音楽ナタリー Power Push - ももいろクローバーZ

ももクロの夏祭り「桃神祭」とはなんだったのか

有安杏果

3年間で一番感動したのは舞台裏

──有安さんにとって「桃神祭 2016 ~鬼ヶ島~」はどんなライブでしたか?

毎年思うんですけど、「桃神祭」はすんごい人数の人たちが携わってくれていて、我ながら「ももクロすげえ」って思います。でも、今年は今までで一番緊張せず楽しめたかもしれない。

──なんで緊張しなかったんですか?

ももクロのドームツアーとかソロコンサートとか緊張感のあるライブが続いていたけど、夏のライブはやっぱり違うんですよね。本番直前までみんなでワイワイやってた気がする。

──個人的に印象に残っている場面は?

ももいろクローバーZ「桃神祭 2016 ~鬼ヶ島~」の様子。

「桃色空」でジャンボ有安が出てきたのがマジ迷惑でした(笑)。そもそもなんで私がジャンボ有安に抜擢されたのかもわからないし、ましてやなんで「桃色空」なんだっていう。この演出に惑わされずにしっかり歌いきってやる!って思ってました。いい意味で印象的だったのは初日の「ザ・ゴールデン・ヒストリー」初披露です。ひさびさにコンセプトがガチガチに固まっていない曲だから「受け入れてもらえるかな……」という心配もなく、こんな気軽に「新曲だよ!」って感じで歌えることはあまりなかったから。バンドの皆さんも一緒になってジャンプしてくれたりして。

──モノノフの皆さんも、初披露にもかかわらず2回目のサビから息ぴったりみたいな。

そうそうそう。シンプルに楽しめる曲だから。もう1つの新曲「Hanabi」はちょっと緊張しました。初日のライブで一番緊張したかなあ。振り付けも歌もノリでは乗り切れない曲なので、リハのときから慎重になりました。……でもやっぱり印象的と言えば、よくも悪くもジャンボ有安の破壊力ですよ(笑)。

──3年間の「桃神祭」をまとめて振り返ると?

関わっている人数はすごく多いけど、みんなで作ったライブでしたね。1年目の2日目は土砂降りで、私たちが登場するときに乗るリフターにめっちゃ雨が溜まってたんですよ。出る直前に気が付いて「どうしよう!」って慌ててたんだけど、スタッフさんが大急ぎで水を払って、滑らないようにしてくれたんです。その姿を見たとき、何かこみ上げてくるものがあって。3年間で一番感動したの、ステージの上ではなく裏側のあの場面です(笑)。今でも思い出すとグッときますね。

モノノフさんがバカのスイッチを入れてくれたら

──2日目最後のMCで「私はただの人間なのに、手を振ったらたくさんの人が振り返してくれて……」と話していたのが印象的でした。数万人の前で歌うステージをすでに何度も経験しているはずなのに、そんなふうに思うのかと。

ももいろクローバーZ「桃神祭 2016 ~鬼ヶ島~」の様子。

思いますよ。私たちがセーラームーンだったらわかるけど、ただの人間ですよ? でも、こうやって私たちが毎年夏に歌っているのを毎年楽しみにしてくれる人たちがいて。例えば「あの花火大会に今年も行こう」みたいな、そういうふうに楽しんでもらえるものの1つになってほしいんです。それが続けてきた意味でもあるし、私たちもやらないと夏を過ごした気分になれないと思う。リハのときの暑さで「今年も夏が始まったわー」って思うから(笑)。

──今年は4年ぶりに「バカ騒ぎ」に戻りますが、3月で22歳になる有安さんはどんなバカ騒ぎをするのでしょうか。

年齢に見合ったバカ騒ぎがしたいですよね(笑)。「Chai Maxx」5連発みたいな驚異的なセトリはさすがにちょっと……。

──そもそも「バカ騒ぎはちょっと……」みたいな気持ちはないですか?

ももクロは日常的にバカ騒ぎなので(笑)。1人ではちょっとできないけど、4人がいて、モノノフさんがバカのスイッチを入れてくれたら、私も負けずにバカやりますよ。

友達とごはんに行くような感覚でドラムの練習

──2017年の有安さんの個人的な目標は?

……なんだろう、全然考えてなかった。すごくざっくりしてますけど、何事も楽しめたらいいなと思います。今まで以上に。私たちの仕事はどれも緊張感やドキドキが付きものだけど、その緊張感すら楽しめるようになりたいなって。去年の活動を経て改めてそう思いますね。

──去年はソロコンサートのみならず、ソロCDまで制作しましたよね。すごく充実した活動だったんじゃないかと思うんですけど、もっとソロ活動を追求してみたいという気持ちにはなりませんでしたか?

有安杏果

ソロでは歌録りだけじゃなく本当にゼロから、アレンジやミックスにも立ち会わせてもらって。プロ中のプロの皆さんと一緒に作品を作り上げるのはすごく楽しかったんですけど、反面、プロの方たちと一緒にやるのは自分には100年早いなと思いました。追求すればするほど自分に足りていない部分がわかるし、ももクロでの活動もあるし。

──ももクロとソロ、どちらかに気持ちが偏ることもなく?

