NSC東京校24期生のレヲンと阿部南斗が2019年8月に結成した喫茶ムーン。2023年正月に「ぐるぐるナインティナイン」(日本テレビ系)の恒例企画「おもしろ荘」に出演して話題を呼び、今年は「キングオブコント2025」で初の準決勝進出を果たした。
一見ポップでありながら、毒や狂気が含まれ、笑いと悲鳴が同時に起こることもある喫茶ムーンのコント。レヲンは「きれいごとだけじゃなくて、人間の本質というか、心の中の闇を描いた感じのネタはけっこう好きです」と述べ、阿部も「劇場のお客さんが、ちょっと嫌な顔するとうれしくなっちゃうんですよ(笑)。嫌な顔をするというのは、ネタに入り込んでくれてるということでもあるから。ネタ中に悲鳴を上げるお客さんってどうなんだみたいな議論が起こることもありますけど、僕らとしてはうれしいです。応援上映みたいなものだと捉えています(笑)」と語る。
レヲンは今回の単独ライブについて「ずっと私たちが出ている、私たちのための60分間は経験したことがないので、楽しみと不安が同居しています。でもワクワクのほうが勝ってますね」とコメント。阿部は「賞レースで戦えるようなネタを詰め込んでいるんですけど、めちゃめちゃ変なネタもいくつかあるので、それがどうなるんだろうとドキドキしています。僕たちの独特な部分を凝縮した内容になるので、吉本の劇場に来たというよりは、バティオスに来た感覚で観てもらえれば(笑)」と呼びかけた。チケットはFANYチケットで販売されている。
喫茶ムーン コメント
──喫茶ムーンはどのような経緯で結成されたコンビなんでしょうか?
阿部:養成所時代は各々が別の男女コンビを組んでいたんですが、同じタイミングで解散して、組むことになりました。
レヲン:阿部は前の男女コンビのときからネタを楽しそうにやっていたのでいいなと思っていました。男女コンビを組んでいた人とやりたいという思いがあったし、共通の友人がいたのも大きかったです。
阿部:相方(レヲン)が養成所時代にエリートだったので、スーパースターに見えていました。
レヲン:そんなことないから(笑)。
阿部:髪の毛が派手な七色で、声も大きくて、ギラギラに輝いてる感じ。喫茶ムーンを結成するとき、レヲンに「(阿部と組むのは)やめたほうがいいんじゃないの?」と言う人もいました(笑)。あまり歓迎はされないコンビだったと思います。
──喫茶ムーンさんのネタは一見ポップでかわいらしいのに、毒や狂気が含まれていて怪しい雰囲気も放っているのが魅力だと思っているのですが、阿部さんかレヲンさんのどちらかの趣味嗜好が反映されているのでしょうか?
阿部:レヲンがそういうのを好んでいる気はします。
レヲン:そうですね。きれいごとだけじゃなくて、人間の本質というか、心の中の闇を描いた感じのネタはけっこう好きです。
阿部:僕は劇場のお客さんが、ちょっと嫌な顔するとうれしくなっちゃうんですよ(笑)。嫌な顔をするというのは、ネタに入り込んでくれてるということでもあるから。僕らのネタで何かを感じてくれているのがうれしくて、クセになっちゃってる感じはあります。
──「おもしろ荘」で披露した消しゴムのネタもゾッとする要素が入ってました。
阿部:あのネタも舞台で披露してヤバいときあったよね。
レヲン:ちゃんと怖がられる。
阿部:いまだに「やだ……」みたいな悲鳴が上がるんですよ。最近はネタ中に悲鳴を上げるお客さんってどうなんだみたいな議論が起こることもありますけど、僕らとしてはうれしいです。応援上映みたいなものだと捉えています(笑)。
──今年は「キングオブコント」準決勝初進出というトピックもありましたが、自分たちとしては今大会の手応えはいかがでしたか?
