TELASAオリジナル「僕らが殺した、最愛のキミ」|刺激的な“グロきゅんラブストーリー”に奮闘!7人の戦友たちが極限状態で育んだ絆とは

TELASA(テラサ)オリジナルドラマ第2弾「僕らが殺した、最愛のキミ」の配信が、9月17日にスタートした。

高橋文哉と鈴木仁がダブル主演を務める本作は、同窓会をきっかけに繰り広げられる“グロきゅんラブストーリー”。それぞれ異なる秘密を抱えた小学校時代のクラスメイト7人が同窓会会場のビルに閉じ込められ、血みどろの殺し合いをしていくさまが描かれる。

映画ナタリーではキャストへのインタビューを実施した。7人は「精神的にも体力的にもきつかった」という日々や、その中で育んだ共演者同士の絆について述懐。台本の一部が黒く塗りつぶされ、撮影中盤までキャストにも先の展開を知らせない形で行われた撮影で、彼らが感じたこととは。

取材・文 / 田尻和花撮影 / 向後真孝

ドラマ「僕らが殺した、最愛のキミ」はTELASA(テラサ)で独占配信中
高橋文哉インタビュー
高橋文哉

役者になってきているな

──それぞれ秘密を抱えた7人が登場しますが、台本は後半の一部が黒塗りになっていて、最初はキャストの方々も後半の展開がわからなかったんですよね。

隠されていた時点では、わかっていたほうが絶対にやりやすいのになと思っていたんですが、塗りつぶされていない台本を途中でいただいて読んだら、むしろ知らないでよかったんだなと感じました。変に意識しちゃうのをわかってくださってたんだろうなと。

──皆さんは自身が演じる役の分だけ、その秘密や詳細について最初に知らされていたそうですね。ただ(高橋演じる)小林零と(鈴木仁演じる)尾崎元だけはそこについてもはじめは伏せられていたとか。

そうなんです。物語の展開よりも、あとから零の秘密を知らされたときのほうが驚きました。台本にも文章としては書かれていないし、僕以外の方は察するしかないですね。零の秘密を全部知っている人はいないかもしれない。どうしてこのときにこうしたのか……というのを考えると面白いんですけどね。どこかですべて公開したいです(笑)。

──クランクイン前にリハーサルが3日間設けられたそうですね。かなり演技に集中できた現場だったんじゃないでしょうか。

リハーサル1日目からクランクアップまで精神的にも体力的にもきつかったです。壁にぶち当たりすぎて、初めてクランクイン前日に寝れない経験をしました。どうしたらこの役になれるんだろう、明日のセリフをどうやって言うかまだ決まってないな……というような。零は“普通”のキャラクターなのが逆に難しくて、落とし込むまでに時間が掛かりました。

左から鈴木仁演じる尾崎元、高橋文哉演じる小林零。

でもすごく役を考えている自分がいて、なんか“役者になってきているな”と思いました。「仮面ライダーゼロワン」が決まったときは高校卒業して1カ月ぐらいで、お芝居ってなんだろうってところからスタートしたので。零の人物紹介の紙には「すごく優しい」と書いてあったんです。ただ自分自身は零のようには優しくないなと思ったので、役をいただいた瞬間から意識して周囲に優しく気を使うようにしました。誰がなんの話をしていて、疲れているのかそうでないのか、おなかは空いているのか……くらいまで考えられるように、周りをチラチラ見ていましたね。

異常な血のりの量に手こずった

──零に比べると、高橋さんの素の性格はどうなんでしょうか。

高橋文哉演じる小林零。

僕は負けず嫌いな部分がすごく強い気がしていたんですけど、最近「自分はどんな人なんだろう」と思うことが多くて(笑)。仮面ライダーに続いてドラマ「先生を消す方程式。」「夢中さ、きみに。」に参加して、この作品に入るまで3週間くらい空いたんです。その間はすごく自分自身のことがわかっていたんですが、また作品に入ると役に日常を預けすぎてしまうみたいで。まだ経験はないんですけど、2作同時並行で撮ったら自分の性格ってどうなっちゃうのかな(笑)。

──(笑)。では印象的だった撮影エピソードがあれば教えてください。

サスペンスなので、血のりを使う撮影がすごくありました。仮面ライダーの撮影でも血のりになじみはありましたが、今回は異常な量を使ったんですよ。おそらくキャストの皆さんが一番手こずったのはそこじゃないかなってくらい。でも現場で血のりを見たり付けたりしたことで、この作品の世界観に零として入ることができました。

自分だけが知っている、鈴木仁の秘密は…

お刺身を食べるときに醤油を付けないんですよ(笑)。「好きな食べ物なんですか?」って聞いたら、シメ鯖と刺身が好きだって言っていて。ダイエット中はさくの刺身を厚めに切って食べるそうなんですが、何も付けないと。お弁当を食べるときも、トンカツやエビフライにソースやタルタルソースをかけないんです。結局全部、何もかけないで食べていましたね(笑)。

