松浦茂之×井神拓也が語る「舞台映像上映 Reライブシアター」/ 2025年度上映8作品ラインナップ (2/2)

「舞台映像上映 Reライブシアター」2025年度の上映8作品

ここでは2025年度に「舞台映像上映 Reライブシアター」で上映される8作品について紹介する。

イキウメ「奇ッ怪 小泉八雲から聞いた話」

イキウメ「奇ッ怪 小泉八雲から聞いた話」

原作:小泉八雲
脚本・演出:前川知大
出演:浜田信也、安井順平、盛隆二、松岡依都美、生越千晴、平井珠生、大窪人衛、森下創
収録年・場所:2024年 / 東京都 東京芸術劇場 シアターイースト
※高画質の定点映像による上映

小泉八雲原作のオムニバス作品として2009年に初演された作品をリメイク。古びた旅館を舞台に、ある事件を追ってきた男たちとそこで出会った人々の語りによって物語が紡がれる。なお本作は2025年、ハヤカワ「悲劇喜劇」賞、読売演劇大賞最優秀演出家賞などを受賞している。

イキウメ「奇ッ怪 小泉八雲から聞いた話」より。(撮影:田中亜紀)

イキウメ「奇ッ怪 小泉八雲から聞いた話」より。(撮影:田中亜紀)

こまつ座「母と暮せば(2024 ver)」

こまつ座「母と暮せば(2024 ver)」

原案:井上ひさし
作:畑澤聖悟
演出:栗山民也
出演:富田靖子、松下洸平
収録年・場所:2024年 / 東京都 紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA
※高画質の定点映像による上映

井上ひさし「父と暮せば」の対を成す作品として、山田洋次監督が井上の原案をもとに2015年に制作した映画「母と暮せば」。舞台版「母と暮せば」は、2018年に畑澤聖悟の脚本、栗山民也の演出で誕生した。2024年版では、長崎で被爆した母・伸子を富田靖子、亡き息子・浩二の幽霊を松下洸平が演じた。

こまつ座「母と暮せば(2024 ver)」より。(撮影:福岡諒祠)

こまつ座「母と暮せば(2024 ver)」より。(撮影:福岡諒祠)

椿組2024年夏・花園神社野外劇「かなかぬち」~ちちのみの父はいまさず~

椿組2024年夏・花園神社野外劇「かなかぬち」~ちちのみの父はいまさず~

作:中上健次
構成・演出:青木豪
出演:山本亨、松本紀保、田渕正博、木下藤次郎、鳥越勇作、趙徳安、斉藤健、井上カオリ、長嶺安奈、岡村多加江、浜野まどか、山中淳恵、犬飼淳治、筑波竜一、鈴木幸二、佐久間淳也、伊藤新、佐藤銀平、外波山流太、望月麻里、外波山文明 ほか
収録年・場所:2024年 / 東京都 花園神社 境内特設ステージ
※高画質の定点映像による上映

椿組の花園神社での野外劇。中上健次が1979年に椿組に書き下ろした戯曲「かなかぬち」は、時は南北朝、楠正成と呼ばれた悪党(鉄男)を巡る姉妹と母の物語が展開する。なお本公演は椿組にとって、花園神社で行う野外劇として最後になった。

椿組2024年夏・花園神社野外劇「かなかぬち」~ちちのみの父はいまさず~より。

椿組2024年夏・花園神社野外劇「かなかぬち」~ちちのみの父はいまさず~より。

東京芸術劇場「気づかいルーシー」

東京芸術劇場「気づかいルーシー」

原作:松尾スズキ(千倉書房「気づかいルーシー」)
脚本・演出:ノゾエ征爾
出演:岸井ゆきの、栗原類 / 川上友里、山口航太、ノゾエ征爾 / 大鶴佐助、小野寺修二
演奏:田中馨、森ゆに
収録年・場所:2022年 / 東京都 パルテノン多摩 大ホール
※高画質の定点映像による上映

2015年初演、2017年再演、2022年に再々演もされた、東京芸術劇場によるこどものためのオリジナル作品。松尾スズキの絵本をもとにノゾエ征爾が脚色・演出を手がけ、ルーシーとおじいさん、飼い馬が“気づかい”しすぎるあまり引き起こしてしまう非喜劇が、音楽を交えて描かれる。

