片寄涼太×中村ゆりか「波よ聞いてくれ」対談、スピンオフは“監禁ラブコメ夢ドラマ”?中原とマキエが愛らしくなる同居生活 (2/2)

第5話は“マキエ回”

──ラジオを通じた元カレへの復讐劇や幽霊が現れる部屋への突撃、ストーカーへの公開説教など、常識外れの展開も多くて、なんの気なしに観ていると「あれ? なんかおかしなドラマだぞ」と思う作品ですよね。

片寄 かなりおかしいですよ(笑)。

中村 ミナレがしゃべるラジオの内容が映像として再現されていて。現実と非現実を行き来するので、ちょっと不思議な感覚になるかも。でも、このドラマにしかない持ち味で、自信を持って面白いと思えます。

「波よ聞いてくれ」第1話で、ミナレは“元カレを埋葬する架空実況”を行った。

「波よ聞いてくれ」第1話で、ミナレは“元カレを埋葬する架空実況”を行った。

「波よ聞いてくれ」第2話では、陰陽師のコスプレで“死臭のする幽霊部屋”を突撃取材。

「波よ聞いてくれ」第2話では、陰陽師のコスプレで“死臭のする幽霊部屋”を突撃取材。

片寄 ラジオのトークの映像化が、ある種、ぶっ飛んだ演出になるんですが、中原はカレー屋で働いているので、自分はほぼ絡めないんですよ。でも1回、絡めたエピソードがあって。それが大変うれしかった! ラジオブースに行くことなく、ラジオの展開に絡めた。それが5話です。

──ネタバレにならない程度でシチュエーションだけ教えてもらえますか……?

片寄 茶室です(笑)。原作にある描写が少しアレンジされています。中原は、それまでミナレさんに振り回されているんですけど、5話はマキエさんに振り回される。マキエさんは中原の家で同居している設定なんですが、マキエが夜に帰って来ない日が続くんですよ。そういう流れの中で、最終的にミナレさんのラジオに巻き込まれる。この回は現場で“マキエ回”と呼ばれていて。

中村 そうなんです(笑)。カレー屋で出会った中原に心を奪われたり、でも中原はミナレに一途なので悶々としたり。兄に軟禁されていたマキエが、自分の人生を切り開き始める回で。とある修羅場で、マキエがミナレに心をわしづかみにされるんです。生き残るために自分の体を張るというか、ミナレの「ラジオが面白くなりさえすれば、自分はどうなってもいい」という姿勢を目の当たりにして。私がマキエを演じているからというのも超えて、個人的にもグッときました。いろんなマキエの思いがあふれる回になっていると思います。

“マキエ回”と呼ばれる「波よ聞いてくれ」第5話より。

“マキエ回”と呼ばれる「波よ聞いてくれ」第5話より。

──ちなみに、中原回はあるんでしょうか。

片寄 (ドラマのスタッフに向けて)中原回、なんでないんですか!

中村 ずっと出てるからかな(笑)。

片寄 基本的にずっといろんな人に振り回されています(笑)。

スピンオフは“監禁ラブコメ夢ドラマ”

──お二人が主演を務めるTELASAオリジナルのスピンオフドラマ「波風よ立ってくれ」についてもお聞きしたいです。こちらは原作にもない、正真正銘のドラマオリジナルの展開がほとんどですね。

片寄 本編の「波よ聞いてくれ」はもちろん奇想天外なんですけど、スピンオフも別の形で奇想天外なことが行われています。中原の家をベースに。

中村 台本を読むと、脚本家の方が中原とマキエのやり取りをすごく楽しんで書いてくださったのが伝わってくるんです。視聴者の皆様にも、ミナレを挟まない2人の掛け合いがどんな感じになるのか。2人の行方に期待してほしいですね。

ドラマ本編に負けず劣らずカオスな展開となっている「波風よ立ってくれ」。

ドラマ本編に負けず劣らずカオスな展開となっている「波風よ立ってくれ」。

──本編同様に監禁の展開もあるようですね。

片寄 そうですね、基本、監禁がテーマなんです。でも絶妙に気の抜けた空気感が、ある種、味になっています。

中村 ふたを開けてみると、脚本家さんがめっちゃ楽しんでるだけ?という感じかも(笑)。

──スピンオフの台本を読んでいて、いろいろ気になる描写があったので抜粋してご紹介したいです。

「猿轡(さるぐつわ)を噛まされ、ロープで縛られた中原が床に転がっている」(第2話台本より)

