音楽ナタリー PowerPush -和楽器バンド

「今の日本」を伝えたい! メンバー8人の壮大な構想

映像へのこだわり

──質問を音源の話に移しまして、まずはボーカロイド曲のカバー集「ボカロ三昧」で和楽器バンドは世に出たわけですが、なぜボカロ曲を? バンドと楽曲の相性のよさなどからでしょうか。

鈴華ゆう子(Vo)

鈴華 確かにボーカロイドには和風の曲があるんですけど、そういった相性ではなく私たちが最初に世に出たきっかけがボカロ曲だったからですね。ボーカロイドって今の日本の文化になりつつあるものだなあと思ったんです。私たちが表現しようとしているのは今の日本で、和楽器っていうのは昔からの伝統的なもの。それを今の文化を含めて表現したくて。和風のボカロ曲を今の音で表現したら面白かった。じゃあそうじゃない曲も私たちがアレンジしたらどうなるかっていうのを試してみたくて、いろんな可能性のある12曲を選択しました。

──そして今回、満を持して初のオリジナル曲をリリースします。作曲プロセスはどのように?

鈴華 私が作ったのは歌詞とメロディとコードと……雰囲気?(笑) まずピアノで作ったものをみんなに聴いてもらってそれぞれアレンジしてもらいました。今回は一発目なので今までの雰囲気をあまり変えないで作った曲です。でもオリジナルなので「こう歌いたい」「ここでコブシ振ったら魂に届くんじゃないか」って自分で決められるので歌いやすくて。

──「華火」というタイトルは?

鈴華 「華」はここぞってときにつける字で、私の「鈴華」や詩吟のときの名前にも使っているんです。それで今回は夏のリリースだし「華火」にしようって思いました。歌詞はいろんな世代の方がそれぞれ自分の中で重ねられるくらいの内容で。あとはただ歌で楽しむだけじゃなくて目で観ても楽しめるように、今回はCGで楽曲の世界観も表現しています。和楽器バンドは映像作品という形にこだわりを持っていて。

──今回はCDではなくDVD / Blu-rayでのリリースです。映像へのこだわりはどういうところから?

鈴華 今回に限らずなんですけど、和楽器バンドではストーリー性のあるものを表現したいと思っていたんです。「千本桜」のロケは和風の場所でやったんですけど、今回はさらに世界観を広げるっていう意味でマットペイントを使って、なんだろう、ある意味……。

町屋 非現実的な感じ。

鈴華 うん。それでいて和を大切にするというか。みんなが演技をして、物語のような映像を作りました。それを観てくれた方がゲームっぽい、アニメっぽいって言ってくれてるのは狙いどおりで、より個性が引き立つような見せ方ができたかなと。

山葵(Dr)

山葵 和だけど「NARUTO」の世界の住人みたいというか、いい意味で“厨二病の世界観”を体現できたのが面白い、ほかにないものだなって思います。

──「俺が一番華やかだぞ!」って自負してる方はいますか?

町屋 僕は映像で龍飼ってます(笑)。できあがってびっくりした。まさか龍とは……。

亜沙 知り合いのボカロPが「亜沙さん動画観たよー! 屋根の上に乗ってたよね」って。それ(蜷川)べにっす(笑)。俺じゃねえ。

鈴華 あとそれぞれのメンバーの体に1文字ずつ漢字が入っていたり、また話が続くんじゃないかっていう展開になっていたりする。フルで映像を観るといろいろ楽しめると思います。

和楽器バンドが人生の中心

鈴華 DVD / Blu-rayにはミュージックビデオのほかにオフショットも入っていて。今回の撮影に27時間かかったんですけど、だんだんみんなのクマが増えていったり(笑)、ハイテンションになってる様子が観られる。MVとは違う、素の姿がツボですね。

──27時間ってだいぶ殺伐としてくるんじゃないかって思っちゃいますけど(笑)。

神永大輔(尺八)

神永 いや完全に深夜テンションだったね。あと「ボカロ三昧」の特典映像と今回のを見比べると、メンバーがバンドとしてまとまっていく変化がうかがい知れていいかなって。

いぶくろ メンバー同士の距離感がどんどん近付いてる感がある。

鈴華 プライベートで遊んだりもしてるしね。

──そうなんですね。バンドのコンセプトがしっかりしているぶん、メンバーの方々はプロフェッショナルな関係というか仕事として集まっただけじゃないかってイメージしてました。

鈴華 今はこのバンドが人生の中心になってると思う。みんなこのバンドで多くの人に自分たちを見せていきたいって思ってるんじゃないかなあ……どうなの?

神永 「どうなの?」って(笑)。

いぶくろ このバンドで得られる経験値はほかの活動とは違う気がします。和楽器奏者としてほかでもセッションしますけど、そのときに出てくるフレーズと町屋さんが弾くフレーズはまるで違う。想像してないフレーズや絡み方になるので、新しいことを開発せざるをえないっていうのがすごくいい経験になるんです。

鈴華 衣装のことだったり映像のことだったり。すべてにおいてほかの活動で得られないことができてる。

黒流 バンド内で自分のキャラを立てていきたい。目立つではなく、ここぞというところで出していける存在を目指しています。このバンドには誰かに任せてラクしようって人いないし、お互い尊敬しながらやってます。

ミュージックビデオ「華火」/ 2014年8月27日発売 / avex trax
通常盤 Blu-ray
通常盤 Blu-ray 1950円 / AVXD-91693
通常盤 DVD 1620円 / AVBD-92069
Amazon限定盤 Blu-ray
Amazon限定盤 Blu-ray 1950円 / AVX1-91699
Amazon限定盤 DVD 1620円 / AVB1-92133
通常盤DVD / Blu-ray収録内容
  1. 華火-MUSIC VIDEO-
  2. 華火-MAKING-
  3. 天樂-2014.1.31 at clubasia-
Amazon限定盤DVD / Blu-ray収録内容
  1. 華火-MUSIC VIDEO-
  2. 華火-MAKING-
  3. 千本桜-2014.1.31 at clubasia-

※初回封入特典:メンバー別トレカ16種類ランダム封入

和楽器バンド(ワガッキバンド)

ボーカル、尺八、箏(琴)、津軽三味線、和太鼓、ギター、ベース、ドラムからなる8人組。個々にプロとしてアーティスト活動するメンバーが、ニコニコ動画にアップした“演奏してみた”動画などを通じて集合。2012年11月に最初の動画「月・影・舞・華」を公開し、和楽器とバンドサウンドの組み合わせなどにより好評を得る。2014年にはエイベックスからボーカロイド曲のカバー集「ボカロ三昧」をリリース。発売を記念して都内で行われた初ワンマンライブは即日完売した。そして8月27日には初のオリジナル曲となるミュージックビデオ「華火」をDVD / Blu-rayでリリース。