SPYAIR恒例ライブ「JUST LIKE THIS」の歩みを振り返った初日、“15”に隠された不思議な縁

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SPYAIRが9月27日、毎年恒例の野外ワンマンライブ「JUST LIKE THIS 2025」の初日公演を山梨・河口湖ステラシアターで開催した。

SPYAIR「JUST LIKE THIS 2025」初日公演の様子。

SPYAIR「JUST LIKE THIS 2025」初日公演の様子。

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「JUST LIKE THIS」は2015年に初開催され、SPYAIRの夏の恒例行事となっている野外ワンマンライブ。今年は初の2日間開催で、初日は“History of JUST LIKE THIS”、2日目は“History of ANIME”と、異なるテーマを設けて行われた。初日は歴代の「JUST LIKE THIS」のテーマソングとして制作された楽曲を中心としたセットリスト。SPYAIRがこれまで歩んできた軌跡をファンとともに振り返るひとときとなった。

歴代の「JLT」テーマソングを続々披露

開演時刻を迎えた湖畔のシアターに心地よい初秋の風が吹き抜け、可動式の屋根が開く中でYOSUKE(Vo)、UZ(G)、MOMIKEN(B)、KENTA(Dr)とサポートメンバーのtasuku(G)がステージに登場。2017年の「JUST LIKE THIS」のテーマソング「THE WORLD IS MINE」でライブの口火を切った。

SPYAIR

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「ようこそ、SPYAIRのライブへ!」というYOSUKEの挨拶に続いては「FEEL SO GOOD」「RE-BIRTH」と歴代のテーマソングを連投。初日のテーマカラーである青色のグッズTシャツを着たオーディエンスの大合唱が青空の下にこだまする。加入から2年半を経た自らの軌跡を確かめるように伸びやかな歌声を響かせたYOSUKEは「今日は“History of JUST LIKE THIS”というテーマですけど、しっかりといつも通りのSPYAIRの音を聴いてほしいので。いろんな曲をやっていきます」と笑顔で語り、ファンの期待を高めた。

SPYAIR「JUST LIKE THIS 2025」初日公演の様子。

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その後のパートでは「イマジネーション」「轍~Wadachi~」「B-THE ONE」「ファイアスターター」と、バンドのキャリアに確かな彩りを加えてきたシングル曲を披露する。「轍~Wadachi~」ではYOSUKEの「足元に気をつけて、でも高く跳んでくれよ!」という言葉に応え、MOMIKENとKENTAが刻む軽快なビートに乗せてオーディエンスが笑顔でジャンプを繰り返した。「B-THE ONE」のUZのラップパートではYOSUKEが肩を並べて声を重ねる場面も。そんな2人に負けじと、観客もUZのギターソロとシンガロングの掛け合いを響かせた。

メジャーデビュー15周年で明かされた“15番”の計画

夕暮れを迎えた頃には「Buddy」が披露され、徐々に暗くなっていく場内にセンチメンタルなムードをもたらした。続いて届けられたのは「青」。メンバーたちは何度も上を見上げ、空へと思いを乗せる。観客も彼らの熱演に応え、高く高く腕を挙げてその音に酔いしれた。

YOSUKE(Vo)

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中盤のMCで、KENTAは青く染まった客席を見渡し「真っ青やで君たち!(笑) 出てきたときビックリした」とこの日ならではの光景を喜ぶ。当日に河口湖入りしたKENTAは大渋滞に巻き込まれたとのことで「リハに間に合うかな?と思いました。皆さんと一緒です」、同じく当日入りしたというUZも「今日、腰が痛くて……」と苦笑い。MOMIKENは「ホントにさ、なんで前乗りしないのよ(笑)。まあでも各々の整え方ってあるよね」とフォローした。

SPYAIR「JUST LIKE THIS 2025」初日公演の様子。

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今回のライブグッズとして用意されたサッカーシャツには「15」という背番号があしらわれている。SPYAIRが今年メジャーデビュー15周年を迎えたことを記念したデザインである一方、KENTAは「実はYOSUKEが加入した頃からの計画で。YOSUKEのオーディション番号が15番だったんですよ」と、2022年に行われた新ボーカリスト募集オーディションの番号にちなんだデザインだったことを明かしてファンを驚かせる。「“15番Tシャツ”はいつか出そう、と決めていて。YOSUKEが加入したからといって15年まで来られる確証はなかったけど、『ハイキュー!!』さんのおかげで『オレンジ』がヒットして、15周年を迎えられました」とここまでの道のりを振り返る、そんなメンバーたちのトークに続いてステージに現れたYOSUKEは、客席からの声に「俺のこと『15番!』って呼ぶなよ!(笑)」とツッコんだ。

