SawanoHiroyuki[nZk]「R∃/MEMBER」 PR

SawanoHiroyuki[nZk]|多彩なアーティストとのコラボが切り拓く[nZk]の新たな扉

劇伴作家・澤野弘之によるボーカルプロジェクトSawanoHiroyuki[nZk]の3枚目のアルバム「R∃/MEMBER」が3月6日にリリースされた。

前作「2V-ALK」から約1年半ぶりに届けられる本作には、西川貴教やLiSA、SUGIZO(LUNA SEA、X JAPAN)、岡野昭仁(ポルノグラフィティ)、スキマスイッチ、さユり、ASCA、Aimer、Uruといった多彩なアーティストが参加。[nZk]プロジェクトの新たな可能性を提示する楽曲群が目白押しとなっている。また、これまで共演してきたmizuki(UNIDOTS)、Yosh(Survive Said The Prophet)、Gemie、Tielle、naNamiというおなじみのメンバーが一堂に会するアンセム的なナンバー「REMEMBER」も収録され、約5年にわたる活動の集大成的な意味合いも感じさせる仕上がりだ。

音楽ナタリーでは澤野にインタビューを実施。全曲解説で超濃厚なアルバムの全貌を紐解いていく。

取材・文 / もりひでゆき 撮影 / 西槇太一

やっぱり自分に素直に作ったほうがいい

澤野弘之

──今回のアルバムには多彩なアーティストが参加されていますね。

今回は言ってしまえばコラボアルバムなんですけど、そういった作品を作ろうと思えたのは「o1」と「2V-ALK」という2枚のアルバムを、信頼したメンバーと一緒に作れて、自分の思う通りの作品に仕上げられたからこそなんですよ。だから、スタッフから「次はコラボをたくさんやるのはどうですか?」という提案があったときにも、すんなり「面白そうですね」と言えたというか。実際にやってみると、これまでとはまたちょっと違ったやりがいや達成感があったのが面白かったですね。

──SawanoHiroyuki[nZk]としていろんな刺激をもらえましたか?

うん、それはもちろんありました。アーティストとしての存在感をしっかり確立されている方々の歌やプレイが乗ることで、自分の曲の見え方が個人的にも、客観的にもだいぶ変わるなという印象はあって。いつものメンバーに歌ってもらうのとは違うアプローチを感じられたんですよね。

──曲作りや制作スタイルに関して何か新しい試みをしたことはありましたか?

曲作りはいつも通り、まったく変わらない感じでした。自分で作りたいものをバッと作って、そのあとに歌ってもらう方を考えていくっていう。あ、でもこのアルバムを作るにあたって、ちょっとだけ悩んだところがあったんですよ。僕はこれまで海外の音楽に影響を受けたポップやロック、オルタナティブサウンドを追及してきたところがあったんですけど、もうちょっと歌謡曲寄りの曲を作ったほうがいいんじゃないかなと。要は、自分の音楽をどうすればより知ってもらうことができるんだろうと考えたからなんですけどね。

──澤野さんの音楽はよく洋楽っぽいと言われますけど、そこにはこれまでもJ-POPや歌謡曲のエッセンスが絶妙な塩梅で入っていたような気がします。

僕は歌謡曲が好きだし、少なからずそういう要素があったとは思うんですよ。でも今回はそこをもうちょっと強く意識した曲を作ってみてもいいのかなって。

──ただ、本作を聴かせていただくと……。

いつも通りですよね(笑)。無理してそういったサウンドにするよりも、やっぱり自分がカッコいいと思うサウンド、影響を受けたサウンドを素直に作っていきたいなと改めて思ったんです。だから迷ったのはホントに一瞬でした(笑)。

──歌詞に関してはどうですか? 今回は日本語詞が多い印象ですけど。

澤野弘之

そこは唯一気持ちを変えて臨んだところかもしれないです。[nZk]のコンセプトって、いろんなボーカリストをフィーチャーした曲を作ることに加えて、自分が日本語詞を書くことが大事なんですよ。サントラとの違いという意味では。だから今回はそういう根本に戻ろうと。せっかく個性の強いアーティストの方々に参加してもらえるんだから、ひさびさに日本語詞を多く書いてみようという意識は強かったですね。

