広末さんファンの父にうらやましがられました
──佐野さんは撮影が終わったあとも、プロモーション企画の一環で「佐野クエスト」として卓球を猛特訓されていますよね。今度大会にも出場するとか(この取材は佐野が卓球の公式戦に出場した9月23日以前に行われた。参照:「ミックス。」佐野勇斗、初出場の卓球大会でベスト尽くす「いつかリベンジしたい!」)。
卓球は学校の体育の選択授業で少しやったことがある程度だったので、本当に一からコーチに教えていただきました。卓球、すごい楽しいです! 撮影の合間にも皆さんと練習や勝負をしていて、僕は瑛太さんと瀬戸(康史)さんがライバルでした。でも今だったら絶対負けないですね。猛練習しているので。
──多満子役の新垣結衣さんとは2度目の共演でしたが。
はい、初めて共演した「くちびるに歌を」は僕にとってデビュー作だったのでとても思い出深いです。前回は、なかなか一緒のシーンがなくてあまりしゃべれなかったんです。でも今回はずっと一緒だったので、たくさんお話できて、新垣さんも「優馬くん(佐野)がいてくれてよかった」と言ってくださったり。姉御肌な方で、いろいろ教えてくださいましたよ。
──どんなときに新垣さんの姉御っぽさを感じたんですか?
演技とか卓球に関する技術的な話じゃなくて、僕個人のことについても親身になってアドバイスをくださるんです。「優馬くんは天然っぽいところがいいと思う、そういう気持ちを忘れないでね」みたいに優しく言ってくださったり。僕が天然かどうかはちょっとわからないですけど……(笑)。あと相談にもたくさん乗ってもらいました。これからもっと役者として成長して、何年後かわからないけれどまた共演させていただきたいです。
──前作は先生と生徒、今回は卓球クラブのチームメイトという設定でした。
次は家族ですかね。お姉ちゃん!って呼びたいです(笑)。
──撮影現場へ取材に伺った際、フラワー卓球クラブの皆さんがとても和やかなムードでほほえましかったです。ペアを組んだ広末涼子さんが佐野さんにお弁当を作ってきたこともあるそうですね。
そうなんですよ! もうお父さんにうらやましがられましたね。広末さんの大ファンなので。「愛知まで持って帰って来い!」って言われました(笑)。ちょうど撮影中、減量のために炭水化物を抜いていたんです。パスタ食べたいのに食べられない!っていう状態で。あと断食がいいという情報をネットで見つけて試してみたんですけど、体質的に合わなくて肌が荒れちゃっていて。そうしたら広末さんが、しらたきパスタっていうパスタみたいなのに低カロリーなメニューや、肌にいいからってゴーヤチャンプルーを作ってくださいました。
──役を離れても気にかけてくださっていたんですね。
お母さんって呼ぶほど離れた年齢じゃないですけど、本当にお母さんのようなことをしてくださいました。(田中)美佐子さんも、僕がお米を食べられないと言っていたら、もち麦っていうダイエット向きのお米を買ってきてくださったんです。「これ炊きな!」って。
──とてもかわいがられていたのが伝わってきます。
皆さんにはすごくお世話していただいて、本当に楽しんで撮影させてもらいました。ありがたいです。
「電車男」でオタクキャラを研究
──佐野さんが演じた優馬くんは、不登校で引きこもりの高校生ですが、卓球知識は誰にも負けないというキャラクターでした。登場シーンからかなり振り切った演技で、客席から笑いが起きていましたよ。
本当ですか!? 最初はここまでやっていいのか不安もあったんです。鼻血のシーンとか……(笑)。引きこもりっていうことは内気な子なのかな?と想像して、テストでは暗い感じで演じてみたんです。でも監督が「もっと明るくやっていいんじゃない」と言ってくださって。優馬にとって卓球クラブは唯一自分の素を出せる場所なんです。なのでもっと普通の高校生っぽくはっちゃけてもいいんじゃないかと思って、明るく楽しく演じました。
──1人のキャラクターを一から作り上げていく作業は楽しいですか?
