映画「プーと大人になった僕」 PR

哀川翔が語る「プーと大人になった僕」|「何もしない」をどう過ごす?哀川流・人生を楽しむ極意

世界的に有名なキャラクター「くまのプーさん」を実写映画化した「プーと大人になった僕」が9月14日より全国公開される。ユアン・マクレガー演じる大人になったクリストファー・ロビンが、幼い頃の大親友プーと再会したことから始まるヒューマンドラマだ。

ナタリーでは本作の公開を記念し、ジャンルを横断して特集を展開。映画ナタリーは俳優の哀川翔にインタビューを実施した。がむしゃらに働いた“Vシネマの帝王”時代を経て、人生の楽しみ方を見いだしてきた哀川。そんな彼が、プーの言葉「何もしないをする」の中に見つけた人生の切り開き方とは?

取材・文 / 森直人 撮影 / 川野結李歌

くまのプーが言ってた「何もしない」ってヤツ

──映画をご覧になったばかりなのにすみません! まずは作品の率直なご感想を。

哀川翔

すげえ面白かったよ。ストーリー自体は1個も難しいとこなかったじゃない? でもこの映画が描いているテーマって、今の社会でちゃんと受け止めて実践するのはすごく難しいんじゃないの。要は、くまのプーが言ってた「何もしない(をする)」ってヤツね。

──「何もしない」ことの豊かさ。せわしない日本の疲れ果てた社会人には身に染みるメッセージです。

俺の場合は「何もしない」のをけっこうテーマにしているから。「何もしない」ところから何か生まれるっていうのが一番面白いし、そこで生まれたものが思い出にも残るんだよ。だからキャンプをやるときも、細かいスケジュールとかは何も決めない。そうすると子供たちと本気で融合できたり、あのときは楽しかったなって時間が自然に生まれるっていうね。

──なるほど。

この映画の大人になったクリストファー・ロビンって最初まったく逆じゃん。「何もしない」時間をわざわざ苦しいことでどんどん埋めてっちゃう。娘にも無理やり「寄宿学校に行け」って言ってさ。しかもそこって昔、自分が入れられて嫌だった学校なんだよ? 親が子供に勝手な教育とか押し付けてもあんまりよくないよ。これはアイツだけじゃなくて本当に「あるある」で、親のほうが子供のときに嫌だったことを忘れて、そのまま自分の子供に押し付けるんだよね。

昨日は100人キャンプに行ってた

──クリストファー・ロビンはもともとプーの親友だから「何もしない」の素養はありますもんね。

「プーと大人になった僕」

「何もしない」の経験値が眠ってたから、プーが戻ってくると元気出るんだよね。もし子供の頃にプーと遊んでなかったら、ああいう機会もスルーすると思うな。俺、今カブトムシ教室やってるんだけど、子供だけじゃなくて親御さんもけっこう付いて来る。なぜなら子供に「カブトムシ採りたい」ってせがまれても、自分が採りに行った経験ないから、やり方がわかんねえんだ。

──お父さんも込みでカブトムシ指導すると。もう哀川さんがプーみたいなもんですね。

いやあ、プーみたいなもんじゃねえよ(笑)。俺もVシネマにガンガン出てる頃はめちゃくちゃ忙しくて、1年に320日くらい現場だったからね。1980年代にデビューしてから、2000年の手前くらいまでは全速力で仕事オンリーだった。あの頃は趣味ゼロだったし、もう全然楽しんでない(笑)。死に物狂いだよ、死に物狂い。今、俺の娘(女優の福地桃子)がえらい撮影現場に入ってるけど、励ます言葉として「終わらない撮影はないから」って言うのよ。

──あははは。いつかは終わると。

「これ終わるのかな?」ってみんな不安になっちゃうのよ、撮影って(笑)。だけど終わらない撮影はないから大丈夫だって。俺もそうやって乗り切ってきたね。マラソンと同じで1歩ずつ走ってりゃあ、いつかはゴールに着くんだって。

──Twitterで見ましたが、先週までラリーに行かれていたそうですね。

「プーと大人になった僕」

うん、カンボジアの1週間ラリーで2000km走ってきたところ。ちなみに昨日まで100人キャンプに行ってた。だから昔を考えると、今はゆったり暮らせていて幸せだね。例えば海外旅行に行っても何も行程を決めないし。例外は3度のメシだね。ごはんだけはしっかり決めとかないと途方に暮れちゃうから。

──プーも大好きな蜂蜜だけは必死で確保しますもんね!

それ大事だよ。プーでもそこは絶対押さえるんだよ!

「プーと大人になった僕」
2018年9月14日(金)全国公開
「プーと大人になった僕」
ストーリー

100エーカーの森に住む親友プーや仲間たちと遊んでいた想像力豊かな少年クリストファー・ロビンも、今ではすっかり大人になり仕事中心の忙しい毎日を送っていた。ある日クリストファー・ロビンは、妻子と実家で過ごす約束だった週末に仕事を任されてしまう。職場と家族の問題に頭を悩ませていると、彼の前にかつて親友だったプーが突然現れて……。

スタッフ

監督:マーク・フォスター

キャラクター原案:A・A・ミルン、E・H・シェパード

キャスト

ユアン・マクレガー、ヘイリー・アトウェル、ジム・カミングス(※声の出演)ほか

日本語吹替

堺雅人、かぬか光明、玄田哲章、石塚勇、小形満ほか

哀川翔(アイカワショウ)
1961年5月24日生まれ、鹿児島県出身。1984年、一世風靡セピアのメンバーとしてレコードデビュー。1988年に和泉聖治監督作「この胸のときめきを」で映画初出演。テレビドラマ「とんぼ」や映画「オルゴール」への出演で注目を浴びる。1990年、高橋伴明によるVシネマ「ネオ チンピラ 鉄砲玉ぴゅ~」に主演して以降、数々のヒットシリーズを生み出していく。主な主演作に「獅子王たちの夏」や「勝手にしやがれ!!」シリーズ、「復讐」シリーズ、「借王(シャッキング)」シリーズなどがある。2005年に「ゼブラーマン」で日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞。2014年にはVシネマ25周記念作品「25 NIJYU-GO」で主演を務めた。また2015年には芸能生活30周年記念で品川ヒロシ監督作「Zアイランド」に主演したほか、ラサール石井演出の初ミュージカル「HEADS UP!」に出演した。