志村玲於×飯島颯×柴崎楽
「“BLUE”とライブ」
絆を再確認し、深めていけるんじゃないかなって
──スパドラの最近の活動の中で、ファンの皆さんに「BLUE」というファンネームが付いたことは、1つ大きなトピックかと思います(参照:SUPER★DRAGON、6年目に決めたファンネームに託す思い「海のように空のようにどこまでも」)。
飯島颯 そうですよね。「今頃付けるのか!」って。
志村玲於 こんなに長く活動してるのにね(笑)。
──昨年の7月に発表されましたが、なぜこのタイミングでファンネームを作ることになったんですか?
玲於 意図はいろいろあるんですが、コロナ禍はやっぱり大きく関係していて、ファンの皆さんとのつながりをもっと大事にしたかったんです。皆さんと対面してライブをするのがアーティストとしての本来の形なのにそれができないとなったときに、どうすれば僕らとみんなとのつながりを保っていけるのかを考えて、ファンネームを作ろうと。少しでも絆が強くなればという思いがありました。
颯 今までファンネームを付けてこなかった理由もちゃんとあるから、それを変えることについて悩ましい気持ちもあったけど、今僕らを応援してくれているファンのみんなをもっとしっかりと大事にしていきたいなという思いが強まったんだよね。配信ライブばかりでなかなか会えず、不安な気持ちにさせてしまっていた部分もあると思うし、僕ら自身もファンの皆さんの声が聞けない状況が続く中で、ファンネームを発表することで僕らとみんなの絆を再確認し、深めていけるんじゃないかなって。そんな思いから「BLUE」という呼び名を作ったんですけど、今僕らこの呼び名をすごく気に入っていて、ライブをやるたびに「いい名前だな」と思います。
──BLUEというファンネームに決まった経緯も教えてもらえますか?
柴崎楽 僕らだけで決めるよりみんなで決めたいなと思って、ファンの皆さんから候補を集めて、その中から選ばせてもらいました。
玲於 もう、信じられない名前もいっぱいありましたよ! 「みんなボケに走っとるやん!」みたいな(笑)。
楽 軽く大喜利大会になってたよね(笑)。
颯 でも、案はすごくバラけてて、面白かったよね。
楽 で、皆さんが送ってくれた候補の中にBLUEがあったんです。スパドラの最初の衣装は青で、それ以降も青が僕らのイメージカラーのようになっていたし、ペンライトの色もブルーで統一していたから、いつも僕たちがステージから見ているのはきれいな青い景色で。青は僕たちにとってなくてはならないもの、“SUPER★DRAGONとBLUEは1つ”という思いから、ファンネームをBLUEにしようと。メンバーの意見は割れなかったよね。最終的にいくつか候補を挙げて「どれがいいかな」と選ぶとき、みんなそろって「BLUEがよくない?」となった感じでした。
玲於 “つながり”を感じる名前がいいっていう裏テーマがあったから、BLUEは“CREW”という言葉にかかっていたりもするんです。それもあってみんなの意見が一致したのかなと思います。
スパドラが手を抜くことはないですから!
──BLUEというファンネームが発表されたファンクラブツアーの前後になりますが、昨年には2つのワンマン公演もありました。ひさびさの有観客公演となった「NEO CYBER CITY」(2021年4月)とライブツアー「SIX DAY」(9月~12月)、どちらのライブもしっかりとストーリーのあるドラマ仕立ての内容だったのがとても印象的だったのですが、なぜあのようなコンセプティブなライブを作ることに?
颯 それもコロナ禍が影響していると思います。ファンのみんなが声を出せない分、観るだけでも充分に楽しめるライブ作りが必要になってくるんじゃないかなと。演技シーンを織り交ぜたストーリー性のあるライブは結成初期にやったことがあるけど、それ以降は全然やっていなかったし、ライブに先駆けてボイスドラマを公開するほど世界観を作るものは初めてだったよね。
玲於 そうだね。
──ストーリー仕立てのライブは、表現する側としては難しさがあるんでしょうか?
