SHE'Sのメジャーデビューシングルタイトル曲「Morning Glow」のミュージックビデオは、5月2日に撮影された。撮影隊は夜が明ける直前に、最初の撮影地である草原に到着。まずはシングルのジャケットにも登場しているモデルの山本奈衣瑠が、草原をさまようシーンから撮影された。撮影開始時の気温は12℃。山本は「思ってたより寒いですね！」と驚きつつ、朝露で足元を濡らしながら草原を歩き続けた。

続いての撮影は市街地にほど近い古びたビルで行われた。ここでSHE'Sのメンバーも加わり、山本や今回のMVを手がける映像ディレクター・渡邉直と挨拶を交わす。広瀬と木村は早朝の撮影に備えて前日は早く寝ようとしたものの、広瀬曰く「そんなに早く寝られへんから、疲れることしようと」と、バッティングセンターやボウリング場に行っていたとのこと。「筋肉痛が怖いな……（笑）」と苦笑いしつつ、ソロでの演奏シーンの撮影に臨んでいた。

同じビル内で撮影されたのは、4人が車で旅をする途中に通りがかった建物で演奏し、歌を歌うシーン。小道具として用意された小さなボードゲームに4人は興味津々で、渡邉からルールを教わると撮影の準備中にゲームを楽しんでいた。一方、このシーンの設定に井上は「俺らベッドタウン育ちだから、こういう不良っぽいシチュエーションとか慣れてへん」とこぼすが、広瀬がすかさず「大丈夫、尼崎出身者おるから」と手を挙げ、メンバーとスタッフを笑わせていた。

撮影も後半へ。次の撮影場所に向かうには車も通れないような荒れ地を15分近くかけて進むほかなく、スタッフだけでなくメンバーも総出で撮影用の機材や楽器の運搬に励んだ。午後に入り、陽が徐々に傾き始め、カメラを回す直前まで渡邊とカメラスタッフたちは光の具合や画角についてギリギリの調整を続ける。その横で山本が小型のビデオカメラを片手に、メンバー4人へのインタビューごっこを開始。街頭インタビューさながらに「今日はどちらから来たんですか？」「どんなお仕事をされてるんですか？」と山本が繰り出す“あるある”な質問と、それに対するメンバーの答えに何度も笑い声が起こった。

続いては海辺での演奏シーンを撮影するため、先ほどの撮影場所からさらに10分ほどかけて移動する。砂浜で重い機材や楽器を運搬する重労働に、スタッフもメンバーもさすがに疲労困憊気味。しかしそんな彼らをねぎらうように曇りがちだった空に美しい夕日が顔を覗かせ、幻想的な光景が広がった。

その後、山本が夕日の中を歩くシーンを撮って彼女の出番は終了。メンバー4人は深夜から撮影に参加した山本に感謝の言葉を送り、山本も「仕上がりが楽しみです！」と笑顔を見せた。次に撮影されたのはメンバーが車で夜の道を走る場面。「じゃあ、誰が運転しようか？」とスタッフから尋ねられると井上、広瀬、木村が真っ先に車に乗り込み、残った服部が「俺かよ！（笑）」と愚痴りつつ運転席へと向かう。撮影用に用意された古いタイプの車で、街灯もない真っ暗な道を運転するという緊張の場面だが、服部は危なげなく運転をこなしていた。

深夜に入っても撮影は続き、夜の屋外での4人揃っての演奏シーン、ライトを手にした4人が夜道を駆け抜ける場面へ移る。4人は疲れも見せず、アグレッシブなパフォーマンスと全力でのダッシュを繰り返した。そしてメンバーが車内で見せる表情を1人ずつ撮り、撮影は無事終了。深夜24:00にオールアップを迎えた。撮影を終えた井上は「朝から深夜までで疲れましたが、いろんなところでいろんなシーンを撮れたのもよかったですし、何より曲で伝えていない部分を映像で補完してくれたような、もう1つの側面のメッセージを映像に落とし込めそうな気がします」と、タイトなスケジュールながらも充実した1日を振り返った。