──それによって曲に込められたメッセージが今まで以上に聴き手に強く響いてくるところもありますよね。

そこに関しては、まあいつもと変わらない感じではあるんですけどね。言葉や表現を変えてはいるけど言いたいことはどの曲でも基本的には変わらない、メッセージを伝えたいという思いもあんまりないというコンセプトはいつもと同じ(笑)。ただ、歌詞の内容がいつもよりダイレクトに届いているのだとしたら、自分の中の言いたいことがいつもよりちょっとだけ強く出ているのかもしれないし、あとは何よりボーカリストの方々の力で曲の魅力を引き出していただいたところが大きいんだろうなとは思いますね。

「R∃/MEMBER」全曲解説

01.Glory-into the RM-by SawanoHiroyuki[nZk]:SUGIZO

──では、ここからはこの濃密なアルバムを全曲解説していただこうかなと。まず1曲目の「Glory-into the RM-」は、SUGIZO(LUNA SEA、X JAPAN)さんがエレクトリックバイオリンで参加されています。

澤野弘之

SUGIZOさんとは一昨年のユニコーンガンダム立像セレモニーでご一緒させていただいた縁があって(参照:澤野弘之&SUGIZO、実物大ユニコーンガンダムの下で初共演)。SUGIZOさんの弾くエレキバイオリンは音色も、エフェクトのかけ方も、プレイ自体もすごく独特で、ロックギタリストだからこそ奏でられるものだと思うんです。それがものすごくカッコいいので、アルバムのイントロダクション的なこの曲にはぜひフィーチャーしたかったんです。

──フレーズは澤野さんから提示したものなんですか?

僕が書き譜で指定したメロディはもちろんありますけど、要所要所にはSUGIZOさんのインスピレーションで思うがままに弾いていただいたところもあります。バイオリンのレコーディング中、僕らはスタジオの外で待っていて、録り終えたら聴かせていただくというスタイルだったのがワクワクして面白かったです。

──この曲には[nZk]ではおなじみのYosh(Survive Said The Prophet)さんによるボーカルも盛り込まれていますよね。

歌モノの曲ではないんだけど、インストの中にYoshさんのボーカルアプローチが入ってくる感じがいいんじゃないかなと思ったんです。映画のエンディングみたいになればいいかなと思ってたんですけど、お二人のおかげでものすごく壮大な仕上がりになりました。

02.EVERCHiLDby SawanoHiroyuki[nZk]:Akihito Okano(ポルノグラフィティ)

──2曲目はポルノグラフィティの岡野昭仁さんをフィーチャーした「EVERCHiLD」。こちらはアルバムのリード曲です。

歌モノの曲の中では最後に作ったものだったんですけど、できた瞬間に「これがリードトラックかもしれない」と思えたというか。曲順的にも、イントロダクションの次に位置する曲はアルバムとしても特に大事だと思っているので、僕がずっと魅力的だと思っていた岡野さんに歌っていただけたのはすごくありがたかったです。

──非常に活舌のいいボーカリストなので、歌詞が鮮明に聞こえてきますよね。

そうですね。あとは曲が持っているポップさが、岡野さんの歌声によってより増した印象もありました。僕がお伝えしたことをものすごく熱心にやってくださったり、「こういう歌い方はどうかな?」とか、いろんな提案もしてくださって。初めてお会いしたので緊張感はもちろんありましたけど、密なコミュニケーションの中で刺激的なレコーディングをすることができました。

──澤野さんの求めていた、この曲に対しての表現はどんなものだったんですか?

