TELASAオリジナル「僕らが殺した、最愛のキミ」|刺激的な“グロきゅんラブストーリー”に奮闘!7人の戦友たちが極限状態で育んだ絆とは

井桁弘恵インタビュー
井桁弘恵

一緒になったキャストは戦友

──黒塗りの脚本を読まれての第一印象はいかがでしたか?

最初は、意図的な黒塗りに人間の怖さを感じてなんかゾッとしちゃって(笑)。それにすごくいいところが黒く塗られているので「いやいや待ってー!」と。ただ隠されたからこそ、自分の役のヒントがほかにないか探すきっかけにもなりました。計算せずに目の前のことを一生懸命考えることができたと思います。

──クランクイン前に設けられたというリハーサル期間の経験についてもお聞きしたいです。

すごくきつかったです。初めましての方もいる状況でスピーディに進んで、監督もきっちり演出を付けてくださいました。ただ内容も途中までしかわからず、どういう役柄なのかもなんとなくしか理解できてない中でどんどん進んでいく感じだったので、自分1人で抱え込んで「どうしようどうしよう」となっていた時間でした。すごく心身ともに削られたというか。ただあの時間があったからこそ、より緊張感を持って本番初日に臨めましたし、課題をいただけたので、今思えばすごくありがたい時間でした。

──撮影はビル1棟を貸し切って行ったそうですが、没入感がすごくありそうですね。

「僕らが殺した、最愛のキミ」

そうですね。後半はそこに行くのも嫌になりました(笑)。日の出前に現場へ入って、夜になってから出ていたので、日の光を浴びないことがずっと続いたのがストレスというか……気が滅入っちゃったんです。だからこそ外で撮影するシーンは本当に気持ちよかったですね。これが街か!みたいな。非日常を体感できたのは、作品内容的にもすごくありがたかったです。ただ役を意識して疲れてしまって、行き帰りの記憶はほとんどないですね(笑)。今回一緒になったキャストは戦友というような気持ちです。

或人のときとは違う文哉くんでした

──「仮面ライダーゼロワン」で一緒になった高橋文哉さんとの再共演はどうでしたか。

左から高橋文哉演じる小林零、井桁弘恵演じる吉村梨奈。

「ゼロワン」のとき、そんなに一緒になるシーンはなかったんです。文哉くんの演じ方や気持ちの持っていき方を直接見る機会が少なかったんですが、今回間近でお芝居をさせてもらって、文哉くんは役との向き合い方がすごいなと思いました。ちょっとした細かい癖なんかも取り入れていて。私はわりと役と素を切り替えるタイプなんですけど、文哉くんは憑依型というか没頭しちゃうタイプで。暗い芝居をしたあとは文哉くん自体も落ちちゃっているし、すごく身を削っているんだろうなっていうのを近くで感じて、心配になりました(笑)。「ゼロワン」で(高橋演じる飛電)或人が闇落ちしたときもすごく変わっちゃって、「大丈夫かな」みたいな(笑)。今回は同年代の役で或人のときとは違う文哉くんでしたし、全然歳下に感じなかったのでいろんな相談ができました。

──初めましての共演者とも今回戦友になれたということですが、もう1人の女性キャストである大原優乃さんとはいかがでしたか。役柄的には微妙な関係性ですが……。

女子2人ということで最初からすごく仲良くさせてもらってたんですけど、役の関係性は次第に悪くなって。かわいらしい優乃ちゃんからすっごい罵声を浴びていたのがつらかったです(笑)。ちょっと怖くなるくらいの“女のドロドロした感じ”が後半続いたので苦しかったですが、そこは楽しんでもらえたらと思います。ほんの短い期間で進むお話ですが、その中にサスペンス、ラブストーリー、だまし合いといろんな要素がぎゅっと詰め込まれた刺激的な作品です!

