運命を感じる、同級生の斎藤＆沖田コンビ

──2012年に上演された「ミュージカル『薄桜鬼』斎藤 一 篇」を観劇したことがきっかけで俳優を志すことになった橋本さんは、その後見事チャンスをつかみ、2015年の「ミュージカル『薄桜鬼』藤堂平助 篇」から2016年の「ミュージカル『薄桜鬼』HAKU-MYU LIVE 2」（参照：「HAKU-MYU LIVE 2」華々しく開幕！松田岳が好感触「改めていいカンパニー」）まで斎藤一役を務めました。今回の「ミュージカル『薄桜鬼 真改』斎藤一 篇」で約6年ぶりに薄ミュカンパニーに復帰されますが、カムバックが決まった際の思いを聞かせてください。

橋本祥平　果たせなかった夢を今回かなえることができそうなので、うれしい気持ちがありつつ、正直なところ、お客さんが受け入れてくれるのかなっていう不安もあって。でも、10周年のタイミングで自分をキャスティングしてくださった方々や、応援してくださっているファンの皆さん、10年の間薄ミュの歴史を紡いできたキャスト・スタッフの皆さん、すべての方に誠意を見せるために、全力でチャレンジしてみようと思ってお受けしました。

橋本祥平

──過去に果たせなかった夢があった？

橋本　斎藤一を演じた以上、やっぱり「斎藤一 篇」をやりたかったなっていう気持ちが、薄ミュを卒業してからも心の奥底にずっとあったんです。ただ、この願いはかなわないものだから、胸の内にしまっておこうと決めていたんですけど、まさかその箱を開けるときが来るとは思ってもいませんでした。

以前「キャスコハウス」（編集注：橋本の所属事務所・キャストコーポレーションの俳優たちが出演する番組。ニコニコ生放送で配信されている）で、初代・斎藤一役の松田凌くん、「真改 相馬主計 篇」（参照：「薄桜鬼 真改」開幕に梅津瑞樹が喜び「満開の桜の花をお目にかけます」）で斎藤一を演じた大海将一郎さん、藤堂平助役の樋口裕太さんとお話しする機会があったんですが、“今の時代を生きる薄ミュカンパニー”の姿を見て、時代は移り変わっていくんだなと感慨深い気持ちになりました。卒業してからは観客として薄ミュを観ていたんですけど、またあの渦の中に飛び込めると思うとすごくワクワクします。

──北村さんは今回が薄ミュ初参加となりますが、橋本さんと同様、北村さんにとっても薄ミュは特別に思い入れのある作品だと伺いました。以前、イベントで「薄ミュは“日本一出たい舞台”と言っても良いかもしれない。もし出られるなら沖田総司を演じたい」とおっしゃっていましたね。

北村健人　2015年の「藤堂平助 篇」に事務所の先輩の田上真里奈さんが雪村千鶴役で出演していて、「すごく面白い作品だから観においでよ」と声をかけてくださったんです。上京して役者を始めてから3・4年目くらいだったと思うんですけど、そのときに薄ミュを観て、心底作品に惚れたんですね。こんなにカッコいいと思った作品は薄ミュが初めてでした。「いつか絶対に出たい！」と思っていたんですが、なかなかご縁がなくて、もちろん僕の実力不足が一番の理由だったんですけど……。出演が決まるまでの間も方々で「薄ミュに出たいです！」ということを言っていて、毛利（亘宏）さんの舞台を観に行ったとき、先輩から毛利さんを紹介してもらって、「僕、出たいんです！」と直談判したこともあったし、「ミュージカル『陰陽師』～大江山編～」（参照：森田桐矢・武藤賢人ら奮闘、ミュージカル「陰陽師～大江山編～」日本凱旋公演が開幕）で毛利さんと本山新之助さんとご一緒したときも、「僕、出たいんです！」ってアピールしたり（笑）。昨年出演のお話をいただいたときは、家でガッツポーズしながら叫びました。

北村健人

──薄ミュが人生のターニングポイントになっているお二人が、斎藤一と沖田総司としてタッグを組むのは本当に素敵な巡り合わせだと感じます。

橋本　健人とは、この間まで舞台「機動戦士ガンダム 00 -破壊による覚醒-Re:（in）novation」（以下ダブステ）（参照：俺たちはガンダムで、演劇だ！橋本祥平ら出演「機動戦士ガンダム 00」開幕）で共演していたんですが、薄ミュの前に一度同じ座組で作品を作れたのが本当に良かったなと思っていて。健人は、役者としても同級生としても、自分が持っていないものをたくさん持っているんです。ものすごい努力家だし、武器さばきもうまくて……健人に聞いたら、公園で殺陣の練習をしていたことがあるそうで、その道を極めるまでとことん追求する人なんだなって思いました。そういう人が沖田として斎藤の隣にいてくれるので、個人的にすごく安心ですね。実際に薄ミュの現場に入ったら、健人の素敵な部分をもっともっと見つけられる自信があります！

あと、すごくエモいなと感じることがあって。僕たちもそうなんですが、初演の「斎藤 一 篇」で斎藤一と沖田総司を演じた松田凌くんと廣瀬大介くんも同い年コンビだったんですよ！ 今回、10周年のタイミングで同い年の僕らが斎藤と沖田をやることにも何か意味があるような気がして、なんだかすごく運命的だなって思っています。

北村　ダブステで共演する前から、「橋本祥平はすごい役者だ」っていううわさをほかの役者さんたちからたくさん聞いていたんです。実際にご一緒してみて、「ああ、なるほど。これはみんな祥平のことが好きになるな」っていうことがよくわかりました。祥平はそれくらい素敵な役者さんなんです。そんな祥平と、斎藤一と沖田総司という関係が深いキャラクターをやらせていただけるということで、薄ミュに出演するのがさらに楽しみになりました。