中田ヤスタカとこしじまとしこの2人が、1997年に地元の金沢でCAPSULEを結成してから25年が経った。
その間にCAPSULEは、少しずつ音楽性を変えながら時代ごとに最新のサウンドを提案し、国内のみならず海外からも支持されるユニットに。並行して中田はサウンドプロデューサーとしてさまざまなアーティストの楽曲をヒットさせ、クラブシーンのみならずJ-POP全体で見ても重要な存在になっている。
2022年12月には7年ぶりのオリジナルアルバム「メトロパルス」を発表。1980~90年代の電子音楽を思わせるシンセウェイブ的なアプローチで、世界的に盛り上がりを見せるシティポップのブームに対してCAPSULEなりの回答を示した。原点回帰であるのと同時に、ここにきてさらなる進化を果たした1枚と言えるだろう。
この特集ではそんなCAPSULEの活動25周年を記念して、ゆかりの深い18組の著名人たちにアンケートを実施。CAPSULEがこれまでに発表してきた数多くの楽曲の中から好きな曲を選んでもらい、その曲についてそれぞれが持つエピソードを聞いた。
構成 / 橋本尚平
AMIAYA
CAPSULEの楽曲の中で好きなのは
「JUMPER」
好きな曲がありすぎて、選曲するのにすごく迷いました、、
MVの撮影に参加させて頂いた「JUMPER」はディープでハードな音と高揚感のバランスがかっこよくて大好きな楽曲です。撮影も思い出深いですが、その後クラブやライブで「JUMPER」の曲が流れる度にMVが流れてとっても嬉しくて毎度感激していました。
CAPSULEの25周年にひと言
25周年おめでとうございます!!
15歳で2人きりで上京した私達の青春はCAPSULEの音楽と共に、といっても過言では無いほど、数えきれないたくさんの思い出があります。CAPSULEの音楽が広げてくれた出会いや世界が今でも私達の人生を彩ってくれています。いつまでも色褪せない、輝き続けてる唯一無二の存在です。今までも、これからも。CAPSULEのクリエイティブを楽しみにしています。
プロフィール
AMIAYA(アミアヤ)
原宿のストリートスナップで注目されてデビューしたツインズユニット。ファッションモデルとしてブランドのキャンペーンやファッションショーのフロントローなどグローバルに活躍し、ファッションブランド・jouetieのクリエイティブディレクターを務めるほか、DJとして音楽活動も展開している。
Ayase
CAPSULEの楽曲の中で好きなのは
「FLASH BACK」「Eternity」
CAPSULE、ヤスタカさんの楽曲は、「LIAR GAME」のサントラで初めて聴きました。
当時刺激的だったあのサウンドが、今改めて振り返っても刺激的を超える超刺激的なものとして生き続けているのは、本当にとんでもないエネルギーだと思います。
CAPSULEの25周年にひと言
25周年おめでとうございます。
日本の音楽シーンの後輩として、勝ちたいと思える先輩がいることが僕にとって本当に財産です。
これからも背中を追わせてください。
プロフィール
Ayase(アヤセ)
1994年4月4日生まれ、山口県出身。2018年12月にVocaloid楽曲の投稿を開始した。自身のボカロ曲をセルフカバーした「夜撫でるメノウ」はストリーミング1億再生突破。2019年10月結成のYOASOBIではコンポーザーを務めている。並行してさまざまなアーティストへの楽曲提供も行っており、年間Billboard JAPAN作曲家・作詞家チャートでは2021年と2022年に2年連続で1位を獲得。2022年9月には自身初のオリジナル楽曲を含む「飽和 / シネマ」、2023年1月には「SHOCK!」を配信リリースした。
内田聡一郎
CAPSULEの楽曲の中で好きなのは
「FLASH BACK」
以前、僕と一緒にずっとDJイベントに彼が出演していた時に僕のDJからヤスタカにパスする出演順になることが多く、僕の後に彼が登場して盛り上げ1発目によくかける曲が「FLASH BACK」でした。音のアタック感と箱鳴りがすごくて一気にオーディエンスが湧くのを見て僕もいつもテンション上がっていたのですが、僕が真似して違うイベントでかけたら滑ったのでやはり製作者本人は偉大でした。
CAPSULEの25周年にひと言
25周年おめでとうございます!!
知り合ってからかれこれ20年近く経ちますが一度も髪を切らせてくれないそのスタンス!!!
周りの人に俺が髪を切ってると思い込まれすぎて一時期は俺が切ってると公言していました。嘘ついてすいません。
30周年までには1回でいいので髪切らせてくださいね。
とはいえ、本当にお二人から受けた刺激は今の僕に間違いなく影響してると思います。
同世代としていつまでも刺激的でアイコニックな存在でいてくださいね。
プロフィール
内田聡一郎(ウチダソウイチロウ)
美容師。LECOの代表を務め、渋谷に4店舗のヘアサロンをオープンさせた。「自分の見つけ方」「内田流+αカット」「内田本」「ウチダテク 一刀入魂」といった著書を持つ。
尾田栄一郎
CAPSULEの楽曲の中で好きなのは
「Dancing Planet」
「Dancing Planet」です!