はい! 僕、お芝居するときはいつも役と自分の似ているところを探すんです。そのうえで自分の中にない部分は、ほかの作品を観て仕草を研究するんです。今回はマニアックで引きこもりというキャラクターだったので、「電車男」を観てオタクの方の仕草を勉強しました。山田孝之さんの映画版、伊藤淳史さんのドラマ版と両方とも。優馬のモジモジしている感じは「電車男」から学んだものなんです。
──研究熱心ですね! 大会に向けて練習を重ねるうちに、優馬くんがどんどん生き生きしていく姿に感動しました。
最初は内気な優馬が、卓球を通じてみんなの気持ちを結集させるところまで成長していく。その過程も皆さんに注目していただけたら。最後は重要な場面もあるので!
変態役もやってみたい
──佐野さんにとって演技の幅が広がる役だったのではないでしょうか。M!LKを応援しているファンの方々も驚くのでは?
新しい佐野勇斗を見せられるんじゃないかなと。僕の知り合いは、この作品を観終わったあと「佐野くんどこに出てたかわかんなかった!」と言っていて(笑)。眼鏡かけてた子だよって教えたら、「あの子なの!?」と驚いていました。いい意味で捉えるならば、役になりきることができたということですかね。今後もたくさんの作品に出て、毎回違った僕をお見せしたいです。
──2018年に公開される「ちはやふる -結び-」や「3D彼女 リアルガール」もそれぞれ全然違うキャラクターを演じますよね。目指す俳優像はありますか?
まだ経験は少ないですが、作品ごとにいろいろな役を演じさせてもらっているので、引き出しを増やしてさまざまな色を出せる俳優になりたいと思います。カッコいい役だけじゃなくて、自分とかけ離れているような……変態役とかも(笑)。なんでもやってみたいです。
──演技について相談したり語り合える役者仲間はいますか?
「くちびるに歌を」で共演した浦川祥哉には本当にお世話になっています。1つ歳上なんですけど、その差を感じないほど仲が良くて。週1ぐらいで、しょっちゅう僕の家に泊まりに来てくれます。M!LKのメンバーで言うと、そういう話は吉田仁人とすることが多いかな。なんでも話せる仲です。相談したりできる子が周りに多いので、そういう面では恵まれているなあと感じます。
──M!LKのメンバーはまだ「ミックス。」を観ていないんですか?
まだですね。どこに出ているかわかるかな?というのがちょっと不安なんですけど……ってそんなこと本当にありますかね?(笑) みんな気付いてくれるのかなあ(笑)。でも観てくれたらうれしいです。
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瑛太 / 佐野勇斗インタビュー
掲載!
ストーリー
母のスパルタ指導のもと、かつて“天才卓球少女”として将来を期待された多満子。会社の卓球部のイケメンエース・江島と付き合うことになり喜ぶのもつかの間、新入社員の美人卓球選手・愛莉に江島を寝取られてしまう。恋に破れ帰郷した多満子は、亡き母が経営していた卓球クラブが赤字に陥り、活気のなくなった様子を目の当たりにする。妻と娘に見捨てられた萩原をはじめ、メンバーもさえないキャラばかり。そんな中、多満子はクラブ再建と打倒江島・愛莉ペアを目標に、全日本卓球選手権の男女混合ダブルス部門への出場を決意する。
スタッフ
- 監督:石川淳一
- 脚本:古沢良太
- 主題歌:SHISHAMO「ほら、笑ってる(movie ver.)」
- 挿入歌:SHISHAMO「サボテン(movie ver.)」
キャスト
- 富田多満子:新垣結衣
- 萩原久:瑛太
- 落合元信:遠藤憲一
- 落合美佳:田中美佐子
- 吉岡弥生:広末涼子
- 佐々木優馬:佐野勇斗
- 江島晃彦:瀬戸康史
- 小笠原愛莉:永野芽郁
©2017『ミックス。』製作委員会
- 佐野勇斗(サノハヤト)
- 1998年3月23日生まれ、愛知県出身。俳優としては、2015年公開「くちびるに歌を」で俳優デビューを飾る。その後、「高台家の人々」やテレビドラマ「砂の塔~知りすぎた隣人」などに出演。2018年に出演作「ちはやふる -結び-」「3D彼女 リアルガール」の公開を控える。5人組ボーカルダンスユニット・M!LKのメンバーとしても活動中。
2017年10月13日更新