「桃神祭」は原点回帰

──「桃神祭 2016 ～鬼ヶ島～」は玉井さんにとってどんなライブでしたか？

開催前から「桃神祭」という形はこれが最後だと聞いていたので、3年分の集大成になるようがんばりました。

──3年間を総括して「桃神祭」とはなんだったのでしょうか。

日本人であることを改めて感じられるライブですね。「桃神祭」はダウンタウンももクロバンド（武部聡志がバンマスを務めるももクロのライブバンド）だけじゃなく、ももクロ和楽器隊（太鼓奏者のヒダノ修一を中心とした和楽器隊）の演奏も加わって、いつも歌っている楽曲も和風のアレンジになったり。ももクロはもともと“和”をモチーフにしたグループとして始まったので……みんな忘れてるかもしれませんけど（笑）。だからある意味「桃神祭」は原点回帰のライブなんですよ。

──なるほど。セットリストは新旧織り交ぜた内容でしたね。

去年は「桃神祭」の前にドームツアーがあって。「AMARANTHUS」「白金の夜明け」という2枚のアルバムの世界観を表現するツアーだったんですけど、その2枚のアルバムからの楽曲をツアー後初めて披露する大きなライブでもあったので、それまでの「桃神祭」とは選曲もガラリと変わってるんですよ。

──2枚同時にアルバムをリリースしたことで、持ち曲が一気に増えましたからね。

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ドームツアーは各会場2日間で新曲を合計20曲披露するという内容だったので、振り付けを覚えるだけでも大変で。当然ちゃんとしたものを見せたいという気持ちで挑んでましたけど、不安な部分も大きかったんです。ツアーをやり遂げたあとで、アルバムのコンセプトから外れたところで歌う新曲はまた印象が違ったと思うし、全体的なパフォーマンスとしては、やっぱり夏のライブはのびのびできるなあと思いました。

4年前に戻る必要はない

──玉井さんが2016年の「桃神祭」で一番印象的だった、記憶に残っているシーンは？

噴水の演出があった「ROCK THE BOAT」かな。ももクロの夏のライブは、最初の「バカ騒ぎ」から水を使った演出がありましたけど、噴水は初めてだったんですよ。いろんなアーティストさんのライブを観ていて、ずっと「噴水ってカッコいいな」と憧れていたので、自分たちのライブでそれができたのはうれしかったです。噴水をバックにした「ROCK THE BOAT」は我ながらカッコよかったかなと思います（笑）。

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──最後のMCでは、ふと我に返って「なんでこんなたくさんの人の前に立ってるんだろう？」と思ったとおっしゃってましたよね。

ドームツアーのあとのスタジアムでのライブということで、やっぱりちょっと心配してたんですけど、あの広い会場いっぱいにモノノフさんが集まってくれて。改めて「自分はすごいところにいるんだな」って思いましたね。

──3年連続の「桃神祭」を経て、今年の夏は4年ぶりの「バカ騒ぎ」に立ち返ることになりますが。

夏のライブならではのはじける感じは根本的に変わらないと思ってるんですよ。ももクロには毎年、春、夏、冬と大きなライブがあって。春は「ももクロ春の一大事」だから何かが起きる、冬の「ももクリ」は1年の締めくくりだから集大成と言えるライブにしなくちゃいけないという緊張感があって。そんな中で、夏のライブはただただ、ひたすら楽しむものなんです。でもやっぱり4年ぶりの「バカ騒ぎ」なので、今まで以上のバカ騒ぎがしたいですね。

──その4年の間に玉井さんも20代になりました。ももクロが全員20代になって初めての「バカ騒ぎ」ですけど、ちゃんとバカ騒ぎできますか？

……同世代の子と比べたらバカ騒ぎできるタイプですけど（笑）、4年前のももクロに戻ってバカ騒ぎをするんじゃなく、今の私たちなりのライブをやればいいんじゃないかと思っています。戻る必要はないかなって。

来るもの拒まず

──玉井さんの2017年の個人的な目標は？

そうですね……目標って難しいね。なんだろう……がんばる？ あはははは（笑）。「これをやりたい」みたいな明確な目標はなくて、なんでもやりたいんですよね。来るもの拒まず。

──ピンで仕事をするなら、どんなことがやりたいですか？

リーダー（百田）が去年から朝ドラに出演していたり、ほかのメンバーもソロコンサートをやったり、1人でいる時間は増えたんですよ。みんな1人でやったことを持ち帰ってきてくれているので、ももクロを大きくするためにも、私もチャンスがあればいろいろチャレンジしてみたいです。「来るもの拒まず」って怖いけど、新しいことに挑戦するのは大好きなので。具体的にこんなことがやりたいという目標はないんだよなあ。ちなみにほかのメンバーはどんなこと言ってましたか？

──百田さんは「爪をきれいに切りたい」「唇を常にプルプルにしたい」と。

アハハハハハハ！（笑） だったら私もありますよ。スキンケア。おととい肌年齢を測ったら、25歳、プラス4歳だったんです。それがショックで。あとは……あまりスマホを見ない。私、何かとすぐ調べちゃうんですよ。例えば友達に誕生日のプレゼントを贈りたいと思ったら「誕生日 プレゼント」で検索しちゃうんですよね。そうすると出てくるんですけど、それって相手のことを考えて選んだものではなくなっちゃうなって。とか言ってついつい便利なので使っちゃいますけど、今年はスマホと少し距離を置こうと思います。