レヲン:2回戦を突破するのも初めてだったので、準々決勝に行けた時点で目標はクリアした感覚だったんです。肩の力が抜けた状態で準々決勝に臨めたので、準決勝にも行けたんじゃないかと思っています。
阿部:現実的な目標が準々決勝進出だったので、あとは「バカなフリして準決勝も狙っちゃおう」という心持ちだったんですが、本当にバカなフリをした状態で準決勝に進めちゃった(笑)。決勝はさすがに行けなかったですけど、「絶対無理!」という感じでもないくらいの手応えはありました。
──初単独ライブを開催するのも「キングオブコント」の準決勝に初進出できたことがきっかけだったのでしょうか?
レヲン:ずっと前から単独ライブはやりたくて、神保町の劇場で開催するのが目標の1つだったんですけど、事務所内のバトルライブで結果を残さないと企画が通らないんです。
阿部:なかなかバトルライブで勝ち上がれないから開催できなくて。
レヲン:「キングオブコント」準決勝に進出できたのが後押しになって、ようやく開催できるようになりました。
阿部:ちょうど「キングオブコント」準決勝で敗退したときに、マネジャーさんから「大会の結果は残念だったけど、単独ライブが通りましたので、来年のキングオブコントに向けてがんばりましょう」と言われてすごくうれしかったです。
──念願の初単独ライブは作っていて楽しいですか?
レヲン:そうですね。まずフライヤーの撮影がすごく楽しかったです。
阿部:ライブタイトルの「宝石箱」は、僕らがコンビを組むことを決めたときにいた喫茶店の名前なんです。フライヤーも実際の「宝石箱」の店舗で撮影しました。
レヲン:フライヤーの評判がすごくよくて、公開したら発券が伸びたんですよ。フライヤーって大事なんだなと思いました。
──ライブを目前に控えた心境はいかがですか?
レヲン:ずっと私たちが出ている、私たちのための60分間は経験したことがないので、楽しみと不安が同居してます。ワクワクのほうが勝ってますけど。
阿部:今回の単独ライブは賞レースで戦えるようなネタを詰め込んでいるんですけど、めちゃめちゃ変なネタもいくつかあるので、それがどうなるんだろうとドキドキしています。僕たちの独特な部分を凝縮した内容になるので、吉本の劇場に来たというよりは、バティオスに来た感覚で観てもらえれば(笑)。とにかくお客さんにファンになってほしいですね。1回騙されたと思って来てほしいです。肌に合わない人は本当に肌に合わないかもしれないんですけど、ハマればめちゃめちゃ楽しい内容なので。アルコール体質の試験パッチを貼りにくるイメージで、ダメだったらすぐ剝がしてください(笑)。120人キャパなので、65人くらいの濃いファンが増えるのを目指します。
レヲン:「観てよかった」と思わせることが一番大事だと思ってますが、お客さんは「フライヤー素敵だな」くらいの気軽な気持ちで来てほしいです。初単独は今回しかないので。
阿部:嫌なことがあったとき、むしゃくしゃしたことがあったときの心の支えになるようなコント……は1本もないんですけど、「こんなバカな人たちがいるんだな」と最後に心が軽くなるような内容にはなると思うので、これから嫌なことが起こりそうな人はぜひ予防接種や防衛のために来てください(笑)。
──最後にコンビとしての今後の目標も教えてください。
阿部:単独ツアーをやれるような芸人になりたいです。今年はその足掛かりになれるように! メディアも出て、賞レースでも結果を出して、単独ライブが埋まるような芸人になっていければ最高です。
レヲン:「キングオブコント」の決勝に行きたいです。いつ大会がなくなるかわからないですし……。
阿部:……やるだろ、たぶん(笑)。
レヲン:テレビ局がやっていることなので、どうなるかわからないと思っています。急に休止するかもしれないし、完全に安心はできません(笑)。なので早く決勝に進出したいです。
喫茶ムーン単独ライブvol.1「宝石箱」
日時:2025年11月15日(土)20:15開場 20:30開演 21:30終演
会場:東京・神保町よしもと漫才劇場
料金:前売1500円
チケット:FANYチケットで販売中。
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喫茶ムーン 阿部 @kissamoonabe
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