中田さん本人にこれはラヴェルのボレロを超えたぞ!!と力説したのを憶えてます。笑
映画一本作れそうな世界観とストーリー性が大好きです。
歌ならば、「JUMPER」です! これも絵が浮かび世界が広がります
CAPSULEの25周年にひと言
色んな人をプロデュースする中田さんが
一番自由に好き勝手に音楽を作り、
こしじまさんが「ハイやりましょか」って腰を上げる様な、肩の力の抜けたユニットが
CAPSULEというイメージです。だからいつでも音楽が新鮮なのでしょう。
25周年おめでとうございます!! これからもセンスのいい未来を聴かせてください!
プロフィール
尾田栄一郎(オダエイイチロウ)
1975年1月1日、熊本県生まれ。1992年「WANTED!」が「週刊少年ジャンプ」の新人賞である手塚賞に準入選しデビュー。1997年から同誌にて、海賊たちの活躍を描いた「ONE PIECE」の連載を開始。少年漫画の王道を行く大冒険ストーリーを展開しつつ、随所に感動エピソードやギャグを織り交ぜた同作は一躍大ヒットとなった。現在は国内外含め累計発行部数は5億部を突破している。
きゃりーぱみゅぱみゅ
CAPSULEの楽曲の中で好きなのは
「do do pi do」
初期のCAPSULEらしい可愛らしくて甘ったるくてワガママな女の子の欲望を歌う感じがとても好きです。リズムも歌詞も大好きです。一時期、狂ったように聞いていたので自分がカバーするってなった時は、本当に嬉しかったです!
CAPSULEの25周年にひと言
中田さんこしこさん25周年おめでとうございます!
私も30歳になるのでCAPSULEと5歳違いだと思うと、とても感慨深いです!
楽しい時も辛い時も私の青春には常にCAPSULEの楽曲があります。
毎回アルバムの雰囲気や楽曲の感じが違ったりするのもワクワクで、これから先のCAPSULEの進化がとても楽しみです!
プロフィール
きゃりーぱみゅぱみゅ
1993年東京都生まれ。高校生のときから原宿系ファッションモデルとして活動し、2011年にミニアルバム「もしもし原宿」でメジャーデビュー。「PONPONPON」「つけまつける」「ファッションモンスター」「にんじゃりばんばん」など多数のヒット曲を発表している。海外からも日本を代表するアーティストおよびファッションアイコンとして支持されており、2022年にはアメリカの野外音楽フェス「Coachella」への初出演を果たした。
ケンモチヒデフミ(水曜日のカンパネラ)
CAPSULEの楽曲の中で好きなのは
「JUMPER」
ゴリゴリに歪んだシンセに、音圧がパンパンに入ったビート、絶えずメロディが変化し続ける変幻自在なボコーダーのリフに、どこまでも盛り上がり続ける曲展開。そんな中田さんの凶暴なトラックを、クールでスタイリッシュに乗りこなすこしじまさんの声。
こんなバランス感で成立するJ-POPが存在するのか…と衝撃を受けまくった1曲です。時代を変える天才ユニットが現れたなと思いました。今聴いても全く色褪せないアンセム!
CAPSULEの25周年にひと言
前衛的でパンクなのに、おしゃれでポップで多くの人に届く音楽性。CAPSULEは、エレクトロ・EDM以降のダンスミュージックを日本に根付かせた第一人者だと思います。次々とユニットのイメージを塗り替えながら進化を止めない姿勢は、日本のクリエイターにとって憧れの存在・目標であり続けました。もちろんかくいう私もその1人です! 彼らがいなかったら今の自分の音楽もなかったと思います。これからも最先端を突っ走り続けるCAPSULEさんの活動が楽しみです。
結成25周年、本当におめでとうございます!
