女性陣はピュア、クール、癒やし系

──女性キャストについてもお話を伺いたいです。吉田円佳さん、金城茉奈さん、加藤玲奈さんは、それぞれ演じた役柄とご本人の素顔にギャップはありましたか？

円佳ちゃんはとにかくピュア。歌う人って、曲の中で感情を伝えようとするからか、お芝居もまっすぐで力強いんです。かとれな（加藤）ちゃんは役作りをしていたからなのか、なかなかクールでした！ 僕がやっていることに対して10回に1回くらいしか笑ってくれなくて（笑）。みんなとの距離感を大事にしていたのかなと思いますが、笑わせるのは難しかった！ 金城ちゃんは癒やし系で、確実に僕と波長が合っていましたね。僕が1人で何かをしてもみんな笑ってくれないのに、僕と金城ちゃんがコンビになるとウケるんですよ。

──吉田さんは、以前音楽ナタリーのインタビューで「山田さんが現場を盛り上げてくれた」と話していました（参照：Yamaha Music Audition特集 Vol.4 村上虹郎×吉田円佳（たんこぶちん））。

いやいや（笑）。もし僕が超クールな役だったら、そういう振る舞いはしていなかったかもしれません。台本の設定を守りつつも、みんなで話していたネタを盛り込めたら、作品が膨らむかなと思って。監督も途中から「自由にやっていいよ」と言ってくださいました。

ライブシーンは、みんなアンプの音量をこっそり上げた

──バンドでのシーンは実際に演奏していたそうですね。どんなことを意識して練習しましたか。

準備期間が短くて大変ではありましたが、楽しかったです！ 2、3カ月くらいで5曲を演奏できるまでになりました。ベースってリズム楽器だから、1人で練習しているときは寂しいんですよ。だから、みんなで合わせた瞬間は気持ちよくて「もう1回やろう！」と何度も言っていました。

──合宿や学園祭ライブのシーンは、まさに青春映画！というキラキラした場面でした。撮影時に印象的だったことはありますか？

ライブシーンでは「あまり本当の音を入れないでね」と言われていたんですが、みんな自分のアンプの音量をこっそり上げて、楽しく演じていました（笑）。みんな（吉田演じる）燐のまっすぐさに助けられてこのバンドに入っている設定だったので、彼女の後ろ姿を見ていたのが印象的です。燐のために、という気持ちは、やっぱりみんなどこかにあったと思います。

──8月には「ニドナツバンド選手権」でも演奏されましたね（参照：「ニドナツ」村上虹郎、吉田円佳、加藤玲奈、山田裕貴がコピーバンド大会で演奏）。

ありましたね！ 撮影後も楽器を触ってはいましたが本格的に演奏するのは久々で、緊張しました……。でも指は動きを覚えていました。かとれなちゃんがタンバリンで参加したのは面白かった！ 彼女はバンドのメンバー役ではなかったので撮影中は寂しかったらしくて、念願が叶ったそうです。ただ、金城ちゃんが来れなかったのはすごく残念。

「蝉時雨ライダーズ」は思い出深い

──劇中で披露した楽曲の中で、思い入れの強い曲は？ 吉田さんは「蝉時雨ライダーズ」、村上さんは「グライダー」「さよなら監獄教室」を挙げていました。

やっぱり「蝉時雨ライダーズ」ですかねえ。ベースの進行が難しかったので、家で一番格闘した曲です。「座ってなら弾けるけど、立つとダメだ！ あー！」みたいな。文化祭のシーンで演奏したときに、みんなが楽しそうだったから思い出深いです。「遠距離恋愛爆撃ミサイル」も好きだなと。

──では最後の質問です。本作のテーマの1つに、“過去に戻ってやり直す”があります。山田さんは以前、「これからもっとがんばるためにも、過去には戻りたくない」と話していましたが、その後気持ちに変化はありました？ （参照：「ニドナツ」村上虹郎、山田裕貴ら制服姿で集結、バンド演奏は「楽しかったー！」）

1つだけ変化がありました！ 2日前に携帯電話をなくしたので、なくす前に戻りたい。でも連絡を気にしなくていいので案外楽しくて、昨今のネット社会から抜け出した生活を送っています。マネージャーさんはスケジュールを全部紙に書いてくれるので、大変だとは思いますが。なくした携帯は今日戻ってくるので、また僕は捕らわれの身になります（笑）。