楊琳・舞美りら・千咲えみ・華月奏・翼和希が思うOSK日本歌劇団の101年目、そして未来

2022年に創立100周年を迎えたOSK日本歌劇団が、京都・南座で「レビュー in Kyoto Go to the future~京都みやこから未来へ!~」を披露する。“京都みやこから未来へ!”とサブタイトルが付けられた本作は、翻訳ミュージカルから2.5次元ミュージカルまで幅広い作品を手がける上島雪夫が作・演出・振付を担当。ポジティブな気運に包まれた、“現在のOSK”を象徴する宝石箱のような本作に、トップスター・楊琳をはじめ、舞美りら、千咲えみ、華月奏、翼和希が、作品にかける思いや未来への展望を語った。

取材・文 / 熊井玲撮影 / 井川由香

これは、“レビューのベスト版”

──「レビュー in Kyoto Go to the future~京都みやこから未来へ!~」は、2023年2月に大阪松竹座・新橋演舞場で上演された「レビュー 春のおどり」(参照:トップスター楊琳率いるOSK「レビュー 春のおどり」が開場100周年の大阪松竹座でスタート)の第2部をもとに、“南座版”として新たな演出を加えた作品になるそうですね。これまでもOSK作品の演出を多数手がけている上島雪夫さんが、OSKのレビュー作品としては初めて演出を担当され、これまで以上に新しさ、スタイリッシュさを感じる演目となりました。2月の公演での上島さんとのエピソードや、お客さんの反応で印象に残っていることはありますか?

楊琳 先生はこの作品を、「レビューのいいところを集めた“レビューのベスト版”」とおっしゃっていて、確かにそういう感じがしましたね。お客様の反応も、「いろいろな場面が観られてうれしかった」という声が多かったと思います。

舞美りら そうですね。さまざまなジャンルのダンスがこの1作品で観られるので、お得感があったとおっしゃっていただきました。最後の「スワンレイク」のシーンのアレンジが好きというお客様や、「まさか楊さんが『I love Music』を歌ってくださるとは!」とおっしゃっていたお客様も多かったですね(笑)。上島先生には「好きなことをやっていいよ」と言っていただき、「どういう振りが得意なの?」「どういう音の使い方が好き?」などいっぱい聞いていただいて、一緒に作らせていただいた……と言ったらおこがましいですが、私の意見も織り交ぜて作っていただきました。

 娘役さんだけが出ている、舞美中心のワルツのシーンがあるんです。そこで先生とたくさんディスカッションしてましたね。

楊琳

楊琳

千咲えみ 私が印象的だったのは、冒頭の「ボレロ」のシーンの緊張感。なんとも言えない緊張感から始まるんですけど、そこから「Go to the future!」と盛り上がっていくので……。

 ロック調にね!

千咲 はい! お客様が徐々に手拍子で盛り上がっていってくださるのが、オープニング1曲目から感じられて印象的でした。上島先生とは、舞美さんのようなディスカッションを私はしてないんですけど、中詰めのブロードウェイのシーンで、先生がステッキを使った振付を考えていらっしゃる様子をずっと横から見ていて、「カッコいいな!」と思っていました。作品全体も、先生らしい振付がたくさんあって素敵なんです。

華月奏 私は自分が出ていたからということもあると思いますが、ヒップホップの場面が印象深いです。お客様にとっても新しいというか、珍しい感覚の場面だったんじゃないかなと思います。最初はビートだけで踊り出すんですけど、上島先生に「自由に踊って良いよ」と言っていただき、自由にやってみたもののなかなかうまくいかなくて……。シーンとしては一瞬ですが、先生とはけっこうディスカッションをしたと思います。それと今回、印象的な歌詞が多いなと感じたんですが、ほとんどの曲の歌詞を上島先生が書かれているそうで。歌詞を通して先生の頭の中がちょっとのぞけているような感じがして、そこも面白かったです(笑)。