はい。緑を着たらももクロのスイッチが入るし、5人でわちゃわちゃやってるときはソロのスイッチは入らないですね。それに、ソロでやりたいことは、別に今すぐやりたいわけじゃなくて。まだ全然足りてないってわかってるし、今は純粋に楽しみたいだけなんです。1人で街のスタジオを予約してドラムを叩きに行ったりとか、ちょっと友達とごはんに行くような感覚で(笑)。仕事だと考えることもなく、かと言って趣味でもなく、日常の一部として音楽を楽しんでます。

ライブBlu-ray / DVD「桃神祭 2016 ~鬼ヶ島~」 / 2017年2月8日発売 / EVIL LINE RECORDS
Blu-ray Disc 4枚組 / 12744円 / KIXM-265~8
DVD 6枚組 / 10584円 / KIBM-628~33
収録内容(Blu-ray / DVD共通)
Day1
  1. Guns N' Diamond
  2. ゴリラパンチ
  3. マホロバケーション
  4. ワニとシャンプー
  5. 仮想ディストピア
  6. 希望の向こうへ
  7. 武陵桃源なかよし物語
  8. WE ARE BORN
  9. カントリーローズ -時の旅人-
  10. イマジネーション
  11. Chai Maxx
  12. 行くぜっ!怪盗少女
  13. JUMP!!!!!
  1. 桃色空
  2. デモンストレーション
  3. コノウタ
  4. Hanabi
  5. 愛を継ぐもの
  6. 黒い週末

<アンコール>

  1. ザ・ゴールデン・ヒストリー
  2. ニッポン笑顔百景
  3. 青春賦
  4. 走れ!-Z ver.-
  5. 灰とダイヤモンド
Day2
  1. マホロバケーション
  2. 勝手に君に
  3. 武陵桃源なかよし物語
  4. ワニとシャンプー
  5. DNA狂詩曲
  6. サボテンとリボン
  7. カントリーローズ -時の旅人-
  8. ゴリラパンチ
  9. WE ARE BORN
  10. イマジネーション
  11. 労働讃歌
  12. ROCK THE BOAT
  13. JUMP!!!!!
  1. モノクロデッサン
  2. デモンストレーション
  3. ココ☆ナツ
  4. Hanabi
  5. Guns N' Diamond
  6. サラバ、愛しき悲しみたちよ

<アンコール>

  1. ザ・ゴールデン・ヒストリー
  2. ニッポン笑顔百景
  3. 仏桑花
  4. 行くぜっ!怪盗少女
  5. キミノアト
特典映像

Blu-ray:桃神祭2016~鬼ヶ島~ 鬼が来るぞ!

DVD:桃神祭2016~鬼ヶ島~ 鬼が来たぞ!

ももいろクローバーZ ジャパンツアー「青春」第1弾

2017年4月22日(土)
滋賀県 ひこね市文化プラザ
2017年4月23日(日)
兵庫県 加古川市民会館
2017年4月29日(土・祝)
北海道 千歳市民文化センター
2017年5月3日(水・祝)
広島県 ふくやま芸術文化ホール リーデンローズ
2017年5月4日(木・祝)
福岡県 アルモニーサンク 北九州ソレイユホール
2017年5月6日(土)
岡山県 岡山市民会館
2017年5月7日(日)
香川県 レクザムホール
2017年5月20日(土)
島根県 島根県民会館
2017年5月21日(日)
鳥取県 とりぎん文化会館
2017年5月27日(土)
新潟県 新潟テルサ
2017年5月28日(日)
石川県 金沢歌劇座
2017年6月3日(土)
大阪府 岸和田市立浪切ホール
2017年6月4日(日)
奈良県 なら100年会館
ももいろクローバーZ(モモイロクローバーゼット)
ももいろクローバーZ

百田夏菜子、佐々木彩夏、玉井詩織、有安杏果、高城れにの5人からなるアイドルグループ。2008年に「週末ヒロイン」「今会えるアイドル」というキャッチフレーズを掲げ、ももいろクローバーとして結成。2009年7月に1stシングル「ももいろパンチ」をリリースし、2010年5月にはシングル「行くぜっ!怪盗少女」でメジャーデビューを果たした。 2011年4月に行われた東京・中野サンプラザホール公演を最後に、メンバーの早見あかりがグループを脱退。このライブ終了直後、ももいろクローバーZへと改名し、5人編成での活動をスタートさせた。2011年7月にももいろクローバーZ改名後初のシングル「Z伝説 ~終わりなき革命~」「D'の純情」を発表。2012年にはグループ結成当初から目標としていた「NHK紅白歌合戦」への初出場を果たした。2013年4月に2ndアルバム「5TH DIMENSION」をリリースし、2014年3月には女性グループとして初となる東京・国立競技場での単独ライブを成功させた。2015年1月、「ももいろクローバーZ vs KISS」名義でKissとのコラボシングル「夢の浮世に咲いてみな」を発表。また女優としての活動も行い、青春群像小説「幕が上がる」の映画版および舞台版では主演を務めた。2016年2月には3rdアルバム「AMARANTHUS」、4thアルバム「白金の夜明け」を同時リリースし、同月より初のドームツアーを開催。さらに8月には神奈川・日産スタジアムでワンマンライブ「桃神祭 2016 ~鬼ヶ島~」、12月には千葉・幕張メッセでクリスマス公演「ももいろクリスマス 2016 ~真冬のサンサンサマータイム~」、大晦日には神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホールで年越しライブ「第二回 ゆく桃くる桃 ~年またぎ笑顔三昧~」を行った。2017年2月にはライブBlu-ray / DVD「桃神祭 2016 ~鬼ヶ島~」をリリース。4月に初の47都道府県ツアーをスタートさせる。