“君”と一緒に乗り越えた先の「EXCITING!」
──そしてもう1つの新曲「EXCITING!」は、10周年を迎えた今の宮野さんの思いが込められているであろう内容で、ライブでの盛り上がりがありありと想像できるダンスナンバーです。
もちろん今度のアリーナツアーで歌うことを想定して作りました。まずは「EXCITING!」という強い言葉を持つライブがやりたかったんですよ。
──ツアータイトルが先にあったんですね。
「大興奮するようなお祭り騒ぎのライブがやりたい」というイメージだけがまずあって。じゃあその「EXCITING!」なライブを飾る新曲をと考えたときに、やっぱりアガるダンスナンバーが欲しいから、ここはSTYさんにお願いしようと。「一緒に10周年を祝う曲を作ってください」とオファーしました。
──STYさんはダンスミュージックサイドの宮野サウンドを語るうえで欠かせないキーマンですね。「EXCITING!」はガツンとくるダンスミュージックなんだけど、音の端々がすごく上品だなと感じました。
そうなんですよ。少し懐かしいながらも今盛り上がりを見せているレゲトンで、ちゃんと今を感じられる音使いで、やっぱりSTYさんはすごいなと。歌詞は「まさに今ステージで楽しんでいる、その瞬間を言葉にして歌いたい」と伝えて、一緒に作っていきました。プラス、僕が今感じている本気の思いも込めたかったので、それもSTYさんにしっかりと伝えました。音楽活動は10周年ですけど、これまでいろんな活動をしてきた中で感じた思いが僕の中で巡っているタイミングだったんですよ。と言うのも、ちょうど劇団☆新感線の「『髑髏城の七人』Season月<下弦の月>」(2017年11月から2018年2月まで上演された演劇作品)という大きな舞台を終えた直後の制作だったので。
──役者としてのご自身を振り返るタイミングでもあったと。
はい。かけがえのないものをたくさんもらった舞台だったし、本当にいろいろな経験をさせていただいて、幸せな時間でした。その分、すごく過酷でもあり、精神的にも肉体的にも追い詰められて、「もうだめなんじゃないか」とまで思う日もあったんです。そのときに僕が思ったのは「辞めたい」や「逃げたい」じゃなく、「悔しい」だったんですね。それは自分でも少し驚きで。「僕はボロボロになりながらも『もっとやりたい』と思うんだな」って。これがやりたいんだ、ステージに立ちたいんだという自分の根本の思いに気が付いたんです。表現すること、それを届けることが好きで……最高のパフォーマンスが届けられないから、悔しいって思うんだなって。そして、きっと自分はやり続けていくんだなと……それをSTYさんに伝えたら、こんな歌詞が上がってきました(笑)。
──それを1人でもがいてきたのではなく、みんなで一緒に「乗り越えてきたでしょう?」と歌うのは宮野さんらしいなと思いました。あくまで「君と一緒に」戦うという。
うん。そこは10周年の実感ですね。
──“君”はファンのことでもあり、STYさんをはじめとする共に音楽を作り続けてきた仲間たちのことでもあるんだろうなと。
これはSTYさんじゃないと書けないと思いますよ。一緒にいろんな曲を作ってきて、宮野真守の音楽活動における表現の仕方をこんなにも理解してくれてるんだなって。初めて頼む作家さんに同じ思いを伝えてもこの歌詞にはならないだろうし、一緒に歩んできたことが大きいと思うんですよね。
──それが感傷的な楽曲ではなく、底抜けに楽しいダンスミュージックで表現されているのもいいですよね。
そうなんです。そうあるべきだと思ったので。みんながコール&レスポンスで参加できるし……という説明をするまでもなく入っていましたね(笑)。さすがSTYさん!
おじいちゃんになっても歌っていたい
──10周年ライブ「MAMORU MIYANO ARENA LIVE TOUR 2018 ~EXCITING!~ supported by JOYSOUND」は宮野さん初のアリーナツアーとなりました。タイトル通り、エキサイティングなライブになるんだろうなとは思いますけど。
もちろん。タイトルを決めた段階では詳しい内容まで考えていませんでしたけど、タイトルの強さだけで、これはいけるんじゃないかなって(笑)。
──とは言えブログを拝見していると、けっこう前から綿密に打ち合わせを重ねていますよね。
はい。いろんな演出は考えていますけど、シングル曲は全部やろうかと。どういう形で見せるのかはこれからですが、せっかくベストアルバムを出して臨むツアーですので、シングル曲と新曲2曲はなんらかの形でやります、全部。
──やっぱり“アリーナツアー”の響きは宮野さんにとっても特別ですか?
ちょっとビビりますよね(笑)。でも、アリーナだからこそできることもあって。いつものツアーだとホールではこう、アリーナではこう、と会場ごとの違いも考えて構成しますけど、今回はアリーナであることを前提にすべて考えられるので、舞台監督と「だったら何ができるかな」としっかり考えて準備しています。
──かつ今回のツアーでは、途中で1つ歳を重ねるんですね。
そうですね。34歳ラストライブが兵庫で、35歳初ライブが埼玉。
──宮野さんが30歳になる直前、9thシングル「カノン」発売時のインタビュー(参照:宮野真守「カノン」インタビュー)では「若い頃よりも歳を重ねるとことで、できることって逆に増えるんじゃないかな」とおっしゃってましたが、あれから5年経った今はどんなふうに思っていますか?
