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NIGOと和やかトーク+濃厚インタビュー「ALL SINGLES BEST 2」徹底解剖

コブクロ×NIGO鼎談

ついにコブクロが待望の活動再開を宣言。まずはその挨拶代わりに2作目のベストアルバム「ALL SINGLES BEST 2」がリリースされる。このジャケットのアートワークを手がけたのが、クリエイティブ・メーカーのNIGOである。元々旧知の仲だったというこの3人、プライベートでの交流を訊くと話が止まらないほどの付き合いなのだ。今回の鼎談では、コブクロの2人が60’sライクなシャンプーボトルとなった愛らしいジャケットのビジュアルについて、誕生までの経緯を語ってもらった。

取材・文 / 内田正樹 撮影 / 平沼久奈
スタイリスト / 大村鉄也(Commune) メイク / 中村章浩(Abbey)
衣装協力 / DESOLATION ROW(03-6439-1969)

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コブクロとNIGOの交流

──今回はコブクロのおふたりからNIGOさんへのラブコールがあってこのプランが実現したということですが。ご自身でもTERIYAKI BOYZなどで音楽活動されているNIGOさんは、コブクロの音楽にはどのような印象をお持ちだったのでしょうか?

インタビュー写真

NIGO そうですね……当然のことながら、まず曲がものすごく良くて、そしてメンバーにしかわからない、緻密で、全てが名曲という、印象を持っています。

小渕健太郎黒田俊介 ありがとうございます。

NIGO あとはゼロから始めているというか、何もないところから始めて現在の姿にたどりついている感じが自分とも似ていて共感も持っていました。今回のアルバムジャケットは、シャンプーボトルの制作だけじゃなくてその撮影も自分でやらせてもらったんですが、撮影中もずっとコブクロの曲を聴きながら作業していましたね。

──そもそも3人は以前からお知り合いなんですか?

小渕 はい。たまたま同じ美容室に通っていて。

黒田 だから僕はご挨拶だけで言えば10年くらい前に。

NIGO そうでしたね。

小渕 それから4年くらい前のツアーをNIGOさんが大阪で観に来てくださって。その晩、一緒にお食事をして、それからプライベートでお付き合いをさせていただくようになりました。NIGOさんのご自宅というかアトリエにも、黒田と2人で行かせてもらって。

黒田 すごいんですよ、NIGOさんのアトリエ。おもちゃ箱みたいで(笑)。僕はオーディオ好きなんですが、NIGOさんとこにはとんでもないアンプが置いてあって、それで話が弾んだり。実はですね、小渕はアホやから、それこそ僕らがまだストリートで歌っていた頃、お金もないのにだいぶ無理してBAPE(A BATHING APE)を買って、がんばって着ていたんですよ(笑)。

小渕 僕と黒田が組んでまだ間もない頃だったよね。僕、お店に並んで買っていましたからね。もう、ホンットにお金がなくて、ガソリン代にも困っていたのに(笑)。

NIGO ありがとうございます(笑)。

小渕 ところがそこで事件が起きて。そんな必死な思いで買ったTシャツを、あるとき、当時移動や着替えに使っていた黒田の車に置き忘れたんですよ。そうしたらなくなってしまって。で、あとで発覚したんやけど、なんとそのTシャツ、黒田のオカンのものになっていたという。

一同 あははははは!(笑)

黒田 僕が間違えて持って帰って洗濯したら、母親が「これカッコええやないの?」って着てた。おしゃれな母親でしょ?(笑)

小渕 それ以来、もう絶対に黒田の車にはモノを忘れんようにしてる。

NIGO (笑)。

背中を押されたNIGOの一言

インタビュー写真

小渕 NIGOさんのデザインが好きだったっていうのもあるんですけど、実際僕はすごく洋服が好きで、実はもう1個エピソードがあって……。僕、サラリーマンを辞めてストリートで歌い始めたんですけど、やっぱりギリギリまで「本当に会社辞めちゃってもいいのかな?」という葛藤があったわけ。そんなときNIGOさんが何かの書籍か雑誌のインタビューで「好きなことをやりたいなら、会社を辞めなさい」って言っていたのを見て「よし!」と決意して辞めることができたんです。