翼和希 「春のおどり」では、1・2部共に上島先生が担当されていますが、1部はミュージカル調、2部はザ・レビューショーという感じでカチッと変わるのが、自分の中では楽しくて。中でも2部はいろいろな種類の場面があり、それぞれキャラクターを変えて表現できるのが楽しいなと思っていました。また、個人的には今回、上島先生にお世話になるのが初めてなんですが、先生がお稽古で「ハッ! ハッ!で、こういう感じ」とやって見せてくださったことを私も一生懸命模倣するんですけど、なかなか先生のニュアンスができなくて。そこに苦戦したな、難しかったなという記憶があります。

左から翼和希、華月奏。

左から翼和希、華月奏。

──南座公演では、新たに和のシーンが追加されるそうですね。

 お稽古はこれからなのですが、シーンの構想については少し伺っています。平安時代から現代に向けての京都の情景を描写することになるそうで、そこから「Go to the future!」の景にどうつながっていくのかが楽しみですね。個人的には、和のイメージがあまりない上島先生が、和のシーンをどう踊ってみせてくださるのか楽しみです(笑)。

101年目に思う、未来のこと

──これまでも南座でチャレンジングな作品に挑んできたOSKですが、今回も大きなチャレンジとなりそうです。また今回、サブタイトルに「京都みやこから未来へ!」とあり、作品全体も希望や未来を感じさせるような内容になっています。2022年に創立100周年を迎えられ、101年目の舞台に立っている皆さんは、これからのOSKにどんな未来を思い描いていますか?

華月 おかげさまで昨年100周年を迎えさせていただき、101年はまた新たなスタートだと思うので、その思いは大事にしていきたいなと思っています。今後、200年、300年とずっとOSKが続いていくように、挑戦できることにはどんどん挑戦していきたいと思いますし、特に南座さんでは新たなことに挑戦させていただけることが多いので、京都みやこから挑戦してOSKの未来につなげていけるようにがんばりたいなと思います。

 公演が行われる11月は時期としても紅葉シーズンで、1年の中でも京都を訪れるのに一番良い時期じゃないかと思います。またレビュー作品は、たとえ言語がわからなくても楽しんでいただけるものですので、京都みやこから未来へ、はもちろんですが、日本から海外へと広げていきたいです。

千咲 100年目までは、100年の伝統を守りつつ100周年を迎える、という感覚でいたのですが、101年目からはOSKのまた新たな可能性を見いだしていくことにも力を入れていきたいと思っています。ですので、これからは皆さんが想像できないような舞台も(笑)、私たち次第でできるのではないかと思いますし、京都は海外の方も非常に多いので、この「レビュー in Kyoto」で“日本”を感じていただけたらと思います。

舞美 今回は上演時間約70分のショーですが、1日3回公演する日もあるんです。60分以上ある作品を1日3回公演するのは初めてなのですが、きっと海外の方にも観ていただきやすいように、ということで設定されたタイムテーブルだと思うので、ファンの方のみならず、初めて観てくださる方にも楽しんでいただきたいですし、この作品をきっかけにOSKにハマっていただけたらうれしいですね。101年目という点では、99年目のときは100周年という大きな目標に向かって、劇団として1つになっていたと思うのですが、今はさらに無限大の可能性が広がっているというか(笑)。1人ずつが意識を持って、小さなことでも大きな夢でも良いので、それぞれが挑戦したいことに向かっていけばそれが大きなパワーになるのではないかなと。そういったパワーのある劇団になっていけたら良いなと思います。

左から千咲えみ、舞美りら。

左から千咲えみ、舞美りら。

 101年目は100周年のゴールではない、といろいろなところで言わせていただきましたが、改めてリスタートだと思っています。世の中を見ても、今は自分の気持ちの強さが本当に必要になってきていると思いますし、100周年という大きな目標を達成した今、ここからはおのおのの気持ちの強さが必要になっていくのではないかなと感じています。その思いがお客様にも届いて、お客様の日々の活力になれば幸いですし、ここまで支えてきてくださったお客様に寄り添う劇団であり続けられるように、さらに注目していただけるように、それぞれがさらにがんばっていきたいなと。そう思いながら、この南座公演に臨みます。