澤野弘之

僕の曲の場合、男性に対しても女性に対しても、基本的にサビではシャウト気味に歌ってもらうことが多いんですよ。でも、この曲の場合はポップに聴こえるアプローチがふさわしいと思っていたので、岡野さんなりの力強さで歌ってもらいました。すごく気に入っているので、いつかライブでもやれたらいいなあとは思ってるんですけどね。

──この曲も含め、アルバムにはライブでのシンガロングを想起させるパートを盛り込んだナンバーが多い印象もあります。

ああ、そうかもしれないです。そういったシンガロングできるパートのある洋楽の曲が好きなんですよ。あとは、テレビアニメ「進撃の巨人」のサントラに入っている「Barricades」という曲をライブでやったときに、会場全体で一緒に「Wow Wow」って歌えたのがすごく新鮮だったりもして。その影響で[nZk]プロジェクトにもそういう曲が増えていったらいいなという気持ちが無意識的にあったのかもしれないです。

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全曲解説 03~08

SawanoHiroyuki[nZk]「R∃/MEMBER」
2019年3月6日発売 / SACRA MUSIC
SawanoHiroyuki[nZk]「R∃/MEMBER」初回限定盤

初回限定盤 [CD+Blu-ray]
4752円 / VVCL-1409~10

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SawanoHiroyuki[nZk]「R∃/MEMBER」通常盤

通常盤 [CD]
3456円 / VVCL-1411

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CD収録曲
  1. Glory-into the RM- by SawanoHiroyuki[nZk]:SUGIZO
  2. EVERCHiLD by SawanoHiroyuki[nZk]:Akihito Okano(ポルノグラフィティ)
  3. never gonna change by SawanoHiroyuki[nZk]:スキマスイッチ
  4. narrative by SawanoHiroyuki[nZk]:LiSA
  5. i-mage by SawanoHiroyuki[nZk]:Aimer
  6. NOISEofRAIN by SawanoHiroyuki[nZk]:Takanori Nishikawa
  7. Binary Star by SawanoHiroyuki[nZk]:Uru
  8. ME & CREED <nZkv> by SawanoHiroyuki[nZk]:さユり
  9. Unti-L by SawanoHiroyuki[nZk]:ASCA
  10. Cage by SawanoHiroyuki[nZk]:Tielle
  11. REMEMBER
初回限定盤Blu-ray収録内容
  • D + T / BLOOD oF thE DRAGON
  • The Brave
  • The Reluctant Heroes
  • friends
  • BRAVE THE OCEAN
  • Before my body is dry
  • Battle Scars
  • Grenzlinie / Re∀L
  • Tide Over / DOA
  • Light your heart up
  • Roller Coaster
  • Aesthetic <【emU】ver.>
  • RE:I AM
  • Next 2 U
  • ninelie
  • Cage
  • Amazing Trees
  • A/Z
  • aLIEz
  • Next of Kin
  • mio MARE <2v-alk_v>
  • sh0ut
  • Barricades
  • pf-[nZk]005
澤野弘之(サワノヒロユキ)
澤野弘之
1980年生まれ、東京都出身の作曲家、編曲家。「医龍」シリーズやNHK連続テレビ小説「まれ」、「アルドノア・ゼロ」「進撃の巨人」「キルラキル」「機動戦士ガンダムUC」シリーズなど、ドラマ、アニメ、映画など映像作品のサウンドトラックを中心に、楽曲提供や編曲をするなど精力的に音楽活動を展開している。2014年春からはボーカル楽曲に重点を置いたプロジェクト、SawanoHiroyuki[nZk]を始動。その第1弾作品として「機動戦士ガンダムUC」シリーズの楽曲も共作したAimerと、SawanoHiroyuki[nZk]:Aimer名義のアルバム「UnChild」を発表した。2015年9月にSawanoHiroyuki[nZk]の1stアルバム「o1」と、澤野名義のサウンドトラックベスト「BEST OF SOUNDTRACK【emU】」を発表した。2017年9月にSawanoHiroyuki[nZk]として2作目のアルバム「2V-ALK」、2018年4月にテレビアニメ「銀河英雄伝説 Die Neue These」のオープニングテーマ「Binary Star」と「実物大ユニコーンガンダム立像」のテーマソング「Cage」を収めたシングル、11月にLiSAと西川貴教をゲストボーカルに迎えた両A面シングル「narrative / NOISEofRAIN」を発表した。2019年3月に岡野昭仁(ポルノグラフィティ)やスキマスイッチといったさまざまなアーティストを迎えたSawanoHiroyuki[nZk]の3rdアルバム「R∃/MEMBER」をリリース。