NIGO ああ、それ、言ったことあります。何かビジネス系の本の取材を受けて。最近、やっぱり同じ記事を見てフリーになったっていうカメラマンの人に会いましたね(笑)。

黒田 わ、じゃあもしかしてその時期、異様に脱サラ率が高かったのかも?(笑)

小渕 すごくシンプルな1行だったけど、響きましたね。黒田と組むときに「僕、絶対会社は辞められないよ」と前置きしていたんですが、あれを読んだ途端「俺、絶対やってること、違うわ!」って思えて。あと覚えているのは「会社の調子が悪くなってから辞めないほうがいい」って。絶頂のときに辞めたほうがいい、といったことが書いてあった。もう14年くらい前の話ですね。

NIGO 結構無責任なこと言っちゃってますね(笑)。でもその真意は、何より僕自身がそうだったから、そのときはそれを自然に言ってしまっただけなんでしょうけどね。

ベストアルバム「ALL SINGLES BEST 2」/ 2012年9月5日発売 Warner Music Japan

収録曲
DISC 1
  1. 蕾(つぼみ) ※フジテレビ系月曜夜9時連続ドラマ「東京タワー~オカンとボクと、時々、オトン~」主題歌
  2. 風見鶏 ※Benesse 進研ゼミ高校講座 CMソング
  3. 蒼く優しく ※日本テレビ系土曜ドラマ「ドリーム☆アゲイン」主題歌
  4. 時の足音 ※日本テレビ系火曜ドラマ よる10時「オー!マイ・ガール!!」主題歌
  5. 赤い糸 ※NISSAY CMソング
  6. ベテルギウス ※日産CUBE CMソング
  7. 虹 ※JAL×コブクロ コラボレーションソング / 全国民放53局「MEET THE MUSIC」フィーチャリングソング
  8. Summer rain ※TV東京系アニメ「クロスゲーム」オープニングテーマ
  9. STAY ※TBS系ドラマ 日曜劇場「官僚たちの夏」主題歌
  10. WINDING ROAD(絢香×コブクロ) ※日産CUBE CMソング
  11. あなたと(絢香×コブクロ) ※日産CUBE CMソング
DISC 2
  1. 流星 ※フジテレビ系月曜9時連続ドラマ「流れ星」主題歌
  2. Blue Bird ※「バクマン。」オープニングテーマ
  3. 君への主題歌 ※2010「冬の東京タワー」CMイメージソング / フジテレビ「めざましテレビ」第2回ロープジャンプ小学生No.1決定戦テーマソング
  4. あの太陽が、この世界を照らし続けるように。 ※映画「岳-ガク-」主題歌
  5. シルエット ※H.I.S. TV-CMソング
  6. 蜜蜂 ※NTT西日本・企業広告 TV-CM
  7. 焚き火の様な歌 / New recording
  8. ココロの羽 / New recording
  9. 太陽のメロディー(今井美樹×小渕健太郎with布袋寅泰+黒田俊介)
  10. 交響曲第5296番 / New recording
コブクロ(こぶくろ)

コブクロ

1998年、路上ライブをしていた小渕健太郎と黒田俊介が出会い結成。2000年3月に梅田バナナホールで初ワンマンライブを敢行し、2001年シングル「YELL~エール~」でメジャーデビュー。2005年に発売したシングル「ここにしか咲かない花」「桜」がロングヒットを記録する。2006年5月には初の日本武道館公演を大成功に収め、続いてリリースしたシングルコレクションアルバム「ALL SINGLES BEST」は300万枚を超える大ヒットに。その後も数々のヒット曲やコラボ作を発表し、活動の幅をさらに拡大させるが、2011年8月に小渕が発声時頸部ジストニアを患っていること、黒田も持病の腰痛や喉の疲労が悪化したことから、療養期間に入る。そして2012年4月に活動再開を発表。9月にベストアルバム第2弾「ALL SINGLES BEST 2」のリリースと、大阪でのフリーライブ「FAN'S MADE LIVE」の開催を控えている。