東京芸術劇場「気づかいルーシー」2022(撮影:田中亜紀)より。

東京芸術劇場「気づかいルーシー」2022(撮影:田中亜紀)より。

二兎社「ザ・空気 ver.3 そして彼は去った…」

二兎社「ザ・空気 ver.3 そして彼は去った…」

作・演出:永井愛
出演:佐藤B作、和田正人、韓英恵、金子大地、神野三鈴
収録年・場所:2021年 / 東京都 東京芸術劇場シアターイースト
※複数のカメラで収録され編集された映像の上映

テレビ局を舞台にした「ザ・空気」(2017年)、国会記者会館の屋上を舞台にメディアと政権の癒着に迫った「ザ・空気 ver.2 誰も書いてはならぬ」(2018年)に続く“空気”シリーズの第3弾。テレビ局を舞台に政治コメンテーターやニュース番組のプロデューサーらの姿を通して、報道の自己規制をめぐる物語が展開。

二兎社「ザ・空気 ver.3 そして彼は去った…」より。(撮影:本間伸彦)

二兎社「ザ・空気 ver.3 そして彼は去った…」より。(撮影:本間伸彦)

蜷川幸雄七回忌追悼公演「ムサシ」

蜷川幸雄七回忌追悼公演「ムサシ」

作:井上ひさし(吉川英治「宮本武蔵」より)
オリジナル演出:蜷川幸雄
演出:吉田鋼太郎
音楽:宮川彬良
出演:藤原竜也、溝端淳平、鈴木杏、塚本幸男、吉田鋼太郎、白石加代子 ほか
収録年・場所:2021年 / 埼玉県 彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
※高画質の定点映像による上映

井上ひさしが書き下ろし、蜷川幸雄の演出により2009年に初演された「ムサシ」。2016年に死去した蜷川の七回忌追悼公演として2021年に再演され、吉田鋼太郎が演出を務めた。劇中では宮本武蔵と佐々木小次郎の再会が描かれる。

蜷川幸雄七回忌追悼公演「ムサシ」より。(撮影:田中亜紀)

蜷川幸雄七回忌追悼公演「ムサシ」より。(撮影:田中亜紀)

PARCO PRODUCE 2024「リア王」

PARCO PRODUCE2024「リア王」

作:ウィリアム・シェイクスピア
翻訳:松岡和子
演出:ショーン・ホームズ
出演:段田安則、小池徹平、上白石萌歌、江口のりこ、田畑智子、高橋克実、浅野和之 ほか
収録年・場所:2024年 / 東京都 東京芸術劇場プレイハウス
※高画質の定点映像による上映

段田安則とイギリスの演出家ショーン・ホームズが、高く評価された「パルコ・プロデュース2022『セールスマンの死』」に続きタッグを組み話題を呼んだ作品。本作で浅野和之が芸術選奨文部科学大臣賞、長女を演じた江口のりこが芸術選奨新人賞に輝いた。

PARCO PRODUCE2024「リア王」より。(撮影:細野晋司)

PARCO PRODUCE2024「リア王」より。(撮影:細野晋司)

ヨーロッパ企画「来てけつかるべき新世界」

ヨーロッパ企画「来てけつかるべき新世界」

作・演出:上田誠
音楽:キセル
出演:石田剛太、酒井善史、角田貴志、諏訪雅、土佐和成、中川晴樹、永野宗典、藤谷理子 / 金丸慎太郎、町田マリー、岡田義徳、板尾創路
収録年・場所:2024年 / 東京都 本多劇場
※高画質の定点映像による上映

2016年に初演され、第61回岸田國士戯曲賞を受賞したヨーロッパ企画の代表作の1つ。2024年は一部新キャストを迎えて再演された。ロボットやAI、ドローンなどのテクノロジーが押し寄せる大阪新世界で、串カツ屋を切り盛りする看板娘マナツと“おっさんたち”が繰り広げるSF人情喜劇。

ヨーロッパ企画「来てけつかるべき新世界」より。(撮影:井上嘉和)

ヨーロッパ企画「来てけつかるべき新世界」より。(撮影:井上嘉和)