高橋文哉(タカハシフミヤ)
2001年3月12日生まれ、埼玉県出身。2019年から2020年に放送された特撮ドラマ「仮面ライダーゼロワン」の主人公・飛電或人 / 仮面ライダーゼロワン役に抜擢された。ドラマ「先生を消す方程式。」「夢中さ、きみに。」「着飾る恋には理由があって」、映画「かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~ ファイナル」に出演したほか、待機作に映画「DIVOC-12」「牛首村」がある。現在、テレビ東京系ドラマ「うきわ ―友達以上、不倫未満―」(毎週月曜23時6分よりオンエア)に佐々木誠役で出演中。
鈴木仁インタビュー
鈴木仁

危機的状況になったときに、人間の奥底が表れてくる

──尾崎元は達観して物事を考えるキャラクターですが、演じてみていかがでしたか。

自分と近い部分が多かったのでナチュラルにできました。ほかの人よりもテンションのブレがないし、大勢の中よりは一対一のほうがしゃべれるところも共通していますね。元も大勢の中だと(高橋文哉演じる小林)零に乗っかって……みたいなことが多いんですけど、一対一のときは自分からいったりすることもあるんです。

──3日間のリハーサルを経て現場へ入ったことはどのような効果がありましたか。

リハがあって本当によかったです。キャストのうち4人はもともと共演経験があったので楽でした。今回7人しかいないキャストの中でコミュニケーションが取れていないと、作品としてうまくいかない部分がたくさんあったと思います。リハで1人ひとりのキャラクターをお互い確認できましたし、「自分はこの役についてこう考えていたけど、あの人はこうやってやるんだな」という認識もできたのですごくやりやすかったです。

──高橋さんはリハーサルから過酷だったと話していました。

テンションのアップダウンが激しい役でもなかったですし、普段から役に入り込みすぎてプライベートにまでというタイプでもないので僕は楽しくできたかなと思います。カット!でそのまま自分に戻れるので、役に入り込む方は憧れではあるんですけど、これが自分らしいのかなと思いながらやってます。

──なるほど。クライマックスにかけて一気に物語のテンションが上がってきたときは、どう意識して演じられたんでしょうか。

人間の奥底って、危機的状況になったときに無意識に表れてくるものだと思っていたので、そういう面で考えると別に苦労という感じもなくて。どちらかというと、ずっと役の中で抱えていたものを素直に出しました。

優乃ちゃんの怖さにちょっとゾクゾク

──今作は「3年A組 ―今から皆さんは、人質です―」のキャストと再共演というところも注目ですよね。

みんなそれぞれにほかの作品に出演して学んできていることだったり、新たに生まれた感情があったりで引き出しは増えましたよね。(古川)毅も(若林)時英も、言っちゃえば僕も「3A」のときと役柄が近かった。でも一番違うのが(大原)優乃ちゃんで、あんな役やるんだ!と。普段すごく明るくて笑顔でいる方なので、その奥底にあの明日香の怖さが隠れているとなると、ちょっとゾクゾクしてきて。それがすごく楽しみだったんですよ。

──現場で実際にドロドロした部分をあらわにした大原さんを見てどうでしたか?

優乃ちゃんが演じた明日香はテンションの上下がすごすぎるので、大変そうだなと感じました。何回も何回も違う角度から撮影して、体力的にも精神的にもくるような役だったのに、感情の持っていき方がすごいなと思いました。一対一で芝居する時間はほぼなかったんですが、元は明日香にズタズタに言われるシーンがあるんですよ。だから「優乃ちゃん、悪口言ってる(笑)」って声を掛けたら、「違うんだって! なんか知らないんだけど明日香が言ってるんだよね」って返されました(笑)。

自分だけが知っている、井桁弘恵の裏の顔は…

7人の中で一番笑い上戸ですね。取材撮影のときにも「すました顔で」と言われているのに、ずっと笑ってるんですよ。それが面白くて(笑)。超しっかりしてるし、勉強もできていろいろ頭で考えていそうなのに、ずっと笑っていて誰よりも楽しそうな方だなと思いました。

鈴木仁(スズキジン)
1999年7月22日生まれ、東京都出身。2014年にアミューズオーディションのファイナリストに選ばれ芸能界デビュー。第31回MEN'S NON-NOモデルオーディションでは準グランプリに輝き、以降同誌の専属モデルとして活躍している。俳優としてはドラマ「リバース」「花のち晴れ~花男 Next Season~」「3年A組 ―今から皆さんは、人質です―」、映画「4月の君、スピカ。」「小さな恋のうた」「のぼる小寺さん」「ジオラマボーイ・パノラマガール」などに出演した。2021年は単独初主演作であるFODオリジナルドラマ「ギヴン」や、「お耳に合いましたら。」などに参加。さらに10月放送スタートのドラマ「消えた初恋」にも出演が決まっている。