自分だけが知っている、大原優乃の秘密は…

優乃ちゃんの口癖は「優しいー!」なんですよ。ちょっとしたことにも「優しいー!」と言っていて、人ってそんなに優しくなれるのかと(笑)。すごくいい子だなって思ってます。

井桁弘恵(イゲタヒロエ)
1997年2月3日生まれ、福岡県出身。特撮ドラマ「仮面ライダーゼロワン」の刃唯阿 / 仮面ライダーバルキリー役で一躍脚光を浴びる。雑誌「MORE」「JELLY」、バラエティ番組「くりぃむクイズ ミラクル9」「あいつ今何してる?」など多方面に出演。現在、2021年7月期連続ドラマ「お耳に合いましたら。」に参加中。待機作には、主演映画「喜劇 釜石ラーメン物語」(2022年8月に岩手県釜石市で先行公開、同年秋に全国公開予定)がある。
大原優乃インタビュー
大原優乃

明日香はみんなに認めてもらうために本能で動いている

──演じられた本多明日香は承認欲求が強く、男子たちを次々と誘惑する役柄です。どのようにキャラクターを解釈しましたか?

観てくださる方は「悪女」「ビッチ」とまとめるのかなと思うんですが、明日香の行動全部が計算っていうわけではないんです。その場所で生きるため、そこでみんなに認めてもらうために本能で動いているなと感じたので、すべてが計算のようには見えないようにしようと考えました。どれぐらい嫌味を出すかは監督と毎シーン話しながらやらせていただいています。

──3日間行われたというリハーサルなどでほかのキャストとも話し合われたんでしょうか。

リハーサルでは話し合う時間がなかったんです。期間中は舞台のお稽古みたいにセリフを入れてほぼ全シーンを試して、私は本当に余裕がありませんでした。明日香は6話までにどんどん豹変していくキャラクターなんですが、自分の中で作っていた明日香で演じてみたら最後まで持っていけないというのがリハーサルでわかって。クランクイン前に改めて役を作り直せたので、この期間があったことにすごく感謝しています。

──最後まで持っていけないというのは?

大原優乃演じる本多明日香。

明日香は自分の信念がしっかり1本通っている女の子だなと思ったんです。さまざまな男性に近付いていって誘惑したり、ラブシーンもあったりするんですが、ブレた行動には見えないキャラクターに作り直しました。現場は過酷で、私の役の山場シーンは精神的に限界でごはんも食べられなかったです。だけどアドレナリンは出ていて、極限の自分が見ることができて面白かったです(笑)。撮影中は風の音が入るので暖房を切るんですが、ちょっと寒くてもアドレナリンが出ていたので「上着は大丈夫です」というような変なスイッチが入ってました(笑)。

言ったるぞ!と燃えてました

──なるほど。「3年A組 ―今から皆さんは、人質です―」で共演したメンバーを含むキャストがいる現場はいかがでしたか。

また「3A」のみんなとご一緒できたことは本当にうれしかったですね。「よーい、スタート」で撮影が始まる直前の空気感みたいなものが、やっぱり4人とも同じように感じました。

──若林時英さんも「現場の居方が一緒で、あのときを思い出す」と取材でおっしゃっていましたよ。

えっ!? ほんとですか? よかった(笑)。本当にそうなんですよね、言葉を交わさずとも会話してる感じがあったし、やっぱり仲間がいたことによって自分の居方を貫き通せたんだと思います。

──井桁弘恵さんにはセリフで罵声を浴びせることになってしまったそうですが(笑)、そのときはどういうお気持ちでした?

監督が「もっともっと」と言ってくださるので、私は言ったるぞ!と完全に燃えてましたね。でも、あとで「ごめん」と謝りました(笑)。あと弘恵ちゃんの身長が高かったので、近付いて罵声を飛ばすシーンではこっそりつま先立ちをしてます。なかなか顔に近付けなかったので(笑)。

自分だけが知っている、若林時英の裏の顔は…

あるシーンで悩んでいるとき、1人で座っていたら何も言わずに隣に来てくれて、そういう優しい部分に本当に救われました。普段はメイクしながらずっとラップ歌って、それを仁くんがムービーで撮って、学校の放課後みたいな雰囲気だったんですけどね。

大原優乃(オオハラユウノ)
1999年10月8日生まれ、鹿児島県出身。2009年11月にDream5のメンバーとしてCDデビュー。雑誌ラブベリーの専属モデルとして活動したのち、2017年にグラビアデビューした。俳優としてはドラマ「3年A組―今から皆さんは、人質です―」「ゆるキャン△」「ガールガンレディ」「ただ離婚してないだけ」に参加したほか、映画「お前ら全員めんどくさい!」「4月の君、スピカ。」に出演している。