映画ナタリー Power Push - テラヤバい!映画「テラフォーマーズ」大解剖
伊藤英明×山下智久編
ワクワクした特殊メイクも、2日経ったら「もうやだ!」(笑)(伊藤)
──原作ファンは変異後の姿も気になるところだと思います。
山下 初めて鏡で変異後の姿を見たときは「特殊メイクってすごい!」っていうのと、「これ俺ってわかんないよな?」って思いました(笑)。
伊藤 いやでも、わかるよ? 目力とかさ。あと声がいいよね、山Pは!
山下 ほんとですか? ありがとうございます。
伊藤 俺は「こんな姿でやれるんだ!」ってワクワクしてたけど、2日くらい経ってゾッとしましたね。「これずっと続くのか……もうやだ!」って(笑)。
──あの特殊メイクにはどれぐらい時間がかかるんでしょうか?
伊藤 最初の頃は2時間半ぐらいかかりましたね。最後のほうは1時間半ぐらいだったけど。強度が必要だからしっかりメイクしていて、剥がすだけでも1時間ぐらいかかってましたよ。まあ俺は5分ぐらいでピュっと取っちゃうんだけど(笑)。
山下 いつも特殊メイクさんから「絶対に伊藤さんのマネしないでください!」って言われてました(笑)。
伊藤 ははは!
──あれだけ姿が変わってしまうと、演技する際に感情を出すのが難しかったのでは?
山下 自分の顔の見え方がわからなかったですね。
伊藤 そうだね。だからメイクしている状態で、鏡の前で「こうすれば怖く見える」とか表情を作ったりしていました。変異中には凶暴性が増したような感じにしたかったので。あとは全体的に大きく見せることを意識しましたね、姿勢とか。
山下 僕も自分が思っているより感情を2段階ぐらい上乗せして演じるよう心がけていました。それぐらいで、ようやくちょうどよくなる。でも1個1個エネルギーを使ったので、すっごい疲れましたね。
伊藤 みんなリアルなお芝居というより大げさにやっていたかな。
女性には「男ってこういうの好きだよね」と思いながら観てほしい(山下)
──実際に完成した映像を観ていかがでしたか? 驚いたシーンなどはありますか?
伊藤 ケイン(・コスギ)さんのアクション、あれは「すげー!」って。自分も(宇宙服を)着ているから大変さがよくわかってるじゃないですか。衣装の重さとかも知ってるし。だからよくあれで回ったり飛んだりできるなと。トントントンって3段蹴りやってるんですよ。
山下 僕はCGのクオリティにびっくりしました。想像していた何倍もすごい出来だったし、自分のアクションシーンも上半身と脚のバランスをいい具合に仕上げてくださっていました。
──どのような映像になるか想像がつかない中、不安になることも多々あったと思います。いったい何を信じて最後まで突き進むことができたのでしょうか。
伊藤 それはやっぱり、このキャストとこのスタッフ、そして三池監督だったからですね。監督の自信満々な、うれしそうな、楽しそうな顔です。監督はわかってるんですよ、全部。撮ってるときはみんなクオリティなんてわかんないじゃないですか。でも監督はそのクオリティを信じて撮り続けた。不安や悩みもありましたけど、作品をよりよくするために試行錯誤するのは“いい悩み”ですよね。
山下 三池監督が役者に対して絶大な信頼を置いてくれていたので、僕らも自由にできたんだと思います。
──監督とキャスト、それぞれの信頼がお互いを奮い立たせていたんですね。
伊藤 それに俺は原作を知らなかったんですけど、もうキャスト聞いただけでワクワクしましたからね。ものすごい濃いメンバーそろったなっていう。男の映画じゃないですか。もちろん女性陣の活躍にも驚いてほしいですが。
──伊藤さんから“男の映画”という言葉が出ましたが、最後に女性ファンにも一言お願いいたします。
山下 男が単純にワクワクするような映画なので、女性には「ああ男ってこういうの好きだよね」って感じでちょっと上から観ていただけたら(笑)。性別、年齢問わず楽しめるエンタテインメントど真ん中の作品なので、女性同士でも観ていただけたらうれしいです。
──ありがとうございます。ちなみに本作に登場する敵、テラフォーマーは“ある生物”が異常進化したものですが……山下さんは“ある生物”が部屋に出てきたらどうしますか?
山下 そうですね。守ってあげたい人たちがその場にいたらがんばりますけど……僕1人だったらきっと逃げ出します(笑)。
- 「テラフォーマーズ」2016年4月29日より全国公開
- 「テラフォーマーズ」
あらすじ
21世紀、地球の人口は爆発的に増加し、人類は火星地球化計画を実行。苔と“ある生物”を火星に送り、気温を上げることで地球化させようとした。それから500年の歳月が過ぎ、生物を駆除するため15人の隊員が火星へ派遣されることに。簡単な仕事のはずだったが、そこにいたのはヒト型に異常進化を遂げて凶暴化したテラフォーマーたち。出発前に特殊能力として昆虫のDNAを授かった隊員たちは、変異して超人的なパワーを発揮。人類と異常生物による生き残りを懸けた戦いの火蓋が切って落とされる。
スタッフ
- 監督:三池崇史
- 原作:貴家悠、橘賢一(週刊ヤングジャンプにて連載中)
- 脚本:中島かずき
- 主題歌:三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE「BREAK OF DAWN」
キャスト
- 小町小吉:伊藤英明
- 秋田奈々緒:武井咲
- 武藤仁:山下智久
- 蛭間一郎:山田孝之
- ゴッド・リー:ケイン・コスギ
- 森木明日香:菊地凛子
- 堂島啓介:加藤雅也
- 大張美奈:小池栄子
- 大迫空衣:篠田麻里子
- 手塚俊治:滝藤賢一
- 連城マリア:太田莉菜
- 榊原:福島リラ
- 本多晃:小栗旬
©貴家悠・橘賢一/集英社 ©2016 映画「テラフォーマーズ」製作委員会
伊藤英明(イトウヒデアキ)
1975年8月3日、岐阜県生まれ。1993年、第6回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストで準グランプリを受賞する。2000年に「ブリスター!」で映画初主演。海上保安官の活躍を描いた「海猿」シリーズで劇場版・ドラマ版ともに主演を務め、劇場版第2作「LIMIT OF LOVE 海猿」は2006年の邦画実写作品で興行収入第1位を記録した。三池崇史作品には、これまで「スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ」「悪の教典」「喰女 -クイメ-」に出演している。主演ドラマ「僕のヤバイ妻」がフジテレビ系にて放送中。
山下智久(ヤマシタトモヒサ)
1985年4月9日、千葉県生まれ。ジャニーズJr.の一員として活躍した後、2006年に「抱いてセニョリータ」でソロCDデビュー。この曲が主題歌となったドラマ「クロサギ」で初の単独主演を果たし、以降ドラマ「プロポーズ大作戦」「ブザー・ビート~崖っぷちのヒーロー~」「SUMMER NUDE」「アルジャーノンに花束を」などに主演。また映画主演作に「映画 クロサギ」「あしたのジョー」「近キョリ恋愛」がある。音楽活動も継続して行っており、今年1月にベストアルバム「YAMA-P」をリリース、6月9日よりコンサートツアー「Tomohisa Yamashita The Best Live Tour 2016 Future Fantasy」を開催。