今は正直……歳を重ねたくはないですね。あははははは(笑)。歳を取りたくないわけじゃないけど、もう少し歩みが遅くてもいいんじゃないかなと(笑)。確かに歳を重ねたことでできることは増えたし、楽しいですよ。ただ、1年が過ぎるのが早くて。
──先ほど「体は消耗品」とおっしゃいましたけど、歳を重ねたことで熟成したビンテージとしての味わいもあると思うんですよ。50歳、60歳になった宮野さんがどう歌い、どう踊るのか。ジジイになった宮野さんも見てみたいんですよね。
おじいちゃんになっても歌っていたいし、踊っていたいですよね。いつまでもステージに立ち続けていたい。最近は将来の目標というとやっぱりそこですね。
※特集公開時、プロフィール文に誤りがありました。訂正してお詫びします。
- 宮野真守「MAMORU MIYANO presents M&M THE BEST」
- 2018年6月8日発売 / KING RECORDS
-
初回限定Blu-ray盤
[CD2枚組+Blu-ray]
4644円 / KICS-93711~2 -
初回限定DVD盤
[CD2枚組+DVD]
4644円 / KICS-93713~4 -
通常盤 [CD2枚組]
3564円 / KICS-3711~2
- DISC 1【SINGLES BEST】
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- Discovery
- …君へ
- J☆S
- REFRAIN
- ヒカリ、ヒカル
- オルフェ
- DREAM FIGHTER
- ULTRA FLY
- カノン
- NEW ORDER
- BREAK IT!
- シャイン
- HOW CLOSE YOU ARE
- SHOUT!
- テンペスト
- The Birth
- DISC 2【SONGS BEST】
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- Kiss×Kiss
- Not Alone
- MOONLIGHT
- Last Around
- SUPER★SOUL
- Beautiful Life
- GOLDEN NIGHT
- THANK YOU
- FOREVER LULLABY
- Identity
- passage,
- Gravity
- EVER LOVE
- POWER OF LOVE
- そっと溶けてゆくように
- EXCITING!
- DISC 3(初回限定盤Blu-ray / DVD)【LIVE BEST 】
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- Prologue -Rush and Fly-(LIVE TOUR 2015 ~AMAZING!~)
- Magic(LIVE TOUR 2015 ~AMAZING!~)
- FRONTIER(LIVE TOUR 2015-16 ~GENERATING!~)
- シャイン -Prince Mix-(LIVE TOUR 2017 ~LOVING!~)
- NEW ORDER(LIVE TOUR 2015 ~AMAZING!~)
- Theme of AMAZING!(LIVE TOUR 2015 ~AMAZING!~)
- 愛の詩~Ulyssesの宴~(SPECIAL LIVE 2013 ~TRAVELING!~)
- Garnet(LIVE TOUR 2014 ~WAKENING!~)
- 恋はホップステップジャンプ(SPECIAL LIVE 2012 ~FIGHTING!~)
- TRANSFORM(LIVE TOUR 2015-16 ~GENERATING!~)
- Happy Happy Birthday(LIVE TOUR 2014 ~WAKENING!~)
- IT'S THE TIME(LIVE TOUR 2012-13 ~BEGINNING!~)
- STY Non Stop Remix(LIVE TOUR 2016 ~MIXING!~)
- Crazy Wonder Night(LIVE TOUR 2016 ~MIXING!~)
- POWER OF LOVE(LIVE TOUR 2017 ~LOVING!~)
- GOLDEN NIGHT(LIVE TOUR 2016 ~MIXING!~)
- そっと溶けてゆくように(Music Video)
- EXCITING!(Music Video)
ツアー情報
- MAMORU MIYANO ARENA LIVE TOUR 2018 ~EXCITING!~ supported by JOYSOUND
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- 2018年6月2日(土)
兵庫県 ワールド記念ホール - 2018年6月3日(日)
兵庫県 ワールド記念ホール - 2018年6月10日(日)
埼玉県 さいたまスーパーアリーナ - 2018年6月16日(土)
愛知県 日本ガイシホール - 2018年6月17日(日)
愛知県 日本ガイシホール
- 2018年6月2日(土)
- 宮野真守(ミヤノマモル)
- 1983年6月8日、埼玉県生まれの声優、俳優、歌手。7歳から劇団ひまわりに所属し、子役として活動を始める。声優としてのデビューは2001年放送のNHK海外ドラマ「私はケイトリン」グリフェン役。以降はアニメ、ゲーム、洋画吹替など幅広く活躍し、2003年にはミュージカル「『テニスの王子様』 Remarkable 1st Match 不動峰」でも高い評価を集めた。ミュージカルや出演アニメのキャラクターソングで歌手としての実力も発揮し、2008年にシングル「Discovery」でアーティストデビュー。2009年3月には1stアルバム「BREAK」を発表した。ライブ活動も積極的に行っており、2013年10月には初の日本武道館公演「MAMORU MIYANO SPECIAL LIVE 2013 ~TRAVELING!~」を大成功に収め、2015年2~3月に開催された全国ツアー「MAMORU MIYANO LIVE TOUR 2015 ~AMAZING!~」では最終公演として日本武道館2DAYSを行った。デビュー10周年を迎えた2018年6月には初のベストアルバム「MAMORU MIYANO presents M&M THE BEST」を発表し、初のアリーナツアー「MAMORU MIYANO ARENA LIVE TOUR 2018 ~EXCITING!~ supported by JOYSOUND」を開催。
2018年6月12日更新