新宿LOFTで撮影した「何処へ行く」
──今回アルバムの中から「何処へ行く」のミュージックビデオが制作されましたが、この曲を選んだ理由は?
山田 この曲はシンプルで普遍的なメッセージと叙情的な雰囲気があって、アルバムのリードトラックとして扱ってもいいなと思っていて。
菅波 当時から応援してくれてるファンの人にとっても自分たちにとっても、インディーズ時代の代表曲っていう認識はあって。去年、日比谷野外大音楽堂で演奏したときにお客さんの熱い反応が見れたっていうのもあって、この曲でMVを作ることにしました(参照:また生きて会おうぜ!THE BACK HORNが雨の中で“伝説の野音”)。
──新宿LOFTでの撮影はいかがでした?
山田 ステージ上じゃなくてフロアで俺ら4人が向かい合って演奏したんですよ。お客さんに周りを囲まれた状態で演奏するのは初めてだったから独特な緊張感があったし、お客さんの表情にも楽曲を間近で聴いたリアルなリアクションが出てると思いました。面白かったよね。
菅波 うん、すごい面白かった。
──新宿LOFTは岡峰さんが働いていたライブハウスですし、縁のある場所ですよね。
山田 縁はだいぶありますね。昔よくライブしてたし。
菅波 ほんと、光舟と出会ったのはLOFTのおかげだもんね。
カッコいい大人になれるかは自分次第
──今回のアルバム制作は20年前の自分たちを振り返るきっかけにもなったと思うんですが、何か気付いたことはありますか?
山田 うーん……常に目の前にあることに全力で取り組んできて、それが20年間続いてきたっていう感覚なんですよね。このタイミングだからどうっていうのはないかな。
菅波 俺は、すげえシンプルなことなんですけど、曲作ってギターを弾くことが死ぬほど好きなんだなっていうのを再確認しました。そこに対するモチベーションが下がっていくことはまったくないっていうのがわかって、ある種の安心感が生まれたと言うか。
──THE BACK HORNが結成されてからこれまでというのは、大人に対して不信感を抱いていた若者が仲間や大人と絆を築いていく20年間でもあったと思うんですが、20年経って大人の立場になった今、当時の自分に声をかけるとしたらなんて声をかけますか?
菅波 「お前のことを心からわかろうとしてくれる大人はいるぞ」って言いたいですね。昔は子供みたいに拗ねたりとか、八つ当たりしたりする大人を見て「絶対あんなふうになりたくない」って思ってたんですけど、俺らの周りにカッコいい大人がいっぱいいて、こういう大人もいるんだって教えてもらったので。「みんながみんなダサい大人じゃねーぞ」って言いたいですね。
──菅波さんの言うカッコいい大人ってどんな人ですか?
菅波 常に人から学ぼうとする姿勢を持っていて、年とかキャリアとか関係なく対等に話してくれる人。俺はそういう人ってすごくカッコいいと思うんですよね。気を抜いたらカッコいい大人として生きてない自分がいて、結局自分次第って言うか、カッコよく生きようっていう気合いが大事だぞって自分自身に言いたいですね。
カオスな祭り感
──9月には“音楽と小説のジャンルを越えて相互に影響を与えながら創作する”というコンセプトで、住野よるさんの連載小説「この気持ちもいつか忘れる」とのコラボプロジェクトがスタートしました。その第1弾楽曲として「ハナレバナレ」も配信リリースされましたね(参照:THE BACK HORN、住野よるとのコラボプロジェクトで新曲配信リリース)。
菅波 THE BACK HORNと住野よるがなんか面白いことをやってるな、って思ってもらえるようなプロジェクトにしたいと思ってます。「ハナレバナレ」は聴いたらぶち上がるようなTHE BACK HORNらしいロックで、もちろん物語を知らなくても聴けるし、でも物語を知るとより面白く聴けるので、ぜひ小説を読みながらも聴いてほしいですね。
──「ハナレバナレ」が第1弾楽曲ということは、まだしばらく続いていくんでしょうか?
菅波 そうですね。わりと長期的なプロジェクトなので。
──20年前を振り返る再録盤が出て、このプロジェクトのような新しい試みもあって。これからの活動も楽しみです。
菅波 楽しみにしててください。
山田 ツアーもありますし。
──ツアーのファイナルは3度目の日本武道館公演ですが、どんなツアーになりそうですか?
菅波 将司ってツアー前になんかテーマってあったりするの?
