音楽ナタリー Power Push - the telephones

12組が魂込めた「We are DISCO!!!」解説&4人が振り返る武道館

07. kiss me, love me, kiss me / Koji Nakamura

Koji Nakamura

彼らと出会ったのは、数曲のプロデュースの依頼からでした。トリビュートでは彼らの育った空気を録音したくて、埼玉のKYARAでマイクを立てて環境音を録音したりもした。何かが宿るような気がしたから……。この先も自分達がイイと思う音楽をやり続けていってほしいです。

Koji Nakamura

岡本 ナカコーさんは最初に「A.B.C.D.e.p.」のプロデュースをしてもらったよね。

石毛 そう。「DANCE FLOOR MONSTERS」を出して、シンセとか電子音系の楽器がまだうまく使い切れてないなと感じて、そこらへんの知識がありつつ、なおかつオルタナティブなロックも知ってる人ならナカコーさんだろうと思って声をかけさせてもらったんです。あと僕らはスーパーカーをよく聴いていたしね。昔、デモを録音するために横浜まで行ったんですけど、その車の中でスーパーカーのアルバム「ANSWER」の「RECREATION」っていう曲だけをずっとリピートして聴いてたことがあったよね。

松本 あったあった(笑)。

the telephones

長島 ナカコーさんの「kiss me, love me, kiss me」、染みましたね。

松本 流れ的にもdustboxで騒いだあとにこれが来るので、いい感じにシューッと落ち着くというか。

岡本 これ、俺の勝手なイメージなんですけど、光が射し込む教会にいる感じがした。

石毛 ナカコーさん本人に聞いたらガッチャガチャした電子音でやるか、こういうシンプルな一発録りでやるか悩んで、メロディがいいから後者を採用したって言ってました。自然の音響を利用するためにがらんとしたフォトスタジオでレコーディングしたらしくて、ミックスの段階でリバーブは一切かけてないそうです。わざわざ北浦和まで来てくれて、KYARAの音を録音するっていう行為がプロデューサーっぽいですよね。

──プロデューサーに自分たちの曲をカバーされるのはどんな気分ですか?

石毛 うーん、でも僕にとってはプロデューサーというよりも、涼平にとってのJさんみたいな感じの人なんですよ。僕、ナカコーさんにシンセサイザーを7台もらってるし、いつかは恩を返さないといけないと思っています。あとこれは余談ですけど、ナカコーさんのスタッフには「ひさしぶりにナカコーが歌ってくれた。ありがとう」って言われました(笑)。

08. I Hate DISCOOOOOOO!!! / ストレイテナー

ストレイテナー

テレフォンズの数ある(笑)「DISCO」チューンの中でも、この曲には一聴した時からただならぬ狂気を感じました。
ダブのグルーヴに乗せたフリーセッションで、DISCOの裏に潜んだメロディーの良さやダークな世界観を引き出し、
「I HATE DISCO」というシニカルなメッセージにもリンクする、最狂な仕上がりになったと思います。

改めてこの曲が好きです。

ホリエアツシ(ストレイテナー)

長島 ホリエさんは昔から「I Hate DISCOOOOOOO!!!」好きだって言ってくれてたよね。

岡本 ホリエさん、カラオケでも歌ってくれたりするし。

石毛 このアレンジは本当に面白かったですね。一筋縄ではいかないぞっていう感じがいかにもテナーらしいし、ほかの参加アーティストへの対抗意識みたいなものもある気がします。

──ストレイテナーとはいつからの付き合いですか?

石毛 レーベルの先輩だけど、初めて会ったのはいつだろう? フェスか「Getting Better」とか?

岡本 そうだね。あと俺らストレイテナーのMVにも出させてもらってるよね。

石毛 そうそう。ストレイテナーの「VANISH」のMV。公私ともに本当にお世話になってる先輩ですね。

09. Just One Victory / James Iha

name

i love and respect the telephones as people, musicians, writers, and as someone to have a beer with. their songs have always immediately struck me and their album Rock Kingdom which they recorded at my old studio in NYC called Stratosphere Sound was a high energy, explosion of sound and songs. i am always happy to run into them whenever i come to Tokyo and they are always upbeat, interesting guys. i am honored to record Just One Victory because it is a hopefully song about life and magic, something we all need today, my best wishes go to them!

the telephonesを人として、音楽家として、作曲家として、そしてビールを一緒に飲む仲間として、愛し、リスペクトしている。彼等の曲にはいつも衝撃を受けていた。Stratosphere SoundというNYCにあった僕の古いスタジオでレコーディングしたアルバム「Rock Kingdom」は、ハイエナジー、且つサウンドと曲の爆発だよ。僕が東京に行ったら、彼らに会うたび嬉しいし、いつも明るくて面白いヤツらだ。僕は、今回「Just One Victory」で参加したことを誇りに思っている。なぜなら、この曲は人生と、今、誰もが必要としている魔法に溢れた希望の曲だから。the telephonesの今後に幸あれ!

