SUPER★DRAGON「Downforce」特集| レースに勝つために 加速するスパドラのメジャー2nd完成

SUPER★DRAGONが9月11日にニューシングル「Downforce」をリリースした。

今年3月にシングル「New Rise」でメジャーデビューしたスパドラにとって、メジャー2枚目の作品となる今作。表題曲「Downforce」は、新たなフィールドを駆ける彼らの勢いをさらに加速させるような疾走感とパワーにあふれた楽曲に仕上がっている。

リリースに際し、音楽ナタリーではメンバー全員にインタビュー。「Downforce」に込めた今の9人の思いを聞いた。

取材・文 / 三橋あずみ撮影 / 須田卓馬

いろんなことがわかり始め、慣れてきたタイミング

──3月のメジャーデビューからおよそ半年が経過しました。そんなSUPER★DRAGONの近況について、まずは伺えたら(参照:SUPER★DRAGON「New Rise」インタビュー)。

柴崎楽 夏バテしてます……!

ジャン海渡 ガチの近況やん(笑)。そうですね、徐々に変化した環境や制作の体制に慣れてきたなと思うと同時に、半年経ったからこそ、改善点も見えてくる頃なのかなと思ってます。

池田彪馬 うん。

ジャン 何より、これは「New Rise」のインタビューのときにも言ったかもしれないけど、関わってくれる人が増えたことで“考える脳”が増えて、自分たちじゃ考えが及ばないような部分についても意見をもらえるようになったんです。今回のシングルも、僕らメンバーのアイデアと事務所のスタッフのアイデア、レーベルのスタッフのアイデアがぶつかり合って、いい意味で混ざり合うことで完成したなと感じています。ちょうどいろんなことがわかり始め、慣れてきたタイミングかもしれないですね。

ジャン海渡

ジャン海渡

──目に見える形で変わったこと、外には表れない形で変わったこと、それぞれあるのでしょうか。

志村玲於 目に見える変化で言うと、僕らが力を注ぎたいものに対して全力で支援していただけるようになったことは大きいなと思います。ミュージックビデオとかもそうなんですけど、自分たちがやりたい表現をより大きなスケールでサポートしてもらえるようになった実感があって。やれることの幅も、確実に広がっているんですよね。

古川毅 目に見えない変化に関しては、現状というよりかは未来を想定してのことなんですけど……これからを考えたときに、よりいろんな可能性が広がっているんじゃないかなって。僕らとしては、アニメのタイアップだったりとか、今後そういったところも視野に入れていきたいなと思っています。自分たちの音楽を高い純度のままタイアップとして機能させる力はあるのかなって、そんな自負はなんとなくあるんですよ。そういうチャンスに出会えるタイミングは、メジャーレーベルにいることによってより多くなるのかなと。アニメにもいろんなタイプがあると思うんですけど、自分たちの武器であるアグレッシブな楽曲をタイアップで使っていただける機会があったらうれしいなとか。そういう思いはありますね。

古川毅

古川毅

僕らがやろうとしていることが“MIXTURE”に通ずる

──7月には、ツアー「SUPER★DRAGON LIVE TOUR 2024『MIXTURE』」が完結しました。メジャーデビュー以降初のツアーということで特別な思いもあったかと思いますが、このツアーに関してはいかがでしたか?(参照:SUPER★DRAGON、9人の個性と強い結び付きで見せた「MIXTURE」というアイデンティティ

松村和哉 具体的に何をやると決まっていない段階から「1人ひとりにフォーカスしたいよね」という意見をメンバーの何人かが出してくれていたんですが、実際その構想がちゃんと実現したかなと。SUPER★DRAGONのショーであることは崩さずに、ちゃんと1人ひとりがスポットライトを浴びれたと思います。自分たちが今できること、メジャー1発目のツアーでやるべきことは果たせたかな。

松村和哉

松村和哉

──「MIXTURE」というのはSUPER★DRAGONが活動最初期からグループのアイデンティティとして掲げてきた特別な言葉かと思います。その言葉を今回のツアータイトルに掲げた、そこにあった思いとはどんなものだったのでしょう。

ジャン もちろん音楽性がミクスチャーだという部分もあるけれど、それ以前に僕らがやろうとしていること自体、“MIXTURE”に通ずるものがあって。メンバーそれぞれの見せ方やいろんな組み合わせをもって、変幻自在な表現をしていくことがSUPER★DRAGONのミクスチャーなのかなという思いがありました。その思いが今回のツアーですごく結実したような手応えもあったし、もうすぐ10年目に突入していく中で、僕らがずっと掲げてきた“MIXTURE”を今後も大事にするべきだなということも実感しましたね。

──メンバーそれぞれの個性やスキルがあらゆる場所で発揮され、それが掛け合わさることでさらに表現の可能性が広がっていく、というシーンが見どころになっていましたが、特に心に残っている場面はありますか?

