ほんとう”の生み出し方に潔癖な方だなと感じます。作品を組み立てていく上での試行錯誤の過程を、俳優・スタッフと丸ごと共有し、常に対話しながら1歩1歩進んでいく稽古。ロジカルな思考を丁寧に積み重ねながらも、時々そこに、柴さんのセンスや感性が垣間見える瞬間がある気がして、それを感じられたとき、ああ、面白いなあ!と思います。柴さんが「わが町」という戯曲をどう紐解き、そこに“東京”演劇道場の今回集まったメンバーをどう重ね合わせて、どんな作品ができあがるのか、楽しみです。
プロフィール
李そじん(リソジン)
1990年、東京都生まれ。青年団、東京デスロック所属。近年の主な出演作に玉田企画「영(ヨン)」、範宙遊泳「ディグ・ディグ・フレイミング!~私はロボットではありません~」、KAAT×東京デスロック「外地の三人姉妹」など。
六川裕史
──東京で好きな場所は?
原宿。大きな神社、明治神宮前と大好きな洋服屋さんがあるので!
──柴幸男さんの演出のどんなところに面白さを感じていますか?
とにかく今まで出会ったことのないタイプの演出家! ご自身の思ったことを演者みんなに共有をし、共に模索し、創作する。深く深く作品と向き合う方です。柴さんと演劇道場が出逢い、紡ぎ、うねらせ、天まで作り上げるこの世で唯一無二の「わが町」です!!
プロフィール
六川裕史(ロクカワヒロフミ)
1986年、長野県生まれ。2008年に劇団スーパーエキセントリックシアターにて、ゲスト主演にてデビュー。その後、ミュージカル、2.5次元、小劇場、能、朝劇、時代劇などさまざまな舞台に出演。NODA・MAPにアンサンブルとして多数出演。