03.never gonna changeby SawanoHiroyuki[nZk]:スキマスイッチ

──では3曲目。スキマスイッチをフィーチャーした「never gonna change」です。澤野さんは過去にスキマスイッチの「Ah Yeah!!」をリアレンジされたことがありましたね。

はい。その後ライブもご一緒できたので、いつか[nZk]プロジェクトに参加していただければという思いがあったのでお願いしました。大橋（卓弥）さんのボーカルはもちろん、常田（真太郎）さんのピアノもフィーチャーさせていただくことにして。

──大橋さんのボーカルには、これまで聴いたことがない表情を感じました。

「Ah Yeah!!」のときに間奏でやってもらったシャウトがものすごく印象に残っていたので、この曲ではそれを全面に出してもらった感じで。結果、そのおかげでめっちゃカッコいい仕上がりになりました。常田さんは「これ、スキマスイッチでやったことないテイストだから悔しいな」とか冗談半分で言ってました（笑）。普段の大橋さんとは違ったアプローチによって楽曲をよりアグレッシブにしていただけたので、スキマスイッチのファンの方にも楽しんでいただけたらなって思います。

──アウトロでは常田さんのピアノががっつりフィーチャーされています。

もともとはカットアウトで曲が終わる予定だったんですけど、もう少し常田さんのピアノをフィーチャーしたいなと思って。急遽、アウトロでソロを弾いてもらったんですよ。曲自体のいい余韻にもなったし、次の「narrative」にもいい形でつながる感じになったと思いますね。

04.narrativeby SawanoHiroyuki[nZk]:LiSA

──続く「narrative」はLiSAさんが参加したシングル曲ですが、改めて感じることはありますか？

アルバムの中で最初に出てくる女性ボーカルの曲なのでインパクトはありますよね。[nZk]プロジェクトの曲としても、「機動戦士ガンダムNT」の主題歌としても、LiSAさんの歌声をフィーチャーできたことは自分にとって本当に正解だったなって改めて思います。曲に対していいアプローチをしてもらえましたから。3月に開催するライブ（東京・チームスマイル・豊洲PITで3月6、7日に行われる「SawanoHiroyuki[nZk] LIVE "R∃/MEMBER"」）にも参加していただけることになったので共演するのが楽しみです。

05.i-mageby SawanoHiroyuki[nZk]:Aimer

──5曲目「i-mage」は、これまでもコラボ経験のあるAimerさんがボーカルを担当されています。

今回はキャリアを重ねて、よりボーカリストとしての存在感が確立された感のあるAimerさんとコラボさせていただいた感覚が僕の中にはありました。これまではちょっと切ないバラードを歌ってもらうことが多かったんですけど、今回はサビで前向き感が出る曲調になっているので、そういう部分でも今のタイミングで歌っていただく意味はあったのかなと思います。

──曲に対して何か感想はおっしゃってました？

この曲の歌詞に“陽射しと雨”ってフレーズがあるんですけど、この曲をレコーディングしてたタイミングのAimerさんのライブタイトルがホントに偶然「太陽と雨」だったんですよ。これまでにもAimerさんとはそういったことがあったので、「澤野さんとはこういう偶然がけっこうありますね。今回も起こりましたね」みたいなことは言われました。曲の感想じゃないですけどね（笑）。

06.NOISEofRAINby SawanoHiroyuki[nZk]:Takanori Nishikawa

──シングル曲「NOISEofRAIN」では西川貴教さんをフィーチャーされました。改めて聴くとパワフルな曲だなと。

パンチありますよね。西川さんの声もそうですし、サウンド面でもけっこう重めなロックなので。アルバムの中ではSUGIZOさんの「Glory‐into the RM‐」と共に強めのロック色を担ってると思います。

──西川さんもライブでの共演が決まっています。

そうなんですよ。西川さんの場合、楽曲提供させていただいた2曲（「His/Story」「Roll The Dice」）もあるので、この「NOISEofRAIN」と共に、どんな演出で見せていこうかみたいな話はいろいろさせてもらってます。楽しみです。

07.Binary Starby SawanoHiroyuki[nZk]:Uru

──「Binary Star」もシングル曲でした。この曲に参加したUruさんの歌声にも斬新な印象があります。

Uruさんは普段はそこまで強く歌うことがないそうなんですけど、この曲のサビではわりと強めに歌っていただきましたからね。そういう部分で、普段のUruさんとは違ったアプローチを楽しんでいただける曲になったと思います。今回、完全英詞なのはこの曲と「Cage」、あとはイントロダクションの「Glory‐into the RM‐」だけなので、全体の中でのアクセントにもなってるかなと。英詞の持っているグルーヴもやっぱり好きです。

08.ME & CREED ＜nZkv＞by SawanoHiroyuki[nZk]:さユり

──「ME & CREED＜nZkv＞」はテレビアニメ「青の祓魔師」のサントラに収録されていた楽曲のリアレンジバージョンです。ボーカルにはさユりさんがフィーチャーされています。

「青エク」のゲームアプリ主題歌のお話をいただけたので、「ME & CREED」を[nZk]プロジェクトに絡めて改めて作ってみようと。その際、原曲とは違ったアプローチができるボーカリストということで、以前からその独特な声に興味を持っていたさユりさんにお願いしてみました。

──これまで[nZk]に参加された女性ボーカリストとは違ったベクトルの強さやはかなさを持った方ですよね。

そうですね。今回、特にAメロの歌の感じがすごくよかったんです。詞は僕が書いたものですけど、それを歌ってもらった瞬間、彼女に書いてもらったような世界観になるんですよ。そこは、あの独特な歌声が持っている強みだなと思いましたね。サビに関しても、高音がグッと効いてくる独特の強さを持った歌声によって、楽曲のコントラストが強まったところもあって。新しい「ME & CREED」ができてよかったです。

──原曲は英詞でしたけど、それを日本語にしたのはどうしてだったんですか？

[nZk]バージョンとして、より違いを出すのであれば日本語に替えたほうが意味があるんじゃないかなと思ったんです。その分、アレンジにはそこまで手を加えていないんですよ。もともとのアレンジが気に入っていたので、それは残しつつ、低音をより効かせるとか、ミックス面で新しさは出していますけどね。