「15番でSPYAIRに入れてよかった」

「“History of JUST LIKE THIS”なので、次も『JUST LIKE THIS』のテーマソングをやりたいと思います」というYOSUKEの言葉に続いては、2021年のテーマソングである壮大なロックバラード「All I Need」を披露。ステージ後方の大きなミラーボールが輝く中でUZ、MOMIKEN、KENTAが鳴らすダイナミックな音像と、YOSUKEのときに切なく、ときに力強い歌声が観客の胸にじっくりと響き渡った。

UZ(G)

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後半では「INSIDE OF ME」「PRIDE OF LIONS」「We'll Never Die」と、SPYAIRの本領発揮とも言えるラウドなロックチューンが続く。「RAGE OF DUST」ではステージを飛び降りたYOSUKEが客席中層で歌うサプライズを繰り広げ、場内をさらなる狂乱へと導いた。「全力で行けますか?」というYOSUKEの言葉からは、いよいよ今年のテーマソングである「Bring the Beat Back」へ。KENTAが刻む硬いスネアの音に乗せ、客席からは新曲とは思えないほど息もぴったりのハンドクラップが轟いた。

MOMIKEN(B)

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7月にリリースされたばかりの疾走感に満ちた新曲「Chase the Shine」でポジティブなムードを充満させたあとは「サムライハート(Some Like It Hot!!)」でオーディエンスがタオルを振り回し、一体感をピークに高める。YOSUKEは「また来年も『JUST LIKE THIS』をやりたいです。こうやってたくさん歌って遊んで騒げる、そんな『JUST LIKE THIS』をまた作れたらいいなと思ってます」と語り、「最後に1つだけ言わせてください。オーディション番号15番でSPYAIRに入れてよかったです」と笑顔を見せた。ラストナンバーは「オレンジ」。「JUST LIKE THIS」を続けてこられた喜びを表すかのような万感の演奏で本編が締めくくられた。

KENTA(Dr)

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日本のバンドの誇りを持って、SPYAIRは海外へ

アンコール1曲目「THIS IS HOW WE ROCK」のイントロではブルーのテープキャノンが放たれ、ヘビーなアンサンブルをド派手に飾る。サッカーシャツに身を包み、15番を背負ったYOSUKEは「俺サッカー部だったんだけど、初めてもらった背番号が15番だったの思い出した!」と不思議な縁を明かしてメンバーやファンを驚かせた。そして「1年経っても変わらないものがここにありました、ありがとう。これからも僕たちと一緒にマイペースに生きていきましょう。11月からはもらったパワーをしっかり背負って、日本のバンドの誇りを持って、海外で戦ってきます」と11月から始まる海外公演へと思いを馳せた。

アンコールでサッカーシャツを着用し“15番”を背負ったYOSUKE(Vo)。

アンコールでサッカーシャツを着用し“15番”を背負ったYOSUKE(Vo)。 [拡大]

最後を飾った曲は、このライブでしか披露されない「JUST LIKE THIS」。これからも続けていきたいという4人の思い、またこの会場に集まりたいというファンの思いを乗せた美しいサウンドが、2日目へとバトンをつないだ。

SPYAIR「JUST LIKE THIS 2025」初日公演の様子。

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セットリスト

SPYAIR「JUST LIKE THIS 2025」2025年9月27日 河口湖ステラシアター

01. THE WORLD IS MINE
02. FEEL SO GOOD
03. RE-BIRTH
04. イマジネーション
05. 轍~Wadachi~
06. B-THE ONE
07. ファイアスターター
08. Buddy
09. 青
10. All I Need
11. INSIDE OF ME
12. PRIDE OF LIONS
13. We'll Never Die
14. RAGE OF DUST
15. Bring the Beat Back
16. Chase the Shine
17. サムライハート(Some Like It Hot!!)
18. オレンジ
<アンコール>
19. THIS IS HOW WE ROCK
20. JUST LIKE THIS

※記事初出時、本文に誤りがありました。お詫びして訂正します。

撮影:鳥居洋介、野口みみ

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SPYAIR STAFF @SPYAIRSTAFF

\LIVE REPORT/

#音楽ナタリー にて
『JUST LIKE THIS 2025』DAY1
ライブレポートUP✨

@natalie_mu
#SPYAIR #SPYAIR_JLT2025 https://t.co/xpSGA0bepL

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