真っ白なキャンバス インタビュー|「ここがみんなの居場所」一心不乱に駆け抜けた2021年を振り返る (2/3)

5人時代は大変な思い出ばかり

──白キャンの2021年は成長と変化のあった年だったと思いますが、1年を振り返ってみていかがですか?

小野寺 11月に結成4周年ライブがあったのでそのタイミングでこれまでを振り返ったんですけど、5人時代って大変な思い出ばかりなんですよ(笑)。

──2020年6月に麦田さんと鈴木さんが卒業し、入れ違いで浜辺さんが加入。今年の7月まで小野寺さん、三浦さん、西野さん、橋本さん、浜辺さんの5人で活動していましたね。

小野寺 はい。私の中では2人が辞めたことの精神的な影響が大きかったし、正直5人の白キャンに対する不安もありました。既存曲の歌割りやフォーメーションをとにかく直して直してって感じでやってましたね。そんな中、今年の2月に1stアルバム「共創」をリリースして。新曲が一気に7曲増えたのはうれしかったんですけど、さらに覚えなきゃいけないことが増えたという思いもあったんです。

橋本 振りの直しは自分たちで考えることが多かったよね。あと一時期、自分たちで対バンのセトリを考えていて、それもわりと大変でした。

小野寺 とにかくいっぱいがんばったなという記憶があります。あと、去年からコロナ禍になったこともやっぱり大きいですね。自分はライブでファンの人と声を出して盛り上がるのが好きなので、大変なことが増えたのに対して楽しいことが少なくなっちゃったなと感じたのかもしれないです。

──今までは大変なことがあってもライブで気持ちを解放できたけど、それがなかなかできない難しさがあったわけですね。

小野寺 そうですね。それが私の幸せだったから、つらいと感じることが多かったのかも。

橋本 コロナの影響もあって、環境がガラッと変わっちゃって。ファンの人たちも移り変わっていくし、何が正解かわからないという場面が多かったと思います。

橋本美桜

橋本美桜

西野 私としては、前は遠征に行くとその土地のおいしいごはん屋さんに行くのが楽しみだったんです。でもコロナ禍になって、ライブが終わったあとにテイクアウトのごはんやコンビニのお弁当をホテルで食べるのが寂しくて……。

──急にごはんの話になりましたね(笑)。

小野寺 千明、食いしん坊キャラなんです(笑)。

西野 はい。名物のごはん屋さんに行けなくなったのがとにかく寂しいです。早くおいしいごはんをたくさん食べられる世界になってほしいです。

──(笑)。ごはん以外で今年印象深かったことは?

三浦 うーん、私はホントにこの1年の記憶がないんですよ。「自分、この1年間生きてたのかな?」と思うくらいめちゃめちゃ一瞬でした。

──3月から5月にかけては全国ツアー「それでも強く、ただ真っ直ぐに」が開催されましたね。

三浦 そう、全国ツアーやりました。あと、夏頃に5日間連続ライブもやりました。そういう出来事は覚えてるんですが、日常をホントに思い出せない。怖いです。

三浦菜々子

三浦菜々子

──7月の5日間連続ライブ「Be the IDOL」は、日替わりで内容の違うライブをやるという企画でした。

三浦 初めてユニットに分かれてパフォーマンスしたり、ノンストップライブをやったりしました。

小野寺 生バンドライブもやって。いろいろと難しいこともあったけど、すごく好評だったよね。

橋本 衣装も含めてカッコよかったという声をファンの方からいただきました。自分的には最終日に生誕祭があって、それがなかなか大変でした(笑)。

小野寺 私は5日間で3キロ痩せました(笑)。大変すぎて全然食べられなくて。

浜辺 え。ゆりな、逆に太りました。疲れて夜中にピザ食べちゃったりして(笑)。でも、5日間の最後にメンバー再加入の発表があって、そのときは早くファンの方に言いたくてそわそわしてました。

真っ白なキャンバス

真っ白なキャンバス

白キャンがみんなの居場所

──麦田さんと鈴木さんの再加入には驚きました。卒業したグループに復帰するというのはなかなか珍しい事例だと思いますが、お二人はどのような経緯で白キャンに戻られたんですか?

