TEAM SHACHIインタビュー|全力でしゃち誇り、愛にあふれた13年。 (2/3)

普通のリリイベ全然ないじゃん

──2013年の年末には5000人キャパの愛知県体育館で「愛の地球祭り2013」を、2014年8月には初の日本武道館公演「しゃちサマ2014~神々の祭り~」を開催しています。

秋本 もう武道館!? 早い! なんか武道館のライブの前にさ、船でライブしなかった?

──1stアルバム「ひまつぶし」の発売記念と、日本武道館公演のチケットソールドアウトを記念して船上ライブをしましたね。

秋本 そうそう! それです!

大黒 喉を痛めていたちゆ(2018年に卒業した伊藤千由李)が声を出せなかったイベントね。でもなんでチケット完売で、船上ライブだったの?

咲良 「ひまつぶし」のジャケで船に乗ってるからじゃない?

──皆さんが乗った安宅丸は、尾張名古屋から天下統一を成した徳川家の御座船を模した船で「天下丸」の異名を持つらしいですよ。

秋本 へえ! そうだったんだ。当時何も聞かされてなかったから知らなかったです(笑)。

咲良 そんなことばっかりだったよね。このときも「船に乗りまーす!」みたいな感じだった気がする。まあ私たちが説明を受けたのに聞いてなかっただけかも(笑)。

秋本 あとさ、「シャンプーハット」のイベントでお客さんにシャンプーハットをくばってさ、みんなで泡まみれになったライブもあったね。

大黒 シングルタイトルにかけて変なイベントばっかりやってた気がする。普通のリリイベ全然ないじゃん(笑)。

大黒柚姫

大黒柚姫

2度目の武道館で響いた「colors」

──2015年はBasement Jaxxのライブに出演したり、幕張メッセで「幕張HOLLYWOOD」を開催したり、「いいじゃないか」「ええじゃないか」の発売があったりと、充実した活動を送りながら、その一方で安藤ゆずさんがめまい症で活動を休止してしまいます。安藤さんはその後2016年9月にグループから卒業しました。

大黒 ゆずってしゃちにいた期間は短いんだよね。強烈なインパクトを残して嵐のように去っていった。

坂本 本当だね。こんなに短い期間だったと思えない。

坂本遥奈

坂本遥奈

秋本 本当にすごい子だったなと思う。

──翌2016年は結成5周年に向けた「VICTORY YEAR」が始まって、名古屋市国際展示場で「JK卒業式 2016」を開催したり、2度目の日本武道館公演を実施したりと、がむしゃらに駆け抜けました。

坂本 「VICTORY YEAR」が発表されたときは、こんなに大変なこととは知らずうれしい気持ちでいっぱいだったんですけど、蓋を開けてみたらもう本当に大変で。ぶっちゃけると、ここまでずっとワンマンはソールドだったのに、「VICTORY YEAR」のライブはファイナルのガイシホール以外ソールドしなくて「私たちの状況、ちょっとヤバくない?」と思った時期だったよね。その事実に直面してうちらの自我が芽生えてきたんだと思う。自分たちの活動に対してちゃんと意見するようになったのはこの頃だったはず。これはファンの皆さんも思ってるだろうけど、「JK卒業式」は私たちの活動において大きなターニングポイントだった……具体的に言うとこのライブを最後にチームしゃちほこのライブに来なくなった方が多いんです。

秋本 何千人も入る広い会場で、後ろのほうの人がちゃんと私たちの姿を観られるようなモニタや演出がなかったから、今までのように来てくれた人全員をライブに巻き込むことができなかったんです。そして「JK卒業式」を終えた2016年の春と言えばBiSHさんがメジャーデビューしてすごく勢いがあった頃で。今だからこうして話せますけど、私たちのファンでBiSHさんのライブにも通っていた人が多かったから、もう完全にそっちに行っちゃった人もいたと思う。

秋本帆華

秋本帆華

──今思うと、あの頃は苦しい時期でしたね。そして夏には2度目の日本武道館公演。私も取材で現地にいましたけど、メンバーとファンで大事にしてきた「colors」がセットリストにないのは意外だなと観ていたら、まさかのサプライズでアカペラで歌い始めるという。スタッフには内緒でメンバーの独断によってセットリストに入れた「colors」のステージはファンの間で伝説のように語り継がれています。

咲良 「JK卒業式」の演出も「VICTORY YEAR」の怒涛のスケジュールも、自分たちでコントロールできるものではなくて、メンバーが意思表示できる場所がここしかなかったんです。こうなったらもうファンを味方に付けて、自分たちがやりたいことは間違いじゃないんだって証明するしかないって思った。もう本当に、あの日のことは忘れられないです。

大黒 きっとファンのみんなも同じ気持ちだったと思う。

改名して追い風がビュンビュン吹いた

──そして2017年3月に開催したガイシホール公演はチケット完売。夢が実現した瞬間でした。そこからは新たにナゴヤドーム単独公演を目標に掲げて活動していくわけですが、まずはライブハウスツアーで全国へ足を伸ばしていきました。この年は主演舞台をやったり、ファンクラブツアーを開催したりと、ファンと近い距離でのステージが多かったですね。

秋本 それで2018年に「JUMP MAN」のリリースか。早いねえ。

──2018年8月にRADIO FISHとのコラボシングル「BURNING FESTIVAL」のリリースを経て、秋に伊藤千由李さんがグループから卒業しました。

咲良 ちゆ、6年もがんばってくれたんだね。

咲良菜緒

咲良菜緒

坂本 アイドルらしからぬ白塗りなんかもさせられて嫌なこともあっただろうに……。

大黒 キリングパートをたくさん歌ってくれてありがたかったよね。

秋本 本当だよね。歌姫担当として歌唱面で本当にグループを引っ張っていってくれました。

──そしてその翌日にはチームしゃちほこ改めTEAM SHACHIとしての1stライブが開催されました。

秋本 というか、改名したの2018年だっけ? もうそんな前!?

大黒 もうチームしゃちほこ時代よりもTEAM SHACHIになってからのほうが長いんだよ。ちゆが卒業したライブのあとに改名するよっていう号外を配って、翌日に改名後一発目のライブをやるってすごいことだよね。

坂本 この2日間のことは本当に忘れられないよね。改名してからまた新しいファンの方もたくさんついてきてくれて、新しい始まりだった。

秋本 改名したことで生まれたご縁もたくさんあって、なんかもう振り返る暇もなかったね。たくさんタイアップのお話をいただいて追い風がビュンビュン吹いてたと思う。