山田 いや、それはないな。でも20周年のタイミングだし作ってもいいかもな。そうだな……祭り感は出したいですね。THE BACK HORNなりのカオスな祭り感。カオスな感じで俺らもお客さんも盛り上がって一体感が生まれれば、それが最高の生の祝福につながると思うので。それを今回のツアーではより強く感じたいですね。
菅波 俺は今回インディーズ時代の作品を再レコーディングしたときに、ギターのテーマが“初期衝動と今しかできないことを合わせて演奏する”だったんですけど、それをツアーでもやろうと思ってて。さっき、暴れて弾くとかアドリブで弾くとか、エフェクターを使うとかいろいろなアプローチをしたって話しましたけど、それをいよいよライブでもやるときが来たなって言うか。この人すごい暴れてるけど一瞬アドリブ入れてきたとか、急にエフェクター使い始めたみたいな。そういうのがあったら面白いじゃないですか。昔は暴れたら音もグシャグシャになってたけど、今はクリアに聴かせる自信もあるし。そういうプレイで祭りを盛り上げていこうと思います。
- ライブ情報
THE BACK HORN 20th Anniversary
「ALL TIME BESTワンマンツアー」~KYO-MEI祭り~ -
- 2018年10月1日(月) 東京都 新宿LOFT
- 2018年10月5日(金) 北海道 札幌PENNY LANE24
- 2018年10月13日(土) 岩手県 Club Change WAVE
- 2018年10月14日(日) 岩手県 KESEN ROCK FREAKS
- 2018年10月19日(金) 静岡県 LiveHouse 浜松 窓枠
- 2018年10月21日(日) 鳥取県 米子 AZTiC laughs
- 2018年11月8日(木) 京都府 磔磔
- 2018年11月10日(土) 石川県 金沢EIGHT HALL
- 2018年11月11日(日) 長野県 NAGANO CLUB JUNK BOX
- 2018年11月17日(土) 香川県 高松MONSTER
- 2018年11月18日(日) 高知県 X-pt.
- 2018年11月30日(金) 愛知県 DIAMOND HALL
- 2018年12月8日(土) 福岡県 DRUM LOGOS
- 2018年12月15日(土) 大阪府 なんばHatch
- 2018年12月16日(日) 広島県 広島CLUB QUATTRO
- 2018年12月21日(金) 茨城県 mito LIGHT HOUSE
- 2018年12月23日(日・祝) 宮城県 Rensa
- 2019年1月11日(金) 沖縄県 桜坂セントラル
- 2019年1月13日(日) 鹿児島県 CAPARVO HALL
- 2019年2月8日(金) 東京都 日本武道館
- THE BACK HORN
「ALL INDIES THE BACK HORN」 - 2018年10月17日発売 / SPEEDSTAR RECORDS
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[2CD]
3564円 / VICL-65060~1
- DISC 1 収録曲
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- ピンクソーダ
- カラス
- 冬のミルク
- 魚雷
- 雨乞い
- 怪しき雲ゆき
- 晩秋
- 何処へ行く
- 風船
- ザクロ
- 桜雪
- DISC 2 収録曲
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- サーカス
- 走る丘
- 新世界
- リムジンドライブ
- 無限の荒野
- 甦る陽
- 茜空
- ひとり言
- さらば、あの日
- 泣いている人
- THE BACK HORN「ハナレバナレ」
- 2018年9月13日配信開始 / SPEEDSTAR RECORDS
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250円
- THE BACK HORN(バックホーン)
- 1998年に結成された4人組バンド。2001年にメジャー1stシングル「サニー」をリリース。国内外でライブを精力的に行い、日本以外でも10数カ国で作品を発表している。またオリジナリティあふれる楽曲の世界観が評価され、映画「アカルイミライ」の主題歌「未来」をはじめ、映画「CASSHERN」の挿入歌「レクイエム」、MBS・TBS 系「機動戦士ガンダム 00」の主題歌「罠」、映画「劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-」の主題歌「閉ざされた世界」を手がけるなど映像作品とのコラボレーションも多数展開している。2014年には熊切和嘉監督とタッグを組み制作した映画「光の音色 -THE BACK HORN Film-」が公開された。2017年2月にかねてより親交のあった宇多田ヒカルとの共同プロデュース曲「あなたが待ってる」をシングルとして、10月に2枚目のベスト盤となる「BEST THE BACK HORN II」を発表した。2018年9月に住野よるとのコラボプロジェクトを始動。コラボ楽曲第1弾として「ハナレバナレ」を配信リリースした。10月にはインディーズ時代の楽曲を再録した「ALL INDIES THE BACK HORN」を発売。同月より2019年2月にかけて全国ツアー「THE BACK HORN 20th Anniversary『ALL TIME BESTワンマンツアー』~KYO-MEI祭り~」を実施している。