プロフィール
ケンモチヒデフミ
水曜日のカンパネラのトラックメイカー。femme fataleなどさまざまなアーティストのサウンドプロデュースも手がける。なお水曜日のカンパネラは2021年にボーカリストのコムアイが脱退し、2代目ボーカリストとして詩羽が加入。2022年に発表した楽曲「エジソン」がTikTokを中心に人気となり、同曲のリリックが「TikTok流行語大賞2022」に選ばれた。
篠崎賢太郎(リットーミュージック)
CAPSULEの楽曲の中で好きなのは
「All The Way」
アルバム「STEREO WORXXX」は音の塊が脳内に直接飛び込んでくるような衝撃作でした。デジタル・ドメインの音作りでこれだけエネルギッシュなサウンドが生み出せるのはすごいことですし、Aメロ~Bメロ~サビという歌ガッツリの構成ではないのに、こしじまさんが曲中ずっとマイクを握っている姿が浮かんでくるような不思議な印象の“J-POP”。その中でも本曲は、中田さんが劇伴を手掛けた映画「ライアーゲーム -再生-」内でも使われており、場面とのマッチングも相乗効果となって気合いを入れたいときに聴いています! 皆さんもぜひ音の良いスピーカーでご堪能ください。
CAPSULEの25周年にひと言
25周年、おめでとうございます! 慣例に縛られずに“ナシなものをアリ”にしながら、ものすごいスピードで突き進んできたのがCAPSULEだと思います。中田さんはアルバムごとに予測不能なサウンドを私たちに提示してくれ、その一方で、こしじまさんは変幻自在なトラックを平然と歌いこなすという、人間なのか別の世界の何かなのかよく分からない佇まいにいつも魅力を感じます。
私が音楽クリエイター専門誌「サウンド&レコーディング・マガジン」に所属していたころ、新作が出るたびに中田さんを訪ね、多彩な方々との対談連載も担当させていただいた中で、毎回「そんなコトを考えていたんですか!?」と驚くほど、中田さんの発想にはブッ飛んだ異次元さがありました。もしかしたら“強くてニューゲーム”的に人生3周目くらいなのか、あるいは“UFOは未来から来ている”という都市伝説の未来人なのか、いまだに全然分かりません!
プロフィール
篠崎賢太郎(シノザキケンタロウ)
音楽クリエイター専門誌「サウンド&レコーディング・マガジン」の元編集長。株式会社リットーミュージック執行役員、デジマート事業部長。
湘南乃風
CAPSULEの楽曲の中で好きなのは
「一番歌」(湘南乃風&中田ヤスタカの楽曲)
CAPSULEの25周年にひと言
CAPSULE 25周年おめでとうございます!
中田くんとの思い出といえば何と言っても
ゲーム「龍が如く7」の主題歌として「一番歌」を本当に0から作らせて頂いたことが
刺激的な思い出ですし、楽曲としても湘南乃風の新たな一面を切り開いてもらったと思ってます!
これからも様々な刺激を音楽シーンに与えていってください!
プロフィール
湘南乃風(ショウナンノカゼ)
RED RICE、若旦那、SHOCK EYE、HAN-KUNの4人からなるジャパニーズレゲエグループ。2006年に大ヒット曲「純恋歌」を含むアルバム「湘南乃風~Riders High~」をリリースし、約60万枚を超えるヒットを記録。2020年に「湘南乃風&中田ヤスタカ」名義で、PS4専用ゲームソフト「龍が如く7 光と闇の行方」の主題歌「一番歌」を発表。2023年にメジャーデビュー20周年を迎え、同年8月12日に10年ぶりの横浜スタジアム公演の開催を予定している。
鈴木敏夫
CAPSULEの楽曲の中で好きなのは
「ポータブル空港」「space station No.9」「空飛ぶ都市計画」
「ジブリがいっぱいSPECIALショートショート1992-2016」にも収録されている「ポータブル空港」「space station No.9」「空飛ぶ都市計画」。
CAPSULEの25周年にひと言
中田くんと交流が始まったのは18年も前から。
ハウス食品のCMの音楽を中田くんが担当したのがきっかけ。
その後、百瀬ヨシユキ監督とタッグを組んで、ショート・フィルム
「SF3部作」を制作した時の曲がこの3曲。
中田くんは世間に受ける音楽を作る。ボーカロイドが出る前に
ボーカロイドをやっていたような。
例えば、ザ・フォーク・クルセダーズの「帰って来たヨッパライ」
が歌を早回しするっていう手法とか、面白かった。
どこか懐かしさを感じる。
中田くんとは時々連絡を取る仲で、お寿司をご馳走する約束をしているが、
コロナのせいでなかなか約束を果たせない。
25周年、おめでとう! 今度こそお寿司を。
プロフィール
鈴木敏夫(スズキトシオ)
1948年、愛知県生まれ。慶応義塾大学卒業後、徳間書店に入社。「週刊アサヒ芸能」などを経て、1978年、アニメ雑誌「月刊アニメージュ」の創刊に携わる。同誌の編集を行いながら、高畑勲らとともに1984年公開の劇場版アニメ「風の谷のナウシカ」を製作。1985年、スタジオジブリの設立に参加し、以後「天空の城ラピュタ」「となりのトトロ」「火垂るの墓」「魔女の宅急便」を製作する。1989年からはスタジオジブリ専従となり、「平成狸合戦ぽんぽこ」「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」「風立ちぬ」などをプロデュースした。最新作は「君たちはどう生きるか」。