ナタリー PowerPush - 乃木坂46公演「16人のプリンシパル trois」

恒例劇場公演をメンバーが徹底解説

結果を待つ、そして発表(解説:衛藤美彩)

衛藤美彩

投票結果を待ってるときって、1回目のプリンシパルでは本当にみんな黙り込んじゃって、どんよりしてるんです。中には泣いてる子がいたり、「できないよ!」って投げ出しちゃう子もいたり。すごく重たい空気が流れてました。でも去年のプリンシパルでは、もうちょっと軽くなったというか。最初のプリンシパルはちょっと人気投票のような結果が続いて「なんのためにがんばってるんだろう?」って悩んでる子も多かったんですけど、「16人のプリンシパル deux」ではちゃんと実力が評価されてる気がしました。そういう意味ではdeuxのほうがみんなに緊張感があったかもしれないですね。みんな1幕が終わったあと、楽屋に戻ってから台本を確認してましたし。発表されるその瞬間まで、諦めないっていう気持ちが強くなったんじゃないかな。

あと楽屋での会話が多かったのもdeuxのほうですね。みんな「わー!」とか「今日絶対にダメだ」とか言いながらも、楽屋にはちょっと前向きな感じがあった気がします。それに比べて、最初のプリンシパルは……毎日「乃木どこ」(テレビ東京系で放送中のレギュラー番組「乃木坂って、どこ?」)での選抜発表があるみたいな感じでした。

それからまたステージに戻って、結果発表を聞くんですが……同じ役に2人しか立候補してないときは一番嫌ですね。だってどちらか1人が落ちるわけですから。たまに1人しか立候補してない日もあるんですけど、そういうときこそ逆に不安になっちゃうんですよ。例えば明田川役に(能條)愛未しか立候補してないのに、愛未は「えっ、私入るかなあ……」って言い始めるし。「だって前の日にななみん(橋本奈々未)が明田川役を落ちちゃって、今日ななみんの明田川が見たいからってファンの人がななみんに投票するかもしれないし」って言うんです。でもそこは選抜とアンダーで違うのかもしれないですね。アンダーの子ほど不安をたくさん抱えてるのかもしれない。

あとdeuxはたまたまその役に立候補者が誰もいないっていう日もあって。そうするとお客さんは自分が観てみたいメンバーに投票するから、本当に誰が選ばれるかわからないんです。もしかしたら1幕で演出家の方がたまたま「ちょっとやってみて」って選んだ子が、そのまま選ばれちゃうかもしれない。そうなると「私、その役はよく覚えてないよ!」ってこともあって(笑)、本当に最後の最後まで気が抜けないんです。

2幕:ミュージカル(解説:生田絵梨花)

生田絵梨花

役が決まったら、改めて台本をチェックします。それ以外にも、その役がどこから登場してどこから捌けるのか、場所もちゃんと確認しなくちゃいけない。各役ごとに確認表みたいなファイルが用意されてるんですけど、そういった立ち位置やタイミングの把握も1つの大きな課題でしたね。

でも、いざ舞台が始まってしまったらセリフがどうとか立ち位置がどうとかじゃなくて、みんなそれぞれの役になりきるしかなくて。今まで劇が止まったことは見たことないですね。去年だと、もしセリフが飛んだら舞台セットの壁にバッファローの飾り物が設置してあって、そこに向かって「お願いバッファロー」って言うと演出家の方がセリフを教えてくれるっていうヘルプ制度が用意されてたんですよ。だけど結局みんなそれを使わずに、全公演乗り切れたんです。

プリンシパルも後半に行くにつれて、アドリブがちょいちょい入るようになって。それはセリフを忘れちゃったからとかじゃなくて、みんながそれぞれの役で今までやったことがない動きをしたり台本にないセリフを言ったりする余裕が出てきたんじゃないかな。私の場合だと、去年は栄っていう役をやりたいなと思って、いっぱいオーディションを受けてたんですね。そこでちょっとずつセリフの言い方を工夫してみたり、今までなかったセリフを付け加えたりはしてました。この公演って毎回キャストが変わるからこそ、自分がセリフを返す相手も毎回違うし、会話の雰囲気も変わってくる。そこが面白いところなんですよね。

苦労した役ですか? 意外に女中かもしれない。女中は6役あるんですけど、普通にセリフが付いている役以上にいろんな動きがあるので、それが難しかったかな。しかも立候補して選ばれるんじゃなくて、急に「あなたは今日は女中3を演じます」って決まるし。大変だけど、でも面白い。ある意味やりがいのある役でしたね。

