誰かが決断したらほかの2人も同じことを決めると思います

──ちょっとベタですが、「Future Pop」というアルバムタイトルにちなんで最後に1つ。皆さんは「Perfumeの未来」と言われてどんなものをイメージしますか？

あ～ちゃん　Perfumeは今、自分たちが小学校のときに想像してた状況とはかけ離れたところにいるので、すでにもう私たちは未来に生きている感覚があります。だからフューチャーは今だと思ってる。

──そんな未来に生きている3人が歌ったアルバムが「Future Pop」だと。

あ～ちゃん　おっ、完全にまとまりましたね（笑）。

──いや、まだ取材を終わらせるつもりはないので、もうちょっと聞かせてください（笑）。

かしゆか　んー、今と変わらない気がします。Perfumeは「人間味」と「最先端技術」を両立する活動をさせてもらっていますけど、大事な部分は人間味のほうなので。技術はこの先どんどん新しいものに変化していくので、今の最先端な技術は数年後には当たり前のものになっていくと思うけど、私たち自身は何も変わらず、新しいことをなんでも楽しんで今と同じように活動していると思います。

あ～ちゃん　じゃあナタリーさんは“Perfumeのフューチャー”と言われて、何を想像されますか？

──あー、何年経っても変わらず、こんなふうにたまに会って取材しているところですかね（笑）。

のっち　ははは（笑）。「前回から1年経っちゃいましたね」「え、そんなに経ちましたー？」って、確かにこれからも毎年言い続けてそう。

──ちなみに“Perfumeの未来”ではなく“自分個人の未来”だったらどうですか？

のっち　あ、それ面白いですね。でも……いやー、年々わかんなくなってますよ、未来（笑）。

かしゆか　わかる。そういう年齢だもんね、3人共。

あ～ちゃん　適年齢？ 年齢適？

──適齢期？

あ～ちゃん　その言葉すら馴染みがなくて出てこなかったんですけども（笑）、みんな適齢期に合わせて自分自身を変えていくんだなってことがわかってきて。

かしゆか　周りの人はみんな30歳を目前にしたら30歳に向けての動きをするようになっていくんだよね。「30になるのに私はこの人と付き合ってていいんだろうか？」「今の職業のままでいいんだろうか」みたいな。

あ～ちゃん　そう、みんなそこに向けてチューニングを合わせていくんだけど、私たちは合わせ遅れてるなって（笑）。

かしゆか　このまま合わせそびれてたら、もう合わせらんないかもよ（笑）。

あ～ちゃん　で、“個人のフューチャー”の話でしたよね？（笑）

かしゆか　私の未来はすごい“無”って感じがする。どんどん悟りを開いて「猫さえいれば十分」って思えてきてるから。最近ミニマリストになりたくて。

あ～ちゃん　あんたは無理だよ（笑）。この人の家の荷物の量、ものすごいんですよ。

のっち　ミニマリストの対極だよね。「そんな買ってどうすんの？」って。

かしゆか　1週間に3回はAmazonで買い物してる（笑）。だからこそ未来は絶対にミニマリストになっていたいんですよ。

──「ミニマリストのすすめ」みたいな本が部屋にたくさん積んである感じですかね（笑）。

かしゆか　そうそう（笑）。物を持たないのに憧れてるのはのっちの影響なんですよ。のっちがちょっと前から断捨離ブームで、よくその話を聞いてたので感化されて。

あ～ちゃん　物に執着ないよね、のっち。

かしゆか　勢いが付くとすごい捨て方をするよね。

のっち　買い換えようと思ってこないだ捨てちゃったから、うちは今テレビ台もソファもない。床にテレビとPS4が置いてあって、あとはクッションだけ。テーマはお金がない大学生の部屋。

あ～ちゃん　それでもゲームはするんだ（笑）。

かしゆか　その話に感化されてちょっとずつ断捨離してるんです。マンガも、こないだ撮影から帰ったあとにけっこうさよならしたし。次の日も早いっていうのに「よし！ これもさよならだ！」とか言いながらダンボール2箱分処分しました（笑）。

あ～ちゃん　でも、グループ内で感化され合うのってあるよね。だから、誰かが何かを決断したらほかの2人も同じことを決めると思います。

かしゆか　「そうか、そういう時期か。動いていいのか。よし私も！」ってなるよね。

のっち　「え！ 人間ドック行ってたの？ いつの間に！」

かしゆか　「じゃあ私も行かなきゃ！」って（笑）。

のっちのソロ仕事

──ほかのお二人はいかがでしょうか。“個人の未来”について。

あ～ちゃん　たぶん“Perfumeのフューチャー”は、引き算に次ぐ引き算でどんどん研ぎ澄まされてストイックな状態になってるかもしれないけど、“メンバーのフューチャー”はゴテゴテに盛り込んで、いろんなものを背負って年を重ねてる気がするなあ。

──バランスが取れてていいじゃないですか（笑）。

のっち　わはは（笑）。

あ～ちゃん　いろんなこだわりが山ほど増えてるしね。

かしゆか　ホントよ。なんにでも情を見出しちゃうから、一度手にした物は手放せないし（笑）。

のっち　“個人の未来”か……自分のことってわからんよね。

──未来というお題とはちょっと違う話ですけど、あ～ちゃんさんは単独でラジオパーソナリティを担当したり、ドラマ「東京タラレバ娘」で声優を務めたりしましたし、かしゆかさんは雑誌「Casa BRUTUS」で伝統工芸品についての連載を始めましたよね。例えばのっちさんはソロ仕事をするという未来はないんですか？

のっち　……ナタリーさんってどんな仕事がありますか？

あ～ちゃん　職探ししてる（笑）。ゲームの連載とかいいんじゃない？ やりなよ！

かしゆか　いいじゃん！ 文章面白いし。コラムとか書く？

のっち　やるやる（笑）。アニメとかゲームについて書いていいの？（笑）

あ～ちゃん　向いてると思う！ のっちよかったねー！

──いやいや、そんなことを言ってもらえたらうれしいのはこっちですよ（笑）。でもそんなに暇じゃないでしょう？

あ～ちゃん　けっこう暇ですよ（笑）。友達もいないんで。ゲームが仕事になるなんて最高じゃん。

かしゆか　自分がプライベートでは手に取らないゲームを試す機会にもなるよね。

あ～ちゃん　ゲーム代も全部ナタリーさんの経費で落ちるんじゃない？

のっち　えっ？ マジで？ アニメのDVDも落ちる？

あ～ちゃん　それをコラムに書けばね。書けばなんでも経費になるから（笑）。

──とりあえずこの話、編集部に共有しておきます！

のっち　よろしくお願いします！（笑）