James Iha

岡本 めっちゃうれしいコメントだなあ。

石毛 曲はイハのスタジオでレコーディングした「Rock Kingdom」の中からできれば選んでもらいたいって伝えたんです。で、できあがったものを聴いたらヤバかった。ほかのアーティストに比べたらオリジナルに忠実なんですけど、彼が歌うことで全然違うものになってる。マジで魔法。俺歌っててごめんなさいって思ったもん。

岡本 なんかさあ、歌詞で「Forever」ってあるじゃん? Ihaが歌うと本当に永遠って感じがしたの。

石毛 あははは(笑)。

長島 曲の中に優しさがあったよね。

石毛 うん。まさか最後に転調してくるとは思わなかったけど。すごいわ。

──コメントには「the telephonesをリスペクトしている」と書いてあります。

石毛 もううれしすぎてウソだろって思っちゃいますね。

長島 ゴーストライターじゃないの? すごすぎるわ。

石毛 本当にありがたいです。イハとは昔一緒にしゃぶしゃぶしたりもしたんですよ。レーベルのイベント「EMI ROCKS」のときに対談もさせてもらったし。僕、イハと恋バナをしたことがあるんですけど、そのとき僕は彼が昔悩んでいたことと同じようなことで悩んでて。「天下のイハが?」と思って、親近感といったらちょっと違うかもしれないけど、すごくうれしかったなあ。

トリビュートアルバム「We are DISCO!!!~tribute to the telephones~」 / 2015年11月4日発売 / 3024円 / Virgin Music / TYCT-69088
トリビュートアルバム「We are DISCO!!!~tribute to the telephones~」
収録曲 / アーティスト
  1. Urban Disco / POLYSICS
  2. HABANERO / FRONTIER BACKYARD
  3. sick rocks / THE BAWDIES
  4. Love & DISCO / J
  5. Monkey Discooooooo / 9mm Parabellum Bullet
  6. A.B.C.DISCO / dustbox
  7. kiss me, love me, kiss me / Koji Nakamura
  8. I Hate DISCOOOOOOO!!! / ストレイテナー
  9. Just One Victory / James Iha
  10. Odoru~朝が来ても~ / Yogee New Waves
  11. Fire,Fire,Fire / VOLA & THE ORIENTAL MACHINE
  12. Say DISCO / Fragment×DOTAMA
ライブDVD「武道館 DE DISCO!!!~SUPER DISCO Hits 10!!! the telephones 10th Anniversary~」 / 2015年11月4日発売 / 5400円 / Virgin Music / TYBT-19014~6
ライブDVD「武道館 DE DISCO!!!~SUPER DISCO Hits 10!!! the telephones 10th Anniversary~」

※初回限定盤のみボーナスディスクDVD「オトナの!特別編the telephones~北浦和の中心でDISCOを叫ぶ!~」完全拡大版付属(売り切れ次第本編のみ2枚組に切り替え)

the telephones(テレフォンズ)

the telephones

2005年に埼玉県浦和にて結成されたロックバンド。メンバーは石毛輝(Vo, G, Syn)、岡本伸明(Syn, Cowbell, Shriek)、長島涼平(B, Cho)、松本誠治(Dr)の4人。ポストパンク / ニューウェイブにも通じるダンスロックサウンドで各地のフェスを席巻し、2009年にEMIミュージック・ジャパン(現:ユニバーサルミュージック)と契約。同年7月にアルバム「DANCE FLOOR MONSTERS」でメジャーデビューを果たした。2011年には埼玉・さいたまスーパーアリーナでのワンマンライブ「SUPER DISCO Hits FINAL !!! ~そして伝説へ~」を開催。その後もコンスタントに新作をリリースし、2013年9月にはPOLYSICSと合同で初のヨーロッパツアーを敢行するなど、ワールドワイドに活動を展開する。結成10周年を迎える2015年3月にキャリア初のオールタイムベストアルバム「BEST HIT the telephones」をリリースし、同年5月に東京・日本武道館で単独ライブを開催。同年7月に7thアルバム「Bye Bye Hello」を発表した。11月3日のさいたまスーパーアリーナ公演を最後に無期限で活動を休止する。