TELASAオリジナル「僕らが殺した、最愛のキミ」|刺激的な“グロきゅんラブストーリー”に奮闘!7人の戦友たちが極限状態で育んだ絆とは

若林時英インタビュー
若林時英

みんなの気分を変えられる人でいたい

──大原優乃さんからメイクの時間にヒップホップを流していたという情報を聞きましたが、お好きなんですか?

ハマって1年ぐらいなんです。僕が以前の作品でKREVAさんと共演させていただいたことをきっかけに深掘りしてみようと。クランクアップまで毎朝、鎮座DOPENESSさんが「なごみの湯」でのエピソードについて語っているラップを掛けていたんです。みんなにLINEで「あの曲教えてよ」って言われていたので、この機会に送ろうかな。

役作りの1つじゃないですけど、みんなの気分を変えられる人でいたいなと思ったんです。普段は静かにしていることもあるんですけど、演じた若葉大翔だったら小学校のときはこんなふうにしていただろうなと。普段メイクしてるときは大音量で音楽は流さないんで(笑)。でも今回はみんなのテンションを上げたかった。さっきも取材前にメイクルームで同じ曲を流していたら、井桁(弘恵)さんが「うわっ撮影始まる気がしてきた」って言っていて、彼女の中で“ドラマ撮影で聴いていた曲”になってるんだなとうれしかったです。

──若林さんの存在で現場も和みそうですね。黒塗りの脚本に抵抗はなかったですか?

黒塗りだったからこそ今に集中できたというか、新鮮な気持ちでお芝居に挑戦させていただけました。3日間のリハーサルは、キャスト同士で「どう展開していくのかな」なんて話していたら、監督から「それより芝居でしょ」「芝居見せてよ」と言われてしまうような雰囲気でした。その中で「3年A組」で一緒に闘っていたメンバーは、現場での居方がやっぱりみんなちょっと似てるんですよ。黙りこくって、自分に集中してました。

毅、大人になったな!

──「3年A組 ―今から皆さんは、人質です―」キャストとの再共演で感じたことも多くあったんじゃないでしょうか。

若林時英演じる若葉大翔。

絡み方が全然変わりましたね。「3年A組」のときは劇中のキャラ設定にカーストがあったので、違うグループとはしゃべらなかった。あのときも本当に精神的に追い込まれながらやっていたので、そもそもあんまりしゃべることはなかったんです。そういうメンバーとまたガッツリお芝居する機会があったらいいなと思っていたところでした。

特に(古川)毅は高校ぐらいからの仲なんです。板垣瑞生と吉田仁人ともともと仲良しだったんですけど、「面白くて背がでかいのがいるんだよ」って聞いていたのが毅で(笑)。その話の1週間後くらいに現場で会って、そこからの付き合いです。撮影で毅がたばこを吸うシーンを見て「毅、大人になったな!」って思いました。俺ら着実に成長してるんだなって熱かったです! 現場は毎日本当に濃くて忘れられない日がたくさんあります。汗、涙を出して作った作品なのでぜひ皆さんに観ていただきたいです。

自分だけが知っている、古川毅の裏の顔は…

リーダーですよね。昔からずっとグループ(SUPER★DRAGON)をまとめてきた人間なので、周囲の見方はズバ抜けてます。大人と話すのもすごくうまいなと思いました。

若林時英(ワカバヤシジエイ)
1999年10月25日生まれ、神奈川県出身。2015年公開作「ソロモンの偽証」前後編でスクリーンデビューを飾る。以後「覚悟はいいかそこの女子。」「461個のおべんとう」「胸が鳴るのは君のせい」のほか、ドラマ「中学聖日記」「3年A組―今から皆さんは、人質です―」などに出演してきた。
古川毅インタビュー
古川毅

台本の黒塗りは粋な計らい

──頭がよく、どこか人を食ったような性格である亀井悠真を演じるにあたって意識したことはありますか?

悠真はとにかく口数の少ない役ですが、ボソッと口にした一言が空気をガラッと変えたり、みんなの視線を集めたりするシーンがけっこうあったので1つひとつ丁寧に演じました。ジッポーライターをいじる癖も、セリフのタイミングに合わせてやってみたり。監督は細かく演技指導してくださる方で、役者の気持ちや役のパーソナルな部分を優先してくださいます。本当に信頼していますし、またご一緒できるようにがんばりたいです。

台本が黒塗りになっているのも粋な計らいだなって思いましたよ。僕たちに預けようという意向が見えて素敵だなと率直に感じました。役をまっとうしようと気合が入りましたね。やりづらさはまったくなくて、それよりも単純に役が難しかった(笑)。自分との闘いでしたが、周りの人たちにはひたすら助けてもらってばっかりで本当にいい現場でした。

──3日間のリハーサルから始まり、1カ月同じビルにこもって撮影するスタイルはなかなか大変だったとほかのキャストからお聞きしました。

僕は刺激的な現場で楽しかったですね。悠真はわりとバックボーンが暗いというか、複雑な家庭環境という設定なんです。自分個人としては悠真に共感できるものがあまりなかったので、朝現場に行くまでの時間は暗くて重めなアーティストのヒップホップを聞いてイメージ作りをしました。

喫煙者のしぐさは古着屋の社長から

──役に合わせて撮影期間中だけ喫煙されていたそうですね。

今まで喫煙所に行く機会がなかったんですが、“喫煙所で生まれる会話がある”という情報は聞いていて。実際に行ってみて、こういうことなんだなと知れたのは大きかったです。ここで1回リセットしてまた集中してっていう体験ができたのも、この作品ならではでした。僕はニコチンフリーのものを吸っていましたが、普段からある程度吸ってないとしぐさでバレるなって思ったのでいろいろ研究しましたね。

──どのように研究されたんですか?