公演終了(解説:桜井玲香)

桜井玲香

2幕が終わるとまた舞台袖に引っ込んで、今度はミニライブの準備をするんです。「16人のプリンシパル deux」のときは「君の名は希望」から始まるので、みんな急いで制服に着替えるんですけど、私は先に舞台に出て2期生の紹介をしなきゃいけなかったから、そこで気持ちをけっこう切り替えることができました。でも何回も立候補してそれでも2幕に出られなかったときはやっぱりショックが大きいんで、気持ちを引きずって踊ったときもありますよ(笑)。あと2期生の紹介が終わると、1期生がステージ上で「君の名は希望」の最初の立ち位置に並んでるところに入っていくんですけど、そこで固まってるときのみんなの雰囲気が日によって全然違いました。なんとも言えない空気になってるときもあれば、やけに楽しそうなときもあったし。

ミニライブが終わって楽屋に戻ると、みんなもう次の公演のことを考え始めるんです。明日はどの役に立候補しようかなって……その日のうちに、翌日に立候補したい役を紙に書いて投票箱に入れるんですよ。

あと、スタッフさんからその日の公演の総括もあります。出来が悪ければめっちゃお説教されるし、もっとヒドいと個人的に呼ばれて「こことここと、ここと……」ってメモを見て全部言われますから。あとは「明日からここはこうするよ」って新しい演出を伝えられたり。終わったあともやることが多くて大変なんです(笑)。

公演期間中のモチベーションですか? うーん……どうやって保ってたんだろう……全然記憶ないんですよね(笑)。1日1日が精一杯すぎて……ガムシャラだったから、ホントに落ち込む暇もないくらいでした。

乃木坂46公演「16人のプリンシパル trois」

開催期間
2014年5月30日(金)~6月15日(日)
※平日公演:START 18:00
※土日のみ1日2公演:1回目START 12:00 / 2回目START 17:00
※6月2日(月)休演日
会場
東京都 赤坂ACTシアター
料金
全席指定 一般 7000円 / 女性・親子 7000円

乃木坂46 映像公演「乃木坂アクトMOVIE ~伝説のパルコ初舞台公演~」

※2012年9月1日~9日に東京・PARCO劇場で上演された「16人のプリンシパル」全9公演を、各1日公演ずつ上映。
開催期間
2014年6月3日(火)~6日(金)、9日(月)~13日(金)
START 14:00
会場
東京都 赤坂ACTシアター
料金
全席指定 一般 2500円
上映スケジュール
6月3日(火):2012年9月1日 1回目公演
6月4日(水):2012年9月1日 2回目公演
6月5日(木):2012年9月3日公演
6月6日(金):2012年9月4日公演
6月9日(月):2012年9月5日公演
6月10日(火):2012年9月6日公演
6月11日(水):2012年9月7日公演
6月12日(木):2012年9月9日 1回目公演
6月13日(金):2012年9月9日 2回目公演
乃木坂46(ノギザカフォーティシックス)

乃木坂46

2011年8月に「AKB48の公式ライバル」として誕生したアイドルグループ。グループ名の「乃木坂」は最終オーディション会場の「SME乃木坂ビル」、「46」は「AKB48より人数が少なくても負けないという意気込み」に由来する。総合プロデュースはAKB48同様、秋元康が担当。全国規模のオーディションにより、3万8934人の応募の中からスターティングメンバーとして33名が選出された。2012年2月にシングル「ぐるぐるカーテン」で待望のメジャーデビュー。オリコン週間ランキングで初登場2位を記録し、20万枚を超えるセールスを記録した。以降、2ndシングル「おいでシャンプー」から8thシングル「気づいたら片想い」まですべてのシングルがオリコン週間ランキングで初登場1位を獲得。また2013年10月には国立代々木競技場第一体育館、同年12月には日本武道館、翌2014年2月には横浜アリーナで単独ライブを行い、大成功を収めた。2013年5月には2期生が加入、2014年2月にはSKE48からの交換留学生・松井玲奈も加わり、2014年5月現在計43名が在籍している。5月30日からは6月15日にかけて、東京・赤坂ACTシアターで劇場公演「16人のプリンシパル trois」が開催。7月9日には9thシングル(タイトル未定)をリリースする。