「でかどんでん」とは

──で、「でかどんでん」ってなんなんですか？

安本　マジ卍ですよ。

小林　めっちゃ気軽に言える感じ。特に言葉に意味はないんです。

星名　あわよくば流行語大賞を狙いたい（笑）。

──テレビの曲フリとか短い尺で「でかどんでん」のことを紹介しなくちゃいけないとき、どう言うのかなと。例えば「『COUNT DOWN TV』をご覧の皆さん、こんばんは。私立恵比寿中学です」のあとになんと説明するか。

真山　……超困るんですよ、ホントに。

小林　皆さんこんばんは。「でかどんでん」は、本当にでかどんでんという曲です。

──ライブ初披露直後にTwitterなどで反応を見ていたら「ライブで盛り上がる」と言っている人、すごく戸惑っている人などいろいろいる中で「歌詞が全然わからない」という人も何人かいましたね。ライブの場でも歌詞をちゃんと聴こうとしている人がけっこういるんだなと。

安本　知ってもたぶん「お、おう」って感じになると思います（笑）。

星名　なんも意味ないもんね。

真山　なんも意味ないのかな……って最近は3周ぐらい回ってそう思うようになりました。何か深い意味が込められてるんじゃないかなって。U-re:xさんがどんな気持ちで書いたのか、インタビューしたいですもん私。

安本　裏に泣けるストーリーがあったらどうしよう（笑）。でも確かに、ずっと難しいことばかり考えてきたから、ここで何も考えずにワーッとやるのは新しいスタートとしていいなと思います。

柏木　あと「でかどんでん」はカップラーメンを作るのに最適。3分9秒しかないんですよ。エビ中のシングル史上一番短い。

中山　テレビサイズで1曲全部歌えないこともあるけど、「でかどんでん」はほぼ歌えちゃう。

柏木　カップラーメンを作るときって何もすることがないけど、「でかどんでん」を流しておけば楽しい気分になります（笑）。

星名　短いし、同じ言葉を繰り返しているからキャッチーですよね。すごく耳に残る。レコーディングが終わったあとも「でかどんでん」がずーっと頭に残っていて（笑）。テレビでちょっとだけ観た人に、そのわけわかんない言葉が耳に残ったら勝ちかなと思います。

安本　海外の人にも響きそう。「Dekadonden?」って。

バラエティに富んだカップリング曲

──ではここからカップリング曲についての話を。まずは「熟女になっても feat. SUSHIBOYS」。

星名　最初に確認されました。「熟女になっても中学生、みたいな歌だけど平気？」って（笑）。

真山　さつき が てんこもりさんから「ラップ曲で、DISるわけじゃないけど“熟女”をテーマにした、ちょっとふざけた曲を作ろうと思うけどいい？」という確認があって。「フリースタイル・ダンジョン」（テレビ朝日系列で放送中のフリースタイルラップバトル番組）も流行ってるし、面白い内容ならいいんじゃない？ と思ってたんですけど、タイトルになるとは聞いてなかったです（笑）。

星名　エビ中の曲には今までもラップが入った曲はあったけど、ずっと“なんちゃってラップ”だったので、本物のラッパーの方とコラボする日が来るとは思ってなかったし、SUSHIBOYSさんのラップがめちゃめちゃ入っているので、むしろどっちがフィーチャリングされてるのかわからない（笑）。

柏木　絶対「SUSHIBOYS feat. 私立恵比寿中学」のほうがふさわしい。

──「スウィーテスト・多忙。」はNONA REEVESの西寺郷太さんやカメラ＝万年筆の佐藤優介というポップス畑の人たちが参加しています。

小林　ハッピー感があってすごく好きです。

真山　西寺さんが歌詞を書いてくださると聞いて……私、花澤香菜さんが大好きなのですごく楽しみにしていたんですけど、予想外にめちゃめちゃふざけた歌詞で（笑）。エビ中のことを考えて、楽しんで書いてくださったんだろうなって。

星名　大人のふざけが詰まった曲。

安本　ゆるく踊る感じのおしゃれなサウンドが、今までのエビ中にない新しい感じで。

中山　Negiccoさんとかに近い感じ。

真山　あと、この曲はひなたが振り付けをするんですよ。

柏木　6人体制でフォーメーションを変えるとき、私もちょこちょこ考えさせてもらっていて。校長にも「いつかは振り付けをしたい」って前から話してたんですよ。それが今回、春ツアー3本目のときに校長に呼ばれて「ちょうどこの曲の振り付けをこれから決めるから、やってみないか」って急に言われたんです。6人体制の第1弾シングルの中でそれができたのはすごくうれしいです。

──では最後に「響」について。

星名　最近の私立恵比寿中学の本当の姿と言うか（笑）。

真山　どれも本当だけどね（笑）。

星名　歌に真剣に向き合い始めたエビ中の、積み重ねた積木の一番上にあるのが「響」かなと思います。

──後藤まりこさん、AxSxEさんというクレジットだけ見るとエキセントリックな曲が想像できますけど、予想外にストレートなポップソングでした。先ほど話に出たように、「響」が表題曲だと最近のエビ中っぽさはあるけど、あえてそうせず今回は振り切ってみるという意思を感じます。

安本　決まりのイメージを作りたくないのかも。エビ中はいつも「こうだよね」と思った頃に「おお、こっち？」となる。

真山　今回「でかどんでん」「熟女になっても」「スウィーテスト・多忙。」と面白路線が多いので、より「響」が響いてくる。

小林　「響」が響く。おおー。

真山　6人体制の走り出しの1曲、新体制を象徴する1曲になっているので、今回のツアーでは最後に「響」を歌っているんです。エビ中は今年9周年なんですけど、私たちはずっとエビ中ファミリー（エビ中ファンの呼称）と一緒に成長してきたと思うんですよ。いろんな感情をもらって心も成長した私たちをギュッと込められる曲なので、「やっぱエビ中っていいよね」と感じてもらえたらと思います。