玲於 難しさは感じないですね。それまで何度も披露している曲でも、ストーリーに沿った表現にアレンジできたりするので……むしろストーリーがしっかりあったほうが形を作りやすく、やりやすい部分もあると思います。
──中でもツアー「SIX DAY」は物語の展開に沿って各公演のセットリストも変化していくという、とても挑戦的な内容でしたね。
楽 毎公演が最初で最後、1回1回違う内容を見せていくという、これまでにしたことのない挑戦でした。ツアーやライブをやるとなったとき、常に新しい表現を取り入れていくのがSUPER★DRAGONだけど、「SIX DAY」では毎公演に新しい挑戦があって。短い期間で全公演分の構成を作って、よくやったなあと思います(笑)。
玲於 ホントだよ!
楽 僕と玲於くんは、覚えることが多いとよく間違えちゃうんですよ……。
玲於 楽、それは言わなくていいよ?
颯 あはははは!
楽 でもミスはリハーサルに留めて、本番ではバッチリ決められるので! やっぱ僕らすごいなって(笑)。
玲於 それはもちろん、プロですから。しかも「SIX DAY」のツアー途中には「DRA FES」(毎年恒例の周年記念イベント)もあって、「DRA FES」もめちゃめちゃ作り込んでやったからね。もう少しライトな内容にすればいいものを……(笑)。
颯 それでいいんだよ。スパドラが手を抜くことはないですから!
玲於 あはは、間違いない。
メンバーが作った曲はいつも以上に“意思疎通”ができる
──このたび完成した4thアルバム、皆さんにとってはどんな作品になったという印象ですか?
玲於 毅が「名刺代わり」と表現したのは、確かにそうだなと僕も感じました。今まで僕らが作り上げてきたスパドラらしさを進化させて「これが僕たちですよ」と言えるような、そんなアルバムになったんじゃないかなと思います。
楽 “アップデートプログラム”と言いますか、バージョンアップした僕らを詰め込んだアルバムになったと思います。今までで一番メンバーが制作に関わっている分、パフォーマンス面でも気持ちが乗りますし……メンバーが作った曲はいつも以上に“意思疎通”ができるというか、表現しやすいんです。僕ら3人は歌やラップで思いを届けられるわけではないから、ライブに足を運んでもらえたら、パフォーマンスでしっかりと伝えたいなと思います。
颯 コロナ禍にあって思うようにいかない日々が続いても、メンバーはそのときどきにできることをして前へ進んできて、そんな中で生み出された曲たちが収録されているアルバムなんですよね。そういう意味でも、1つひとつの曲にメンバーの思いがすごくこもっていますし……アルバムタイトルは「前へ進む力」という意味なんですけど、本当に聴く人の背中を押せるような作品になったと思います。このアルバムでBLUEのみんなを勇気付けたいし、ライブでこの作品の曲をパフォーマンスすることによって、僕ら自身ももっともっと9人の推進力を大きくしていきたいなと思うんです。
──アルバムを引っさげて行われるツアー「SUPER★DRAGON LIVE TOUR 2022 -F2F-」も控えていますが、このツアーではどのような“前進”を見せてくれるのでしょうか。
玲於 毎公演進化を見せることは当たり前として……BLUEのみんながペンライトを振ることを忘れてしまうような、9人のスキルで“魅せるライブ”をしたいと思っています。演出で楽しませるというよりかは、逃げも隠れもしない僕ら自身の力でみんなを楽しませたい。今持てる力すべてでぶつかって、今後につなげていけるようなツアーにしたいですね。
颯 僕は前回のライブで演出や振り付けに携わったので、今回も積極的に制作に参加して、いいものを作っていけたらなと。あとはやっぱり、今回はこれまで行けなかった地域の公演でBLUEにパフォーマンスを観てもらえるのが本当にうれしいことなので、この貴重な機会に会場へ来てくれるBLUEのみんなに、しっかりと9人の思いを届けたいなという気持ちです。