片寄 はい、完全に遊ばれてますよね(笑)。

中村 ここ、着ている服に注目してもらいたいですね。

「中原:右腕 胸 左肩 背中 腹」(第2話台本より)

片寄 これは謎ですね。ちょっとしたミステリー要素もあります。

「中原、上裸のままマキエに近づき……無言でお姫様抱っこする」(第2話台本より)

片寄 (笑)。何が起きているのか、期待して観てほしいですね。

中村 脚本家の方に本当に感謝です。こんな面白い話。

「波風よ立ってくれ」第2話より、マキエをお姫様抱っこする上裸の中原。

「波風よ立ってくれ」第2話より、マキエをお姫様抱っこする上裸の中原。

──お二人は本編でラジオの奇想天外な描写に絡むのが少ない分、こっちではっちゃけられるのかなと思ったんですが、スピンオフの撮影現場はいかがでしょうか?

片寄 もちろん楽しいですけど、大変ですね(笑)。

中村 いろんな意味で(笑)。でもスピンオフは2人のテンションも高くて、盛り上がっている感じがします。花ちゃん(磯村アメリ)もいますしね。

片寄 そうなんです。中原の姪っ子が出てきますから。本編とは異なる出演者がレギュラーでいると、現場の空気も変わって楽しいんですよ。

片寄涼太

片寄涼太

──まだスピンオフドラマを観ていない、そんな視聴者の方に最後のひと押しをお願いします。

片寄 本編の見方が変わると思います。中原&マキエが本編の中でも愛らしく見えてくるのが、スピンオフの魅力。2人のファンができるはずです。

中村 本編では2人の集中したやり取りってそこまで多くないですし、スピンオフほど距離も近くない。そこを見てくださると、中原&マキエのファンになってもらえると思います。観る価値は、あると思います……!

奇妙な同居生活では中原とマキエの急展開も……!?

奇妙な同居生活では中原とマキエの急展開も……!?

──では最後に「オカルトカレーラジオドラマ」のような一言で本作を表現するなら?

片寄 「オカルトカレーラジオドラマ」ってなんですか?

中村 詰め込みすぎてません?

──すみません、原作者の沙村広明さんがマンガのあとがきで「オカルトカレーラジオ漫画」と書かれていたのを引用していました。

片寄 すごい詰め込み(笑)。じゃあ、せっかくの2人の取材なので、中原とマキエにちなんだやつを。

中村 なんだろ。

片寄 監禁……。

中村 あ、確かに「監禁」は入れたほうがいいかも。

片寄 監禁、ラブコメ……夢ドラマ!

中村 いい!

片寄 それか「監禁ラブコメドリームドラマ」。どっちがいいかな。

中村 いや「夢ドラマ」がいいかも。「監禁ラブコメ夢ドラマ」。

片寄 そうだね。スピンオフもよろしくお願いします。タイトルは「波風よ立ってくれ」です。

左から片寄涼太、中村ゆりか。

左から片寄涼太、中村ゆりか。

「波よ聞いてくれ」

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金曜ナイトドラマ「波よ聞いてくれ」

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スピンオフドラマ「波風よ立ってくれ」

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プロフィール

片寄涼太(カタヨセリョウタ)

1994年8月29日生まれ、大阪府出身。2012年にGENERATIONS from EXILE TRIBEのボーカルとしてデビューする。俳優としては2014年のドラマ「GTO」でデビューし、以降も「PRINCE OF LEGEND」プロジェクト、劇場アニメ「きみと、波にのれたら」、映画「兄に愛されすぎて困ってます」「午前0時、キスしに来てよ」、ドラマ「3年A組 ―今から皆さんは、人質です―」などに出演。2019年には“アジアの次世代スター8人”ことアジアン・スターズ・アップ・ネクスト・アワードに選出された。2022年にはドラマ「運命警察」で主演を務めている。

中村ゆりか(ナカムラユリカ)

1997年3月4日生まれ、神奈川県出身。2012年公開の主演映画「5windows」でデビュー。2014年のドラマ「家族狩り」や2015年の連続テレビ小説「まれ」への出演で注目を集める。以降も数々の映画やドラマに出演し、主な作品には映画「ラーメン食いてぇ!」やドラマ「花にけだもの」「ギルティ~この恋は罪ですか?~」「エージェントファミリー~我が家の特殊任務~」「部長と社畜の恋はもどかしい」、映画・ドラマ「賭ケグルイ」がある。音楽活動ではデジタルシングル「Lovely Baby」を2023年2月、1st EP「Moonlight」を2023年3月にリリースした。

TELASA(テラサ)

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