左から宮世琉弥演じる中村薫、古川毅演じる亀井悠真。

行きつけの古着屋があるんですが、そこの社長から教わりました。(宮世)琉弥ともよくばったり会うお店です。作品が決まったときに喫煙者の役だけどふかしみたいになるのは嫌だと話したら、「じゃあ教えるわ」と快く言ってくれました。一緒にたばこを買いに行ったり、ジッポーもこういうのがあるよと教えてもらったり。だから実際に教えてもらったジッポーの火の付け方を現場でやりましたし、本当に社長あっての悠真だったなって思いますね(笑)。

自分だけが知っている、宮世琉弥の裏の顔は…

事務所の後輩で、どこかかわいい弟のような感じです。「17歳ってなんかこういう感じだよな」と思うときもあれば、「こんなに役のこと考えているんだ」と思ったりすることも。刺激になったし、ちょっと驚きだった部分がありました。

古川毅(フルカワツヨシ)
2000年2月27日生まれ、東京都出身。2015年に結成された「SUPER★DRAGON」のメンバー。2018年にドラマ「兄友」で俳優デビューした。主な出演作にはドラマ「3年A組 ―今から皆さんは、人質です―」「結婚できないにはワケがある」、映画「犬鳴村」などがある。現在はTBS系「よるのブランチ」にレギュラー出演中。
宮世琉弥インタビュー
宮世琉弥

景色が変わらないからこそ、人物が変わっていくのが目立つ

──宮世さんが演じたのは同窓会を企画した物語のキーパーソンですね。

演じた中村薫を起点として物語が始まるので、重大任務を任せられているなと思いました。薫はほかのみんなのことを調べ、すべてをわかっている状態です。このドラマのキャラクター1人ひとりには過去があって個性が詰まっていて。過去に起こった良いこと、悪いことがぶつかっていくような内容になっているので本当に観ていただくのが楽しみです。今回ビルの1棟が舞台なのであまり景色は変わりません。だからこそ、人物の様子が変わっていくのがすごく目立つと思うんですよ。そこは注目してほしいポイントです。

──今回閉ざされた空間で殺人が繰り広げられるわけですが、台本上まだ明かされていない状態で考えた犯人の予想は当たっていましたか?

いえ、自分の想像を超えた斜め上をいかれたというか、最後は「えっこうなの?」「っていうかどうなんの!?」となりました(笑)。誰を怪しいと思うかで自分の性格が出ますよね。考察の幅があるので、どんな推測もほとんど当てはまってしまうというか、その幅広さゆえに結末を楽しめると思います。

──現場入り前に設けられたというリハーサルはいかがでしたか?

僕はリハーサルが皆さんとの初対面だったんです。そこで「あっ、生のみんながいるぞ。なるほど、これが生の(若葉)大翔ね」と。そこからコミュニケーションを取り始めて、お芝居を交わして。薫くんを演じるのはすごく難しかったので苦戦はしたんですが、演じていく中でだんだんとわかってきたというか、コツをつかんでいきました。思っていることを出しすぎると薫の感情が見えてしまうので、ちょっと抑えて、でももっとこうして……と調整が難しかったです。でも難しくて「うわあ」となるんじゃなく、すごく楽しかったんですよね。みんなが本当に役を楽しんでいる感じは映像に出ていると思います。でも今でもわからないですね、薫くんが何を考えているのか。

日常が作品のことでいっぱいだった

──現場の雰囲気はどうでしょう。皆さんとても仲がよさそうですよね。

いげちゃん(井桁弘恵)と(大原)優乃ちゃんは、ちゃん付けで呼べるほど、敬語もなしにしようという感じで仲良くしてくださって。(高橋)文哉くんとは一緒にゲームをしてるんです。2人ともゲームが趣味なので、撮影終わりにやろうって。ほかの皆さんとも仲良くなれて、本当にこのメンバーでよかったです。

現場ではたわいもない話ばかりしていましたが、役についても熱く語れるし、同じ作品に出ているからこそ話せることがあって。日常がこの作品のことでいっぱいだったので、家族みたいな感覚で一緒にいることができました。1日1日がすごい濃くて、クランクアップのときは泣きそうだったんです。それぐらいみんなで熱く演技をしてすごい作品を作ったと思うので、ぜひ期待してほしいです。

自分だけが知っている、高橋文哉の裏の顔は…

実はツンデレっぽいんです。ちょっとツンとして、でもすぐデレってなるところがあるんです(笑)。ゲームを一緒にしているときによく感じました。

宮世琉弥(ミヤセリュウビ)
2004年1月22日生まれ、宮城県出身。2019年にドラマ「パーフェクトワールド」で俳優デビュー。出演作にドラマ「恋する母たち」「青のSP(スクールポリス)─学校内警察・嶋田隆平─」「珈琲いかがでしょう」などがある。2021年には初のスタイルブック「RB17 りゅうびセブンティーン」が発売され、2度の重版中。同年「めざましテレビ」のマンスリーエンタメプレゼンターに史上最年少で抜擢され、フジテレビ系“月9”ドラマ「ナイト・ドクター」に岡本勇馬役で出演した。