「あなたと一緒に、大きな夢を描いていきたい。この真っ白なキャンバスに。」というキャッチコピーを掲げて活動しているアイドルグループ・真っ白なキャンバス。昨年春にキングレコードからメジャーデビューし、順調に階段を登ってきている彼女たちだが、2021年は変化の多い年でもあった。中でも昨年6月に卒業した鈴木えま、麦田ひかるが約1年の離脱期間を経てグループに再加入し、7人体制になったことはファンにとっても驚きの出来事だった(参照:真っ白なキャンバスに元メンバーの鈴木えま、麦田ひかるが再加入)。
この特集では白キャンのメンバー全員へのインタビューを実施。11月に配信リリースされたライブの人気曲「ポイポイパッ」や、結成4周年ライブに合わせて制作されたナンバー「わたしとばけもの」といった最新曲の話を聞きつつ、2021年を振り返ってもらった。
取材・文 / 土屋恵介撮影 / 堀内彩香
真っ白なキャンバスに珍しい“ザ・アイドル”曲
──11月に配信リリースされた新曲「ポイポイパッ」は、かなり弾けた印象の1曲です。
西野千明 白キャンはアイドルっぽくない楽曲がけっこう多いんですけど、「ポイポイパッ」は私たちには珍しい“ザ・アイドル”な曲なんです。ライブではその日の気分によって歌い方を変えたり、お客さんを煽ったり、いろいろできて楽しいです。
小野寺梓 私はアイドルアイドルした曲が欲しかったので、この曲をいただけてうれしかったです。ライブでやるときは、笑顔ですごいぶりっ子して歌ってます(笑)。
浜辺ゆりな 踊りやすい曲なので、ライブでお客さんが一緒に踊ってくれるのがうれしいですね。
橋本美桜 ミュージックビデオの話をすると、ホントは東京で撮る予定だったんですが雨になってしまい、急遽新潟に行って撮影したんです。そしたらめちゃくちゃ晴れたうえ、めちゃくちゃ暑くて。ただ風が強くて、西野千明ちゃんのソロシーンがめっちゃ“風吹く女”でヤバいです。
西野 ほかのみんなは全然普通の髪型なんですけど、私だけ風でデコ丸出しなんです(笑)。
浜辺 すごく体力を使うダンスなのに、撮影のときに20~30回くらい踊ったんですよ。疲れすぎて、最後のほうは逆にみんなテンションが高くなっちゃってました。
橋本 みんなでコサックダンスみたいなのをし始めて、「絶対こんなの使われないやん」って言ってたら使われてました(笑)。
西野 あと、スタッフさんがわざと違和感を出したかったみたいで、なぜか海で黒いメイド服姿で踊りました。
橋本 ファンのみんなは気付いてないと思いますが、実は黒いワンピースの衣装もエプロンを付けてないメイド服なんですよ(笑)。
三浦菜々子 今まではほとんど東京のスタジオでしかMVを撮ったことなかったので、新潟のきれいな場所で撮影できて楽しかったです。新潟出身のファンの方にも「あの場所知ってる!」って喜んでいただけました。
麦田ひかる このMV撮影のとき、私とえまはまだグループにいなかったんですよ。映像を観たらみんなすごく元気いっぱいで、もし私もその場にいたらメンバーのテンションについていくのが大変だったろうなと思いました(笑)。
鈴木えま 「ポイポイパッ」はとにかく踊っていて楽しい曲で。自分もこの曲の振りが好きなので、レッスンでやる前からひかると2人で覚えて、勝手に踊ってました。
梓のえくぼが一番かわいい
──11月の結成4周年ワンマンライブに合わせてMVが公開された楽曲「わたしとばけもの」の話も聞かせてください。この曲は疾走感あふれるナンバーで、歌詞を通して心の中の葛藤が表現されています。
小野寺 歌詞がかなり重いんです。マイナスな気持ち、葛藤する気持ちもあるけど、前を向いていこうという内容で。それを歌で表現するのが難しかったですね。レコーディングで感情を歌に乗せることがうまくできなくて、泣きながら録りました。
浜辺 私は、もともと声質が高めで歌が明るくなっちゃう人なんです。なのでレコーディングのときは、この曲に合うような歌声を出せるようにがんばりました。
小野寺 千明がアドバイスしてたよね。
西野 「すべて感情に任せろ」と伝えました。
浜辺 千明がそう言ってくれたおかげでなんとか歌えました。
西野 逆に私は普段よりやりやすかったです。とにかくこの曲は感情を出すことがすべてだと思っていて。もともとこういうタイプの曲が好きだし、世界観に入り込みやすかったですね。個人的には白キャンの曲の中で、歌い方、歌詞、ダンス、MV全部含めて一番好きな曲です。
三浦 白キャンって、いつも新曲を公開すると賛否両論あって、ライブで披露していくうちに好きになってくれる人が増えていくんです。でも、「わたしとばけもの」は最初から肯定的な意見が多かったんですよ。葛藤というテーマは共感を生みやすいのかなと思いましたし、よりたくさんの人に届いていったらいいな。
鈴木 私は、最後のサビを急にみんなで一斉に歌うところが印象的です。
小野寺 白キャンって、ほかのアイドルさんに比べると全然ユニゾンがないんです。サビをソロで歌うことが多いから、最後にみんなそろって歌うのは新鮮だし、迫力がありますね。
麦田 自分も最後の全員で歌うところが好きです。今の7人体制で初めての音源とMVなので、この曲が完成したこと自体がすごくうれしいです。
──MVではダンサーの方が全身で葛藤を表現していて、インパクトがありますね。
三浦 最初に“ばけもの”を表現するダンサーさんのシリアスな葛藤シーンを撮って、そのあとメンバーが3組に分かれて撮影に行ったんです。そっちははっちゃけたシーンばかりだったので、どんなMVになるのかずっとわからなかったんですよ。完成した映像を観たら、すごい仕上がりでした。千明ちゃんはYouTubeでMVを観まくって、再生回数に貢献してるそうです(笑)。
西野 メンバーがダンサーさんに「大丈夫だよ」と絡んでるシーンを観ると、いつも「うおー!」って鳥肌が立ちます。あと、最後のほうにダンサーさんが窓から飛び降りようとするところを梓が引っ張って止めるシーンがあるんです。そのときの梓のえくぼがめっちゃかわいくて何度も観ちゃいます。
小野寺 (笑)。私がドレスとかで着飾っていても、千明はいつも「一番かわいいのはえくぼ」って言うんです。
橋本 でも、私もそこが一番かわいいと思った。
浜辺 私も。
小野寺 そうなんだ(笑)。別にかわいくしたつもりなかった。
橋本 素の梓って感じがしてすごくよかった。
西野 梓のえくぼがかわいいんで、ぜひ観ていただきたいです(笑)。
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5人時代は大変な思い出ばかり