田中洸希 玲於くんがダンスで俺のビートボックスに全力で対応してくれたことですね。

志村 びっくりしましたよ、本当に。ツアーが進むごとに、どんどん長くなっていくんだもん(笑)。

──2人のセッションは完全にアドリブだったんですか?

志村 完全アドリブです。

田中 最初はどういう感じでやるのがいいのかお互いに探りつつではあったんですけど、徐々にそれも崩れていって。「玲於くんならこれくらい遊んでいいっしょ」と思いながらビートを崩したりしたらすごい盛り上がっちゃって、最終的にはもう、わけわかんなくなってましたけど(笑)。でもすごく楽しかったです。

志村 お互いフラッフラになりながらね。というか俺、その直後に「SAWAGE!!!!」(ダンサーメンバーによるパーティチューン)なんよ。

田中 あはは、過酷なセトリでした(笑)。

志村玲於

志村玲於

田中洸希

田中洸希

SUPER★DRAGONのメンバーは多彩で適材適所

──「-Tweedia-」では壮吾さんのピアノ演奏もひさびさに聴くことができました。

ジャン 演奏、めちゃくちゃよかったよね。

伊藤壮吾 僕って基本緊張しないんですけど、ピアノは緊張しちゃいますね(笑)。特に最終公演は「悔いなく終えたい」という気持ちがあって、かなり緊張しました。ライブが始まってからピアノを弾くタイミングまでは、袖にいるときも頭の中でずっとイメトレをしていましたね。

伊藤壮吾

伊藤壮吾

古川 めちゃくちゃ覚えてることがあるんですけど、最後のほうの公演だったかな。袖にいるときにふと壮吾のほうを見たら、地べたに座って椅子の座面に突っ伏してるんですよ。「何してんの!?」と思ったら、突っ伏したまま“エア鍵盤”で確認してて「マジかよ」と。そこで集中力と彼が背負ってるものの大きさを感じて……それはすごく印象的でしたね。

志村 あと、楽の「Remedy For Love」のパフォーマンスもよかった。あのコンテンポラリー的な雰囲気は、楽のダンスの特徴なのかなと思いますね。

松村 踊ってる途中で靴が脱げたのもよかったっすね。

柴崎 最終公演ね。僕的には悔しかったです。あー脱げちゃった……みたいな。

志村 シンデレラみたいだよな。

柴崎 最後の最後にちょっと悔しい思いをしましたけど、こうしてみんながすごく褒めてくれるので満足です。僕は「Monster!」前の、すべてに音ハメしていく颯くんのダンスが好きでした。

柴崎楽

柴崎楽

松村 ああ! それも楽しかった。

飯島颯 あれね。僕のダンスから一気に、終盤の畳みかけるパートに突入していく流れだったから。「ここは決めていかないとな」と思いながら踊っていましたね。

──ツアーで披露された新曲「Legend」も存在感がありましたね。彪馬さんがプロデュースした曲だとのことですが、この曲はどんな思いで作ったんですか?

池田 「ライブ用に強い曲が欲しいね」というところから始まったんですけど、具体的にジャンルを指定するというよりは、ビートのアプローチとか全体的な展開の構想が最初にあって、それを元に制作をお願いした曲でした。イントロはブラスが鳴っていて、速いテンポで入ってドロップでハーフビートになる、みたいな。そういうイメージが自分の中にあったんです。

飯島颯

飯島颯

池田彪馬

池田彪馬

──そうだったんですね。実際ステージで披露してみていかがでしたか?

池田 SUPER★DRAGONの楽曲ジャンルは幅広いですけど、今までにない、また違ったパワーがある。腹の底からパワーを出すような感じ。それを9人の力加減がバッチリとそろったうえで披露できているのを感じたし、BLUE(SUPER★DRAGONファンの呼称)の皆さんもその熱量に応えるかのように反応してくれたので。今後どういう使い方をしていけるのかが楽しみですね。

──では今回のツアーを通して、SUPER★DRAGONが得たものを言葉にするなら?

松村 SUPER★DRAGONのメンバーは多彩で、それぞれにいろんなことができる人たちの集まりなんですよね。適材適所でメンバーに見せ場を任せられるなということを実感しましたし、メジャーデビューしてから初めてのツアーだったので、これからのライブをどうやって作っていくのがいいか、改めて考える機会にもなりました。