小芝風花が主演を務めるドラマ「波よ聞いてくれ」がテレビ朝日系で毎週金曜に放送中。地上波放送終了後には、TELASAでの見放題配信も行われている。
映画ナタリーではTELASAオリジナルのスピンオフドラマ「波風よ立ってくれ」で主演を務めた片寄涼太と、中村ゆりかの対談をセッティング。同作では主人公・鼓田ミナレに思いを寄せるスープカレー屋の同僚・中原と、超過保護な兄から解放されたマキエのドキドキ同居生活が描かれる。その魅力を一言で表すと「監禁ラブコメ夢ドラマ」だとか。ともに再共演となる小芝風花のこと、だいぶおかしな(!?)「波よ聞いてくれ」の世界観、そして本編に負けず劣らずカオスなスピンオフの魅力を聞いた。
取材・文 / 奥富敏晴撮影 / 間庭裕基
20歳の頃よりチャラくなった!(中村)
──小芝風花さん演じる主人公の鼓田ミナレは金髪がトレードマークのキャラクターですが、最初に見たときの印象は?
中村 もう見慣れちゃったのはあるんですけど、初めの頃は「攻めてる!」って思いました。すごく似合うし、何も違和感がなくて、すんなり入り込めました。ミナレのやさぐれ感や気の強い破天荒な雰囲気もマッチしていて。
片寄涼太 金髪に染めるとは聞いていたので、どんな感じになるんだろう?と想像はしていたんですけど。会ってみたら、めちゃめちゃぴったり。すごく似合うし、役への気合いを感じましたね。
中村 ちょうど20歳のときに風花ちゃんと初めて共演したんですけど、そのとき2人で撮った写真と見比べたんです。そして「お互いにチャラくなったね!」と話していました(笑)。
片寄 普通、逆じゃない? 昔のほうがチャラいわけじゃないんだ。
中村 昔が2人とも黒髪ロングであどけなさすぎて(笑)。広島で撮影していたんですけど、2人でお好み焼き屋さんに行ったり、カラオケに行ったり。だいぶ記憶がよみがえってきましたね。久しぶりに会うと、グンッと大人になっていて。ミナレは強烈でインパクトもある。現場でも日々、刺激を受けています。
片寄 ミナレはセリフ量もすごいし、何かと突っ走らないといけない役。撮影現場でも、お芝居の中でも、サポートじゃないですけど、チームとしてミナレにガッといかせなきゃと思いながら、接している部分はありますね。
登場人物にまともな人がいない!?
──スープカレー屋で働くミナレが、予想外なきっかけからラジオパーソナリティとして開花する物語ではありますが、原作マンガには、なかなか現実離れしている描写が多いので、実写化には驚きもありました。
中村 原作、すごく迫力ありますよね。急にクマが出てきたり……!
片寄 自分も原作を読んで「どうやってやるんだ?」とすごく思っていました。実際に台本も読んで「本当にやるのか」という感じもあって。でも、そういう意味ではマキエさんも、ほかのメンバーもみんなマンガから飛び出してきたみたいな、ハマり役の人が多くて。自然に「波よ聞いてくれ」の世界が表現されていると思います。
──ドラマはラジオ局やスープカレー屋で働く人々の群像劇でもありますね。
中村 登場人物に、まともな人がいないんです(笑)。
片寄 意外とマキエさんが一番まとも? 一周回って。
──物語ではミナレ、中原、マキエの三角関係の行方も1つの軸になると思います。中原はミナレに一途で、マキエは中原に思いを寄せていきますが、中村さんから見て中原の魅力はどんなところでしょう。
中村 鈍感すぎるところ。そこが憎めないです。マキエがチラッと中原を見ながら「私は好きな人がいるんです」と言うシーンがあるんですが、本当に気付かないので、鈍感すぎてイライラするぐらい(笑)。
片寄 確かに、それも1つの魅力なのか(笑)。中原は困っている人を見捨てられない、すごくいいやつなんです。だからこそ、家に帰りたくない事情があるマキエさんを、恋愛感情として好きなわけじゃないのに、家に呼んで同居生活を始めてしまう。面倒見がいい男ですね。
──では片寄さんから見て、中村さん演じるマキエの魅力は?
片寄 過保護すぎる兄に軟禁されていたという設定が、ある種、マキエを無垢な存在にしていて。そこから外の世界で何か1つずつ感動を得て、自分の世界を広げていく。マキエのそういった純粋なところは素敵ですね。
中村 マキエは好奇心が強いので、中原さんとミナレに刺激を受けながら、素直な純粋な気持ちで動いているんですよね。だからほかの人より、真面目に見えるのかな。
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第5話は“マキエ回”