「ホントにCharが弾いてる！」

──「チャーのフェンダー」にCharさんが参加しているのも、このアルバムの聴きどころですよね。

暴動　そうですね。ミックスのときは悩みましたけどね。「7割くらいCharさんの音で、俺らは3割くらいでいいです」って言ったんだけど、そうもいかなくて。

遅刻　ハハハハハ（笑）。

暴動　スタジオにCharさんが来て、俺がフレーズを教えたんですよ。そしたら、アンプを通さない生のギターの音も全然違うんですよね。

石鹸　へー！

暴動　「あ、鳴りが全然違うんだな」って思いましたね、そのとき。やっぱりうまいなあって。まあ、当たり前なんですけど。

石鹸　Charさんがギターを入れる日にスタジオに行けなかったんですけど、できあがった音源を聴くと、ウチの2人のギター（暴動、遅刻）とは全然違うアプローチなんですよ。もうね、それを聴いたときはニヤッとしちゃいましたね。「ホントにCharが弾いてる！」って。

暴動　Charっぽいよね。

遅刻　レコーディングのときに「Charさんらしいギターですよね」って言ったら、「自分ではわからないんだよね」って言ってました。ビブラートとかピッキングとか、すぐに「Charさんだ」ってわかる弾き方なんだけど、ご自分では意識してないみたいで。

暴動　音を聴いただけで、誰が弾いてるかわかる人の筆頭だからね。

石鹸　ストラトとかムスタングとか、歌詞（「いえー！ストラトキャスター ぎゃお！ムスタングにジャズマスター うー！テレキャスター」）に合わせてホントにそのギターを弾いてくれたしね。

暴動　しかも、ギターの種類に合ったフレーズを弾くんですよ。すごいですよね……って、これも当たり前なんだけど（笑）。

──Charさん、間奏のところで破壊さんと一緒にコントもやってますね。

暴動　もともとローディのコントがあって、Charさんはそれも気に入ってくれてたんですよ。だから、今回もローディのコントがいいだろうなと思って台本を書いて。意外とギャグが好きなんですよね。全然カッコつけないんですよ、カッコいいから。

小園　そういえば自分で考えたコントがあるって、内容を話してくれましたよ。「とある酒場に……」って楽しそうに（笑）。

石鹸　関係ないけど、「8時だョ！全員集合」にも出てたからね。「闘牛士」の頃に。

暴動　あの頃の人はお笑いもできないとダメだったんだろうね。野口五郎さんとか、西城秀樹さんとか。

石鹸　Charさんがコントをやってたかどうかは知らないけど、たぶん少年少女合唱団には出てたんじゃないかな？

「中田が好き」から「羽生くんが好き」にアップデート

──そして「欧陽菲菲」には欧陽菲菲さんがゲストボーカルとして参加。

暴動　それは（横山）剣さんが喜んでくれてました。あの曲はもともと作詞も剣さんだし。ああいう本人の登場の仕方も面白いですよね。

石鹸　本人が自分の名前を歌ってるっていうね。

暴動　歌詞を送ったら「“あれは欧陽菲菲！”って私が歌うのはおかしい」って言われました（笑）。

遅刻　歌い出しを聴いたとき、「やっぱりすごいな」って思いましたね。Charさんと同じように“っぽさ”がすごく濃くて。

暴動　自分でも何が欧陽菲菲っぽいのかわからないんだろうね（笑）。

──そのほかにも歌詞の部分で細かい変更点があって。例えば「嫁とロック」で「嫁は嫁は嫁は中田が好き」のところが「羽生くんが好き」になってたり。

暴動　変えたいところと変えたくないところがあったんですよ。「嫁はMISIAが好き！」のところはMISIAじゃないと面白くないと思ったんだけど、サッカーの中田は引退してるから変えたほうがいいなとか。アップデートしてる部分もあり、あえて変えてないところもありっていう感じですね。

──「Over 30」のエンディングで遠藤ミチロウさんの「お母さん、いい加減あなたの顔は忘れてしまいました」のパロディが挿入されてるのも強烈ですよね。「お母さん、中2の夏からシコってます」っていう（笑）。

暴動　アコギを入れたのもM.J.Q（遠藤ミチロウのソロユニット）っぽくしたかったからなんです。で、「最後を『お母さん～』にしたら面白いな」って思って。もとの曲を知らなくても面白いんじゃないですかね。

石鹸　もとの曲を知ってる人だったら、さらに楽しめるしね。