鈴木 私はアイドルを辞めたあと、普通に学校に行ってたんです。でもしばらくして、またアイドルをやりたい気持ちが出てきました。ひかると何回か会う機会があって、お互いに「またやりたいね」という話をしていて。そのときにちょうど白キャンがオーディションを開催していたので、自ら応募したんです。プロデューサーの青木(勇斗)さんと話して、「もう1回がんばろう」と決意しました。

麦田 私も同じです。卒業して時間が経ったら、「もう1回やりたい」っていう気持ちになったんです。

小野寺 ひかるは、白キャンの結成3周年ライブを観に来てくれていたんです。その頃、私はひかると一緒に住んでいたんですけど、ひかるにアイドルをまたやってほしいという思いがあったんです。もちろん白キャンに戻ってきてほしいという思いがありつつ、普通はありえないことなので、SNSでアイドルのオーディションの情報を見つけるたびに「ひかる、どう?」と勧めていました(笑)。

麦田 そういうこともあって、「またアイドルをやりたい」と思い始めて。そしたら、えまも同じ気持ちだったのでオーディションに応募したんです。白キャンに戻れるのはすごくありがたいことですが、「戻ってもいいのかな? ファンの皆さんはどう思うのかな?」といろいろ不安もありました。

──迎え入れる5人はどういう気持ちだったんでしょうか。

小野寺 素直にうれしかったです。以前、どこかの取材で「辞めた子たちが戻ってきたいと思えるくらいグループを大きくしたい」と言ったことがあるんですが、ホントに戻ってきてくれてうれしいですね。

浜辺 急にプロデューサーさんから2人が再加入するって知らされたんですよ。びっくりしましたが、みんなすぐに賛成って感じでした。私は6人時代の白キャンを外から見ていたので、その中に自分がいるような不思議な気分になりました。

浜辺ゆりな

浜辺ゆりな

──7人のステージを観ると、やっぱり迫力が増したなと思います。ステージに立つ側の皆さんとしては、7人になった白キャンのパフォーマンスについてどのように感じていますか?

西野 迫力が出たのは私もすごく感じています。ただ、人数が増えれば悪目立ちするところも出てくるんです。今、それを調整中ですね。6人のときよりも5人のときよりも、もっともっとがんばって、パフォーマンスをどんどんよくしていきたいです。

三浦 いろんな方から「7人になって迫力が出たね」と言ってもらえてありがたいです。ただ、パフォーマンス自体について褒められることがまだあまりなくて。それが悔しいので、今後は「7人になってここがよくなったね」ともっと具体的に褒められるようになりたいです。

──現在のメンバー構成を生かしたステージングを見せたいと。

三浦 そうです。6人のときも5人のときも、ファンの皆さんは「最高!」と言ってくれていて。今はそれぞれの体制のときの“最高”が合体した形じゃないですか。6人や5人のときの白キャンを好きだった人たちもみんな納得させられるような、今まで以上のステージを見せたいです。

真っ白なキャンバス

真っ白なキャンバス

小野寺 白キャンはメッセージ性が強い楽曲を歌うグループなので、この2人が戻ってきたことも含めて、私たちなりのメッセージを伝えられるようになりたいという思いがあります。私たちはプロデューサーの青木さんが立ち上げたAtelier IBASHOという新しい組織、プロジェクトに所属してるんです。その名前の通り、白キャンが自分たちにとっても、ファンの人にとっても居場所なんです。2人もいろんな葛藤を乗り越えて、この居場所に戻ってきてくれた。みんなが「ここが居場所だ」と思えるように、白キャンをどんどんよくしていきたいです。